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泥酔社畜は異世界召喚でカマ切り戦士になる  作者: 青狗
陰謀渦巻く夢の果て
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えぴそど118 空振り

「こちらですよ緋猫。」


「はいはーい。」


先頭を進んでいた紫熊が立ち止まると、森の中に建てられた小屋が姿を現した。


「こんな所にあったんだーびっくりだよー!結構探したんだけどなー残念。」


「貴女にとっては見つけられなかった事がむしろ良かったのかもしれませんよ。さ、中へ。」


「今更中に入ってもさーどうせ何も無いんでしょー?じゃ、いいや。もう興味無いし。」


「そうですか、では先に本題を終わらせておきましょう。緋猫、貴方の行動はフットプリンツの思想に反しています。今すぐ眼をユウジ君に返し、死んで下さい。」


「おっとまたまたびっくりだよー!私的にはもっとも思想に忠実なのが私だと思ってるけどねー」


紫熊は表情を変える事無くハピスを見つめる。


「なーあんたアレやろ?勇者やら拳王やら色んな所に顔出して何か吹き込んどるやろ?なんかアイテムも渡してるみたいやし、そんなん反則やん。」


「碧栗鼠の言う通りです。我々はこの世界の真実を知る為にも、神々が描いたストーリーを見届ける必要があります。貴女に脚色された物語に、何も価値がありませんよ。」


二人の言葉を聞くと、ハピスは優し気な表情を消し、真顔のまま鉄球を袋から取り出した。


「何も知らず見届けるだけのお前らが真実を語るとは滑稽極まりない………この世界は今収束へと加速しているんだぞ!指くわえて待ってるだけじゃ、同じ歴史が繰り返されるだけだ!私の願いは変わらない!本当に人々を争わせるシナリオを描いたのであれば!相手が神であろうと私は戦う!命が弄ばれない世界を創りあげる!その為には帝国も王国だって必要なら滅ぼす!そうだろ!?その先にある未来が真実だ!それを知るのが私達の使命だった筈だ!!!」


「ながなが語っとるけどな、それはあんたのエゴやろ。私らは別に神さんと戦ったり、国を滅ぼしてまでねじ曲がったもんみとーないで。」


「!?」


「そういう事です。我らは只の観測者。人が憎しみ合おうが、殺し合おうが関係無い。貴女が二度とフットプリンツの名を汚さぬ様、ここで消えてもらいますよ。」


「……分かった。私は私のやり方で世界の真実を追い求めて見せる!」


〈中級槌スキル 3連ウロボロス〉


ハピスが魔法陣を素早く展開し、鉄球を地面に叩きつけると、地面から蛇を模した半透明の光の輪が現れ、ハピスの周りを回り始めた。


碧栗鼠がハピスに向かい斧を構え跳んで来る。


姿を確認しつつ、身体を捻じり避けると碧栗鼠の身体に蹴りを入れた。


「甘いで!」


碧栗鼠は蹴られた反動を使い身体を逆さまにしたまま、尻尾で掴んだ斧を使い、ハピスに向かい斬撃を行う。


「はぁ…碧栗鼠。不用意過ぎですよ。」


ハピスの回りに展開されたウロボロスの輪に当たると、蛇の口が開き、碧栗鼠の尻尾に噛み付いた。


「いったぁっ!もー!なんやのこれ!とれへんー!」


碧栗鼠は蛇を模した魔力を手で引き抜こうとするも、蛇は動じる事無く少しづつ尻尾を捕食していく。


〈四方錬金術 肉体強化剤〉


ハピスは紫熊に警戒しつつ、碧栗鼠から離れると、その手には注射器が持たれており、そのまま自身の首に挿した。


「ぐぅぅ!」


ハピスの肌がみるみる赤黒く染まっていくと、鉄球から魔力操作による巨大な棘が無数に飛び出す。


「いいのですか?かなり身体に負担のある薬に見えますが。」


「余裕ー!ハナからお前ら相手に無傷で勝とうなんて思ってないからー!」


ハピスは鼻血を拭くと、鉄球を振り回しながら紫熊に攻撃を仕掛ける。


〈中級槌スキル ジェノサイド〉


棘化した鉄球を高速で振り回しつつ、避ける紫熊を徐々に追い詰めていく。


「困りましたね。その蛇は呪いの類なのでしょうか。無策に攻撃できませんね。」


「だったら大人しく諦めてやられてー!」


〈中級槌スキル ジオストーム〉


鉄球自体が高速回転し始め、魔力の渦を纏いながら紫熊に向け放たれる。


紫熊は横に跳び避けるも、鉄球は向きを変え、紫熊を追尾した。


「仕方ありませんね。」


紫熊の眼が紫色に輝き始めると、高速回転する鉄球の一部を槍の柄で止めた。


直後横からハピスの蹴りが放たれるも、紫熊はハピスの方を見る事無く避ける。


ハピスは鉄球を手に取ると同時に紫熊に横薙ぎに追撃を加える。


またしても紫熊はその攻撃を僅かな動きで避けた。


「はぁ…はぁ…お前の眼は魔力の流れが分かるんだね。」


「もうバレてしまいましたか。隠してた訳でもありませんが流石ですね。私に魔力を込めた攻撃は当たりませんよ。かといって、魔力の通していない攻撃でやられる程ヤワではありません。私は貴女の薬と魔力が尽きるのを待てばいい。」


「言っておくけどね…はぁ…はぁ…このペースでいけば3日は戦えるよー!!!」


「紫熊!どないしよこれ!ほんま取れへんねんけど!」


その言葉に小さなため息をした紫熊は、ハピスを無視したままゆっくりと碧栗鼠の方へと歩いていった。


「ここですね。」


蛇に向かい槍を刺すと、蛇は粉々に砕けた。


「ありがとさんやで!紫熊!」


「いいえ、どういたしてまして。さて、対処も分かりましたし、反撃と行きましょうか。」



ハピスは頭を掻くと

腕時計を確認した

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