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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
陰謀渦巻く夢の果て
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えぴそど129 サブグラウカ

普通に攻撃してもダメだ。


身体強化で死神の憑依を受けた俺の頭の中はフル稼働になり、あれやこれや思考を張り巡らせていった。


今の俺の普通の攻撃でこいつに致命傷を負わせる事は不可能だったからだ。いや、致命傷どころか、傷を負わせられるかどうかも怪しい。


俺には奥の手〈小かま〉のバーストがある。


だが、逆を返せば、バーストが避けられた時点で打つ手が無くなってしまうのだ。


正直な所、ここまで〈小かま〉を連発した所為で、男気ポイントも心許ない。これ以上戦闘を長引かせると俄然不利になる。


それに、この青白い顔の男を倒せても、ハピスさんに絡んでいる獣人の敵が残っている。


そこで出した結論は

【なんとかしてバレない様にバースト発動までごまかす】

だった


強化が切れるまで10分しかない。


それまでにこいつをなんとしてでも仕留めてやる。


俺は槍を鎌化させず、ただのL字クランクの状態のまま男に向かいダッシュした。


横薙ぎに思い切り払い、相手の鎖骨辺りを狙う。


男はフェイクだと言い、手にした槍で攻撃を受け止めた。


相手の勘が良い事も功を奏し、俺の作戦の一つめが成功する。


俺はそのまま魔力を曲がった槍に込めだすと、身体強化のお陰もあり、一瞬で鎌化させる事に成功した。


身体強化状態で鎌化すると、魔力の量が多いのか、鎌がいつもより大きくまた鋭く感じる。


残念ながら淡い期待を込めていた、鎌化に入るタイミングは避けられてしまったが、相手は確実にこれが狙いだったと思っているはず。


俺はその後、鎌化槍を振り回した。


型などあったもんじゃない。


ただただ、がむしゃらに振り払ったり突き上げたり、ただ振り回す様にしたりと、あらゆる方向に鎌化槍を男に向けた。


男の顔はどこか興味を失せた様に、俺を哀れんでいるかの様な表情となった。


ここだ


ここしかない


既に視界には〈すきる〉欄を開いており〈小かま〉を選択済みだ。そこから鎌化槍を持った手で『b』ボタンを押した。


押してすぐ、まるで時が止まったかの様に違和感のある雰囲気になり、〈はじまり〉と〈おわり〉、〈ふえる〉と〈へる〉ボタンが目の前に並んでいた。


唯一動いているのは、俺の周りを囲み回っているピンク色で禍々しい大きなリング状の魔法陣とタイマー。


【BURST MODE 00:02:41】


【BURST MODE 00:02:34】


【BURST MODE 00:02:18】


分かってる


慌てるな


バーストモードは残り2分を切る辺りでなければ、まともに身体を動かせる感覚がつかない。


今も若干ながら手は動いている様に感じるものの、まだまだ鎌をセットできるほどじゃない。


【BURST MODE 00:01:58】


ここだ


やっと手が動く感覚が出てきた。


ゆっくりだが確実に周りよりも早く動いている。


バーストモードはクールタイムが長いというのもあり、いざという時用の為に、頻繁に練習で使って居られなかった。


それに、残りの男気ポイントからしても使えて11本分が限度となる。


万が一の為に2本分は残しておいたとしても、9本は使える。


そもそも、最初に訳も分からず使った時とは違う。


俺は手際よく且つ効率的に鎌をセットしていく。


【BURST MODE 00:00:32】


既に青白い顔をした男に対しての〈小かま〉のセッティングは終わった。


だが、まだ時間に余裕はある。


若干重いが、30秒を切ればほぼ身体はいつもどおり動かせる。そしてこれくらいになると、身体強化の効果も合わさり、俺はまるで超スピードを得たかの様に動ける。


つまりこうだ


【BURST MODE 00:00:03】

【BURST MODE 00:00:02】

【BURST MODE 00:00:01】


【BURST MODE 00:00:00

────♡ B・U・R・S・T ♡ 】


「またな、ぐっすり眠れ。」


魔法陣が弾けると同時に、俺は予め決めていた決め台詞を言い放った。


〈康介流滅殺スキル サブグラウカ〉


「!?………ぐっ!!!ぶはぁっ!!」


目の前の男には8本の〈小かま〉が刺さり、男は口から盛大に血を吹き出した。


「がはっ…な、何をした…いつのまに…」


俺は決めポーズをとったまま、様子を伺った。


「馬鹿…な……」


男の目から紫色の光は失われ、頭を下げ動かなくなった。


「な!なんやねんこれ!!いったいっわあほ!!」


俺はハピスさんの方向を振り返ると、獣人の女の子の両足を貫く様に〈小かま〉が刺さっていた。


男へのセッティングが終わると同時に、残りの時間を使い仕掛けていた。


俺はそのまま獣人の女の子の方へ向け歩き出した。



ひとまずこれで

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