287 修学旅行 1日目 ⑨
男が言葉を続ける中でハルカがスッと動くと俺の背後へと忍び寄って来た。
そして相手の死角から俺の背中に自分の背中を重ねると俺の知りたい情報を教えてくれる。
その様子から分かる様に予定通り、奴が仕掛けている事での効果は無さそうだ。
「アイツは安倍家当主だったミツヒロの兄でタカナリ。アナタが昼間に始末したカツトの叔父に当たる。術に長けていて特に言霊の術を得意にしてる。それと・・・。」
「それと・・・何だ?」
すると珍しくハルカが言い淀むとあからさまに表情を歪めている。
感情が大きく成長したからなのか、かなりの嫌悪感を感じているようだ。
「あの歳で極度のロリコンらしい。きっと私達を性的な目で見てる。」
「それは聞き逃せない情報だな。」
俺は即座に完全鑑定を発動してタカナリのステータスを確認する。
するとスキルには言霊、魅了、隷属などの危険なスキルを所持しているようだ。
そして称号にはその性癖を示す様にロリータ・コンプレックスとフルネームで書いてある。
これは俺とはまた別の意味で知られたくない称号なのは間違いない。
コイツの事はこれからロリコンと呼べば十分だろう。
「おいロリコン!」
「な!?何を言い出すのだ!」
「全部分かってるんだよロリコン。今ならまだ半殺しで帰してやるから大人しく観念しろ。」
俺の中でロリコンは有罪ではあるけどそれだけで死刑にするような鬼でもない。
大事な人にその手の目を向けなければ情状酌量の余地は十分にある。
それにトワコへ向ける視線から考慮すると後5年もすれば守備範囲外だろう。
するとタカナリ改めロリコンは顔を俯かせると肩を震わせる始めた。
どうやら心へのダメージは計り知れなかったらしい。
俺も称号にある厨二戦士を誰にも知られない様に気を付けておこう。
しかし、他人に知られたダメージが大き過ぎたのか勢いよく顔を上げると急に笑い始めた。
「フ・・・フフフ!ハーハハハハハ!それがどうした!俺の術をどうやって耐えているか知らんが他の者は既に俺の術中だ。お前を殺してしまえばその娘たちは俺の物になる。1人だけ賞味期限切れも混ざっているようだが、そいつは部下にでもくれてやれば良い。」
どうやら、あまりのダメージの大きさに開き直ってしまったようだ。
しかし本人が開き直ったとしてもロリコンは既に言ってはならない言葉を口から吐き出している。
その考えが正しいと示す様に背後からまるで津波でも起きたのかと思える程の怒りの波動が吹き荒れ始めた。
そして日本海溝よりも深くから響いてくるように冷たく闇に染まった声が聞こえて来る。
「ハルヤ!そいつを殺しても良いですか?・・・良いですよね。・・・早く殺しましょう。」
その声は1000歳を超えるトワコからのもので、どうやら完全にプッツンしてしまったらしい。
皆は取り囲んで押さえてくれているけど、別にロリコンを守る為ではない。
あちらはそうは思っていない様で笑っているけど、後ろから聞こえて来る声に耳を傾けるとキレているのはトワコ1人ではないようだ。
「それではこれから攻撃する順番を決めます。」
「1撃で決めれば良いんだよね。」
「形も残しません。」
「私は永遠の18歳ですからね。」
「愚か者に死の鉄槌を。」
「海に沈めてやるわ。」
「魂すら残さずに焼き尽くしてやります。」
どうやら我慢の限界を超えているのはアズサ、アケミ、ユウナ、トワコ、アン、ミキ、カナデ、シュリの8人のようだ。
殆ど全員だけど皆は口々に危険なセリフを吐き出しながら熾烈なジャンケン大会を始めた。
その為にロリコンは完全に放置されていて皆に向かって色々と命令を叫んでいるけど誰もそちらへと目も向けない。
しかし今は瞬き1つでも勝負を左右してしまう時なのでこの塩対応も仕方ないだろう。
「あ~~~!チョキはフェイントだったのね!」
「あそこで揃ってパーに変えるなんて狡いです!」
そしてジャンケンに参加しているメンバーでミキとカナデが最初に敗北した。
この2人はレベル100の壁を超えていないので順当な所だろう。
ただしステータスや能力だけを見て考えるなら1番はアズサで間違いない。
それでも俺としてもここでトワコに勝ってもらいたいと思っている。
俺も肉体はともかくとして中身は200歳を超えているので外見しか見ない奴に怒りを感じる気持ちは良く分かる。
「ああ~負けちゃった。」
「不覚です!」
そして、アケミとアンも負けてしまい悔しそうな表情を浮かべている。
それに先程から白熱した動きの為に衝撃波が生まれてしまい突風が吹き荒れていた。
周りが壊れない様に俺がシールドで囲って抑えているので周囲に影響は無いけど、そうしていなければロリコンは何処かへと飛ばされていただろう。
「あ~負けちゃった~!」
「ク!殺し損ねました!」
そして全てで上回っているはずのアズサまでが負けてしまい珍しくガッカリと肩を落としている。
それにユウナはある意味で『ク!殺』だけどそう言う事をいうモノじゃないよ。
しかし、これで残ったのはトワコとシュリの2人だけど俺個人としてはアズサ達には人を殺させたくないのが本音だ。
特に蘇生させる気が無い奴に関しては。
なので残った2人には悪いけど俺は心の中でホッと安堵の息を漏らしている。
そして最後に激しい戦いを潜り抜けて勝ち残ったのは・・・。
「よっしゃーーー!」
「私が負けるなんて・・・。この世界に生まれて数千年。こんなに悔しいのは初めてです!」
そして勝者であるトワコは最後に出したグーを空へと掲げ、シュリはチョキの形で地面に手と膝をつくと敗者の姿勢で悔しがっている。
そこにダイチが手を差し伸べて起こしているけど凄い不機嫌そうだ。
きっとシュルは先程ダイチが馬鹿にされた事を怒っていたのだろうけど、ダイチも俺と同じで自分が貶される事には腹を立てない。
もし、その怒りを爆発させる事があるとすればシュリに危害を加える存在が現れた時だ。
なのでアイツは大精霊の時に戦力になれなかった事からダンジョンで厳しい修行を経験して自力でレベルの壁を越えた1人だ。
今では既に半分人間を捨てて半精霊と言うものへと変わっている。
恐らく今の強さなら4属性の大精霊が一度に裏切ったとしてもシュリを守り切れるだろう。
すると勝者に上り詰めたトワコは薙刀を取り出すと悠然と俺の横を通り過ぎて前に立った。
「貴様も俺に歯向かうというのか!?」
「アナタは私の逆鱗に触れたのよ。大事な人を馬鹿にされて引き下がる女は居ないわ。」
すると、その言葉に他の女性陣も納得したように頷いている。
しかし、その思いがどんなに大きくてもロリコンには理解できない事のようだ。
「やはり女は愚かな生き物だな。この寺も多くの愚民に混じって女と共に修復を成し遂げたとあるが馬鹿々々しい話だ。所詮奴らは俺達の様な支配する側の道具に過ぎんと言うのに。あんな石像まで作って腹立たしい!」
そう言ってロリコンは本堂の傍にある石像へと視線を向けた。
そこにはかつて俺も話をした事のある作業者たちをモデルとした石像が置かれている。
そして、その横にはしっかりと真新しい木製の看板があり、この寺を修復した際に尽力してくれた事と、その名前までが記されていた。
看板の方は初めて見たので最近になって誰かが作ったのだろう。
しかしロリコンにとってはその石像の存在自体が癪に障るようで懐から素早く札を取り出すとそれを石像へと投げつけた。
「蛟よ、我が声に応え現れよ。」
「シャーーー!」
「その腹立たしい石像を壊してしまえ!」
すると札から水の蛇である蛟が現れ石像へと巻き付くと破壊しようと力を込め始めた。
しかし看板はすぐに破壊されてしまったけど石像が壊れる気配はない。
それを見て不審に思ったのかロリコンは蛟に離れる様に命令を下した。
すると、その下から巻き付かれた事による水流でピカピカに磨かれた石像が姿を現し夕日を受けて輝いている。
どうやら、奴の攻撃は車の洗車機ほどの効果しかなかったみたいだ。
「ど、どういう事だ!何故この程度の石像が壊せない!?」
まあ言っては何だけど、この石像を作ったのは邪神との戦いが終わった後のことだ。
それは即ち、この石像を作った職人はレベルが100まで達していたという事になる。
なので後世に語り継がれるであろう事が分かっていれば全力を出さないはずがない。
それをレベル50にも到達していない術者が壊そうとすること自体が無謀と言える。
「ん~、口ではあんな事を言っていたけど石像を綺麗にしたかったのか。まさかロリコン属性だけでなくツンデレ属性まで持っているとはな。いったい誰得な奴なんだ?」
「黙れーーー!」
「男のツンデレがここまで見苦しいとは思わなかった。あ!ハルカは俺得だから良いからな。」
「一応、配慮は受け取っとく。」
するとさっきのジャンケン大会で燃え尽きたのか、皆から冷たい視線が向けられている気がする。
それに後ろからは「ロリコン」という言葉だけでなく「シスコン」という言葉も聞こえる。
でも俺にとってはシスコンとは褒め言葉なのでどんどん言ってもらいたい。
そして石像の破壊を諦めたロリコンは呼び出した蛟を前に出して笑みを浮かべた。
どうやら、さっきの事は無かった事にするみたいだ。
しかし後ろからシュリの噴き出す声が聞こえて来るので何かのツボに直撃したらしい。
でもトワコは紛れもない人魚なんだけど使うのは蛟で良いのだろうか?
しかし、それを知る筈もないので自信に染まり切った顔をトワコへと向けている。
「俺の能力を1つ破った程度で良い気になるなよ。これから貴様らにはじっくりと後悔を味あわせてやる。」
「その程度の式で私に勝てるとでも思っているの?」
するとトワコは片手で持っている薙刀を下段に構えたまま鋭い視線で睨みつけた。
それに対してロリコンは余裕がある様でいまだに笑みを浮かべている。
その余裕がいったい何処から湧いてくるのか疑問だけど、まさか隠れた特殊スキルか俺達を凌駕する程の式神を呼び出せるのだろうか?
「フッ!英雄と言われたペテン師に騙された愚かな女よ!本当の力がどういうものか見せてやろう!」
そう言って取り出したのは禁断の式神を呼び出すための黒い札で、今日だけで見るのは2回目だ。
それに血を垂らして頭上に掲げると呼び出すための言葉を叫んだ
「来たれ禁断の式神よ。蛟を贄とし我が敵を撃ち滅ぼせ!」
すると横に居る蛟が札に吸い込まれる様に消えて行き、完全に吸い込まれると今度はヘドロの様に毒々しいドブ川の様な液体が噴き出した。
それは次第に細長い姿に形を整えると龍の形へと変わっていく。
「ははは!これが俺の開発した新たな式神だ。式神に式神を取り込ませ能力と支配力を強化する。貴様らにはコイツの実験台になってもらうぞ!」
「それは怖いな~。」
「ただし娘たちは死ぬまで躾をした後に回収して生き返らせてやろう。その時は暗い地下のベッドの上だ。俺が飽きるまで玩具にしてやるから安心して死んでいけ!」
そしてロリコンは自信満々に手を振ると式神へと攻撃命令を下した。
すると式神は僅かな停滞の後に動き始めると命令通りに襲い掛かってくる。
どうやら支配力が上昇しているのは嘘では無いらしいけど、それでも完全に制御が出来ているかは微妙な所だ。
そして何よりもその15メートルを超える巨体が面倒臭い。
しかも水なので形を自在に変え、そのアギトは大人でも一飲みに出来る大きさへと変わっている。
俺達はその攻撃を余裕で躱しているだけで壮絶なジャンケン勝負に勝利したトワコの様子を見守っていた。
「汚い体ですね。」
「ははは!触れるだけでも一生消えない呪いを受けるぞ!飲み込まれれば溶解液で全ての肉を溶かし尽くしてやる!」
そして式神は執拗に俺とトワコの両方を攻撃してくる。
しかし俺は素の状態でも呪いが効かないけど、トワコはどうなのだろうか。
地獄の大釜すら素手で普通に触れるので無効かそれに近い耐性を既に持っているはずだ。
それに対策もしてあるので言っていた様に汚いから触りたくないだけだろう。
そして溶解液に関して言えばトワコは死すらも超越した再生能力を持ているそうだ。
昔の事だけど旅をしている時に捕まってミイラにされた事があるらしい。
それでも数十年後に水で濡れた事で復活したと言っていたので飲み込まれても簡単に死ぬ事は無いだろう。
その話を聞いた時にトワコの肉を食った俺達は大丈夫かと心配になったけど、今の所は順調に体も成長を続けている。
その後がまだ心配ではあるけど、その時になってから考えれば良いはずだ。
既に異世界が存在するのは周知の事実なので、その気になったら長い旅行にでも出れば良いかもしれない。
そこで良い所を見つけたら家を建てて皆で暮らすのも良さそうだ。
・・・おっと!
あまりに温い攻撃の連続だから未来の事を妄想してしまっていた。
それにどうやらトワコもそろそろ行動を起こす様で先程までとは違う動きを見せている。
さて、何を見せてくれるか楽しみだ。
「そろそろ決めさせてもらいます。」
「逃げる事しか出来ないお前らに何が出来る!」
「ならば真の龍がどういう存在か見せてやりましょう。」
トワコは薙刀を掲げると上空へと大きく飛び上がった。
そして足を人魚の鰭へと変え、同時に薙刀は龍を象った形状に変わっていく。
「なに!貴様はまさか滅んだはずの人魚だったのか!」
「かつてあなたの様に欲に染まった者達によって食い尽くされた人魚の生き残りよ。でもあなた達は知らないでしょうね。人魚とは私達の姿の1つに過ぎない事を!」
「フハハハハ!これは傑作だ。人魚を食えば不老の肉体と如何なる病にも罹らない健康な体が手に入る!どうやら神は俺をこの国の支配者にしたいらしいな!」
するとロリコンは欲に染まった顔で笑い出すと空に向かって声をあげる。
そしてスマホを取り出し通話を繋げるとその先に向かって指示を出した。
「この山を包囲している者は今すぐ寺に集まり人魚を捕らえるのだ!・・・誰か応答しろ!どうした!俺の命令が聞こえないのか!?」
『・・・』
恐らく複数同時接続機能を使って何人にも呼び掛けているのだろう。
しかし例え回線が繋がっていたとしてもその指示に気付ける者は殆ど居ない。
現在この山はルリコが強化した結界に閉ざされ誰も入る事が出来なくなっている。
それに、この周辺に居た全員が結界の中に囚われていて五感を狂わされているはずだ。
幻聴と幻覚によって正常な判断すら出来なくなっているので、絶滅したという人魚を捕まえろなんて命令が来ても信じられるはずはない。
「さあ神より賜りし水神の矛よ!私に力を貸して!」
すると上空に雷鳴が轟き黒い雲が発生すると夕暮れを夜の様な暗い闇へと塗り替えた。
そして一際大きな雷が落ちて来るとそれはトワコへ襲い掛かり、空間を震わせながら全身で受け止める。
だが、それによってダメージを受けた様子はなく、逆に雷を吸い取る様に体を発光させ姿を変え始めた。
まずは下半身の鱗が全身へと広がり、体が巨大化して行くと口元が前へと伸びて行く。
更に頬が深く裂けるとそこには大きく鋭い牙が姿を現し、その目は爬虫類の様に縦に割れて鋭い目つきへと変わる。
そして雷雲の中に姿を隠すと雷を纏った姿で顔を覗かせた。
「人魚は神の眷族となった時に龍へと至る事が出来るのよ。さあ、私の主を愚弄した罪を償いなさい!」
そこに居るのは紛れもなく青いシェン〇ン・・・ではなく巨大で青い龍だ
なんだか色々と不明な事も言っているけど話の流れから言って主は俺の事だろう。
しかし、いつの間に眷族になんてなったのだろうか?
家族と言うなら分からなくはないんだけど後でしっかりと聞いておく必要がありそうだ。
それに戦う前だけど勝負は既に決したと言っても良いだろう。
トワコは体に浴びている雷を口の中に収束し放つ寸前まで来ている。
その光景にロリコンはトワコに背を向けると先程までの大きな態度とは裏腹に少しでも遠ざかろうとしている。
「だ、誰か俺を助けろ!」
するとその叫びに答える様に取り残されていた式神はトワコへと向かって突撃を開始する。
しかし既に準備は整いトワコの目が大きく見開かれた。
「消し飛びなさい!『雷轟殲滅咆哮波』。」
そして次の瞬間には激しい閃光が周囲を満たすと式神とロリコンが一瞬の抵抗も許されずにその姿を蒸発させた。
それだけではなくトワコの攻撃は地面を深く抉りながた直進し境内に底の見えない真直ぐな空洞を作り出した。
その穴の深さは100メートルを超えていて中に見える壁面は真っ赤に溶けてしまっている。
どうやらお寺の建物を破壊しない様に考えて攻撃を行ったみたいだけど、ここが活火山だったら凄い被害が出たかもしれない。
その場合はやっぱりトワコが主だという俺の責任になるのだろうか・・・。
それにしても結局アイツがなんでルリコの秘密を知っていたのかを聞く事が出来なかった。
あまり会話が成立しそうな相手では無かったので仕方ないけど、こうなるともう1人に聞いてみるしか無いだろう。
すると空の雲が晴れ始め再び夕日が差し始めた。
巨大な龍は穏やかな光に包まれると次第にその姿を変えて人型へと戻ると、俺の横へと下りてその顔に笑みが戻ってくる。
「スッキリしたわ~。」
「後で色々と聞くから覚悟しろよ。身に覚えの無い事を言われても誰も(俺の事を)フォローしてくれないんだからな」
「分かってるわよご主人様。」
「止めろ。俺は家族ならともかく、そういうのには興味がないんだ。」
最低でも、その手の事を言うなら私服ではなくチャイナドレスやメイド服でお願いしたい。
でもそれを言うと過剰に反応する奴も居るので心の中だけで呟いておく。
特にユウナとか、ユウナとか、ユウナとかが悪乗りすると大変な事になるからな。
「ならこれからは婚約者として傍に居るからよろしくね。」
「分かったよ。でも学校の奴等には秘密だからな。」
「分かってるわよ。」
そう言って頭に抱き着いて来たので今は好きにさせておく。
アズサ達からもお叱りが来ないという事は既に納得済みの事なのだろう。
なんだか今日だけで5人も婚約者が増えてしまったけど本当に大丈夫だろうか。
いざとなったら重婚が可能な国か異世界への移動を考えないといけないかもしれない。
それはさて置き、この寺に居るもう一人に挨拶をしに行くか。




