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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
☆ I Can Fly ☆
14/258

えぴそど14 尋問

相変わらずの誤字脱字。

申し訳ございません。

おかしいとこあったら教えてください泣

恐怖のあまり窓から見える空を眺めていた。ジャクシンさんは(かかと)を机に叩きつけ『ガンッ!』と音を鳴らす。


俺とメイエリオはビクッと同時に肩を竦ませる。

一時の現実逃避も許さない恐怖政治だ。


「いや、本当に分からない事だらけで俺が聞きたいくらいなんですよ!」


「ふむ、記憶喪失と言う話は元々聞いている。真偽はどうであれ、タルガージを無傷でいなしたとすれば警戒するなと言う方が無理がある話だ。ここは帝国との国境に防衛を築く場所、間者かもしれない者を安々と城壁内に置く事自体が問題になる。これはコースケ、貴様の為でもある。なんでもいい、分かっている範囲で教えてはくれまいか。」


態度は多少軟化し、譲歩してくれている様だ。

とすればこれ以上の固辞は逆に危ないか。


俺としては交渉してこちらも得られる物が必要であった。それが自身の身の潔白と言われるとなんだかやるせない。


「…あっと、そうですね…じゃあ分かる範囲で…」


俺はどういう経緯でここまで来る事になったのかを説明した。平原で寝ていた事、どうやってそこに来たのか全く覚えていない事。


熊との戦闘については鎌を出せる能力が発動し、それを活用したと素直に答えておいた。


「カマとはどのようなものだ、今ここで出してみろ」


「ここでですか!?いや、あの大変危険だと思いますけど。」


「構わん。出せ。」


ポイントを使うのは痛いが、男気の獲得方法も判明したし〈小かま〉であればいいかと準備する。


部屋を見渡し、安全な位置を確認しつつも、鎌がどんなものか分かるくらいには出るようにした。いつもの様に右手で刃筋を決め、左手で〈けってい♡〉を押そうとしたその瞬間。バンっ!!!


「ジャクシンさまー!!!アルネロ!ただいまとうちゃくしましたぁー!!」


「!?」


背にあった扉が急に開き、ぶつかった俺は体勢を崩しながら〈けってい♡〉を押してしまう。


目線がズレたまま瞬時に鎌が出現する。

最悪な事に、ジャクシンさんの首ギリギリを掠めそうに出てしまった。青ざめる額、凍りつく空気。


「あ!あー!すすすすすみません!だ、大丈夫ですか!?」


『カキィィィィィ』

【経験値50を獲得しました】


危うくジャクシンさんの首を飛ばす所で本当に焦った。それよりも問題は、扉から急に入って来たウサ耳少女だ。


勢いよく入って来たかと思えば、いきなり顔面に飛び蹴りをかましてくる。しかも鬼の形相だった。まぁ強肉弱食の効果で大きく弾き飛ばされた訳だが、クルクルと空中で威力を殺し、見事に着地する。


「くっ…!なにやつ!ジャクシンさま!はやくおにげを!」


「よい、アルネロ。だいたいお前の所為だ。そいつに手を出すな。」


「!?……はい……」


ジャクシンさんは、アルネロと呼んだ舌足らずな喋り方のウサ耳を諌めながら、伸ばされた鎌をまじまじと眺め観察していた。


コンコンと叩いてみたり、指でつまんで動かしてみたり、力を込めたりしている。ちょっと触り方がエロかった。ウサ耳はジャクシンさんの近くに寄り、俺の方を警戒している。


「ジャクシンさん、あの…」


「あぁ、構わん。それよりこいつは凄いな。殺気を全く感じなかった。気付いたらそこにあると言った感じか。魔力も一切感じられず、かと言って幻惑の類でも無い。ふっ、ふふ。久々にゾクゾクさせてもらったぞ。」


「はぁ、その、喜んで頂けたなら光栄です…」


〈小かま〉はスッと始点に吸い込まれる。

メイエリオも俺の鎌を見るのは初めてだったので、驚いた表情をしていた。すっとんきょんな顔をしていてもかわいい。


「スケアリーベアーをどうやって倒したのかは納得できた。次は攻撃を無効化している事についてだ。」


そうなるよな。

だが、これについては秘匿しておく事が吉だ。なんせ俺の最大の弱点を曝け出してしまう事になる。


今後色仕掛けで迫って来られようとも、レベル5以上であれば暗殺は全て防げる。ただし、レベルが上がっていない幼子が『だっこぉ』と駆け寄ってきてナイフで頸動脈グサーはありえるのだ。


「それについては全く分かりません。攻撃を受ける瞬間に魔法陣の様な模様が現れますが、意図しているものでは無いですし、タルガージやそこのウサ耳さんの攻撃もそもそも目で追えている訳じゃないです。」


俺が『ウサ耳』と言った事に、眉間にシワを寄せ不機嫌な顔になるアルネロ。ジャクシンさんは少し考えた後、口を開く。もしかして嘘だとバレているか。


「そうか…わかった。ならばカマの話に戻そう。先ほどのカマはどうやって出している。見たことの無い構えに見えたが。」


「え?あぁ、ステータスボードの中にスキル欄がありまして、その中の〈小かま〉を選ぶと────」


「待て、ステータスボードとはなんだ。」


ん?ああそうか、名称が違うのか。

でもだいたい異世界ではステータスとかステータスボードとかで通るもんじゃないのか。んーなんて言ったらいいんだろうか。


「えっと、自分のレベルやレベルアップに必要な経験値を見るやつですね。皆さんはなんて呼んでるんですか?」


そう答えるとジャクシンさんの目がすぅっと細くなり、両足を机から降ろした。


なんだこの空気はと思い、メイエリオの方を向くと『え!?』っという様な顔でこちらを見ている。ウサ耳アルネロはこっちをずっと睨みっぱなしだ。


なんだ?俺何か変な事を言ったのか!?3人の顔色を伺いながら恐る恐る質問してみる。



「な、何か変な事でも言いましたか?」


「この国に己のレベルを知る術は無い。」

ブックマークや評価ありがとうございます。

私の様な底辺筆には心の支えになっております。

今後ともどうかよろしくおねがいします。

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