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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
陰謀渦巻く夢の果て
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えぴそど126 仁王立ち

投稿処理が完了出来ていませんでした(´Д⊂グスン

「ハピスさん!!」


「おー康介ー!時間ピッタリだよー!いてて…」


俺達が森を抜け、木々が開けた場所に着くと、傷らだけで眼を赤く輝かせるハピスさんと、ダンジョンで出会ったあの二人が立っていた。


二人とも眼の色を青色と紫色に輝かせており、『え?それどういう原理なの?』と野暮な事を聞こうとしたくらい色がはっきりと分かった。


「コノウさん!ハピスさんの手当を!トモ!コノウさんを護っててくれ!」


「わふっ!」


「……不本意ですがかしこまりました。」


こちらが動いても特に何をしてくる訳でも無く、敵対するべき二人はこちらを観察していた。


「紫熊、どないするんよ。さっきのスキルを使ったのがこいつなら、まだなんかあるで。」


「ええ、そうですね。それに、緋猫が眼を発動していますが、能力が分かりませんでした。転移の類では無いでしょうが。それより、桃犬は何をしてるのやら…」


二人が何かを相談している様だったが、距離があり会話の内容までは聞こえて来ない。


俺は彼らに少し近づき、というより、ハピスさんやコノウさんから二人の距離を離す為に、前に出て近付いた。


「何があったのかは知りませんが、この状況を説明してもらう事は出来ませんでしょうか。私の名前は康介。ハピスさんの友人です。」


それを聞くと、獣人の女の子が頬を膨らませ笑った。


「ぷっ!聞いたか紫熊!友人やって(笑)!どうやら友達を助けに来たみたいやわ!ほんま…笑うでしかし…」


「申し訳ございませんが、コースケさん。理由をお話する訳にはいきません。かと言って、貴方方に危害を加えたい訳でも無いのです。私達の目的はあくまで貴方方がハピスと呼ぶその女。これは言うなれば内輪揉めでそちらには関係の無い事。素直に引き下がって頂きたい。」


青白い顔をした男が前に出て、俺との距離を詰める。


レベルは確認済み、それに俺の事は知らない様子なので、不意打ちをくらおうとも、強肉弱食で防ぐ事は出来るはず。


それよりも俺の琴線に触れた事をこいつは言いやがった。


「危害を加えたくない?何を言ってるんだ!アルネロをあんなになるまで傷付けたのはお前らだろうが!」


「アルネロ…?ああ、あの兎ですか。困りましたね、あれとも親しい関係だったとは…しかし、仕方無い事です。私達の邪魔をすると言うのであれば、制裁を受けて頂く必要があるのです。」


「まるで自分達が正しいとでも言ってるみたいだな。こっちは理由を聞いて情状酌量の余地でも無いか考えてやるって言ってるんだ!出来ないなら…」


「出来ないならなんなのですか?まさか、私達と戦おうとでも?」


「もちろん、ぶっ倒す!」


「ふぅ…物騒ですね。」


青白い顔の男は尚もこちらに近付いて来た。


男が手に持つ槍を伸ばせば俺に当たる程の距離まで来ると、男は改めて俺の顔をまじまじと見てくる。


俺は視界の中だけで〈小かま〉のセットを行い、いつでも攻撃出来る様にしていた。


「はぁ…仕方ありません。いいでしょう、私が相手になってあげましょう。貴方の意識が無くなれば、ハピスと呼ぶ女は好きにさせてもらいますよ。」


「ああ、そのほうが分かりやすい。どっからでもかかって──」


『キィィィィィン』

【経験値50を獲得しました】


「!?……なんだ今のは。」


「行くぜ!」


相手の槍による攻撃を弾いた直後、攻撃自体は見えなかったが、脳内アナウンスが流れると同時に俺は〈小かま〉を発動させる。


「ぎゃっ!」


俺の狙いはこの青白い男では無く獣人の女の子。


〈小かま〉が獣人の女の子の足の甲を貫いた。


この獣人の子は明らかにハピスさんの方向を確認している。こっちが噛み合った際に狙われたらたまったもんじゃないからな。


目の前では若干驚いた表情の男もすぐに後ろを振り向く。


『ガキィィィィィン』

【経験値50を獲得しました】


男の何かのスキル技が放たれたが、もちろん普通に攻撃をされ俺に当たるはずがない。


「……なんなのですか貴方は。」


『キィィィィィン』

【経験値50を獲得しました】


男は不思議そうな表情のまま攻撃を繰り返す。


俺は曲がった槍を出し、魔力を込め鎌化すると、男に向かい反撃に出た。


「俺の友人を、仲間を傷付けた報いは受けてもらうぞ!」


俺が放った技はあっけなく避けられてしまう、躱し方からして攻撃をまるで完全に見切られている様だった。


「康介ー!そいつ、魔力の流れが見えるからー!そういう攻撃当たらないかもー!」


後ろからハピスさんの声が聞こえる。


魔力の流れが見える?


魔力操作に苦戦した俺からすれば、なんとも羨ましいスキルだ。だけど、裏を返せば魔力を使わない男気スキルなら見えないだろう!


〈小かま〉をセットすると、男の目は俺の手に集中した。


目線には気付いていたが、そのまま発動し、〈小かま〉が出現するも、あっけなく避けられてしまう。


「残念ですが、その不可解なスキルはもう当たりませんよ。」


わずか一度の使用で、俺の手の動きと〈小かま〉の発動関係を完全に見抜かれてしまう。


「さっきはようやってくれたのー!痛いやないかー!」


『ガキィィィィィン』

【経験値50を獲得しました】


「うが!!もー!なんなんよこれ!」


背後から獣人の女の子が斧で切りつけてくるも、強肉弱食で弾くと、俺はすかさず鎌化槍で切り払うが、斧で止められ、距離を取られてしまう。


男も一旦俺から距離を取り、二人で何かを話始めた。


「碧栗鼠、今のスキルを模倣出来ますか?」


「あかんわ。試してみたけど出来へん。それより何で攻撃が効かへんのよ!」


「装備は傷付いています。なのに外傷は無い。それに、こちらに力が跳ね返されていて手応えがまるで無い。魔法だとしても魔力は見えない。緋猫の薬では無さそうですが…ただ、今あちらの武器が碧栗鼠の斧と接触したのは確かです。」


俺は勝機を見出し、堂々と声をあげる。


「お前達は俺には勝てない!素直に謝ってこの場から立ち去るがいい!」


テンションの上がり過ぎていた俺は、多少台詞が変な事にも気付かず、鎌化槍を地面に突き刺し、腕を組んだ仁王立ちで二人を見た。



何を考えているのか静かにこちらを見る二人を見て

俺はダメ押しの身体強化を発動させる

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