144 ちょっとしたお使い
あれから数日が過ぎた。
薬を飲んだモモカさんもなんだか少し若返り、以前の70後半くらいの見た目が50代前半くらいまで変わってしまった。
ただ年齢を聞くと俺の予想通りの年齢で2人とも50代前半だと教えてくれた。
どうやらこの時代は平均寿命が低いので老けて見えてたけど、2人とも本当は俺が思っていたよりも若かったみたいだ。
もしかすると俺の持つポーションは年齢設定が現代風になっているのかもしれない。
なので体が活性化して現代風の50代に姿が変わり若く見える様になっただけの可能性がある。
それに元気を取り戻した2人の訓練は中々にやりがいがある。
俺の体が壊れないのを良い事に色々無茶な教え方をしてくれているけど俺に技を打って教えるのは止めてもらいたい。
以前に聞いた話だと普通の人なら受けた瞬間に破裂して血の染みしか残さないよ・・・。
まあ俺達の修業は順調に進んでいるとして、九州制圧作戦も異常な速度で進行中だ。
どうやらアンドウさんの中では既に計画の一部だった様らしく数日中には半分近くがヨシヒサに泣き付いていた。
ちょっと表現が変だけど簡単に言えばアンドウさんの知名度が酷い。
なんでも、あの人に敵対して生きていた者は1人も居ないそうだ。
その最初の犠牲者となったのが忍びの里の長老たちらしく、この時代に来てすぐの頃に問題が起きたと店に来ているアンドウさんの知り合いが話してくれた。
何でも・・・。
「この里はどうして人的資源を無駄にしているんだ。もっと適切な人員配置をするべきだ。それに訓練のレベルの低さも目に余る。俺に任せれば2年以内にはこの周辺で最強の里にして見せる。」
そう言って長老が集まって行う会議に乱入して言い放ったそうだ。
しかし、その当時はアンドウさんも今の俺と同様に10歳の子供に過ぎなかった。
それを聞いた長老達の大半は激怒してアンドウさんを馬鹿にしたそうだ。
中には見せしめとして処刑すべきだという声もあり会議は緊迫した雰囲気に包まれた。
しかし、その中で1人の長老が声を上げて場を収めたらしい。
「ならば、お前の言葉が正しいか見てやろう。今から同い年くらい子供らを付ける。それを教育し、お前の実力と言葉が正しい事を証明して見せろ。」
何でもその長老はアンドウさんの実力を既に知っていてそんな事を言ったらしい。
それに以前から里の方針に不満があって、それを解消する為の一助となれば良いと軽い気持ちで提案したそうだ。
最初は猛反発を受けたらしいけどその場は何とか押し切って承諾させたみたいだ
そして、半年ほどで実力を付けた彼らは里で並ぶ者が居ない程の力を付けてしまった。
その結果、長老たちは面目を潰されアンドウさんを暗殺しようとしたらしい。
しかし、それを返り討ちにして更に首謀者である長老たちを皆殺しにして里を手に入れてしまった。
そして、その時に生き残ったのが偶然アンドウさんの味方をした長老が1人だけと言うから恐ろしい。
今では表向きはその長老が里を管理し、裏ではアンドウさんが指示を出しているらしく、まさに顔に似合って裏の支配者になっている。
ちなみに先日出会った5人はその時にアンドウさんから教えを受けた者達だそうだ。
なんだか付き合いが長そうだったのできっと今は戦友や親友といった仲なのだろう。
話は長くなったけどアンドウさんはその名を知る者にはとても恐れられている。
過去話の触り程度でこれなので本当はもっと大量に表に出せない話もあるのだろう。
そんな存在がヨシヒサに味方し、ちょっとした脅迫文を送りつけると泣いて縋り付いてくる訳だ。
そして俺達はと言うと熊親子とは別行動で魔物を狩ったり言う事を聞かない武将の所へ行ってオハナシをしたりしている。
今日も修行の合間に息抜きとしてとある屋敷内を散歩中だ。
「てやーーー!」
「おっと。」
一応お邪魔しますと言ったのに誰も出て来ないから人を探して歩いている。
しかし、そんな俺に襖を開けて男が突然斬りかかって来たので軽く躱し、床に振り下ろされる刀身を掴み取るとその場でピタリと止めてやる。
そうしないと床が傷付いて後で歩く人が怪我をするかもしれない。
俺は斬りかかって来た奴の額を中指で軽く弾いて倒すと、刀を収納して更に奥へと進んで行った。
ちなみに俺が歩いている屋敷はアンドウさんの脅迫文に屈する事無く、お返しのお手紙を送り返して来た奴の所だ。
内容は戦う意思はないけど降伏もしないと言った感じらしく、ある意味では一番面倒なケースだ。
何故なら現代ならこれでもそれほど問題が無いらしいけど、ここは裏切りと下剋上が基本の戦国時代だ。
こんなのが後ろに居たり腹に抱えていると、どんなタイミングで裏切るか分からないそうなのでハッキリさせる必要がある。
それに案内状も付いていたのでこうして平和に話し合いをするためやって来たという訳だ。
なにせアンドウさん達だと確実に殺しに来たと判断されかねないから幼気な俺が来ているという訳だ。
「それにしても襖や障子ばっかりだな。時代劇とかだとゾロゾロ出て来るけど、さっきから散発的にしか出て来ないし親玉は何処だ?」
そして探していると大きな蔵を発見し、とても頑丈そうな作りなので籠城するには向いていそうだ。
俺は蔵の前に立つと扉に向かって軽くノックしてみる。
「誰か居ますか~?」
「だ、誰もいません・・・。」
どうやら正直者が中に居るようで扉越しだったので声は聞き取りにくかったけど子供か女性の声の様な気がする。
壁の厚みもかなりあるので、もしもの時の避難所にでも使っているのかもしれない。
そして扉に手を掛けようとした時に後ろから声を掛ける者が現れた。
「俺の家族に手を出すんじゃねえ!」
「誰だ?」
振り返ってみると後ろに朱の鎧を着て腰に刀を差した髭面の男が居り、馬の上からこちらを睨んでいる。
もしかして、ここに殆ど人が居なかったのは出陣して俺を街道か何処かで待ち構えていたからかもしれない。
この時代は村や町を繋ぐ道は少ないので数カ所に人を置くだけで封鎖する事が出来る。
野山を抜けるという方法もあるけど、危険も多いので基本的には使われない方法だ。
しかも1人でならともかく複数で来ると思っていればここに俺が直接来るとは予想できていなかっただろう。
それ以前に俺は空から森の上を一直線に来たので彼らからすれば最大の盲点を突いた形になっている。
さっき屋敷から逃げ出した者が何人か居たので彼らを呼びに走ったのだろう。
その証拠に今度は黒い鎧を着た男たりがワラワラと現れ、俺を取り囲んで槍を向けて来た。
「殿は御下がりください!」
「ここは我らにお任せを!」
「子供だと思って油断するな!」
どうやら1人だけ馬で先行し、兵士たちを置き去りにしてここに現れた様だ。
なんだか客観的に見ると俺が凄い悪者の様な気がしてくる。
「子供にも容赦なしか?」
「何をふざけた事を言っている!アンドウと言う男はお前くらいの時には既に卓越した戦闘の術を身に着けていたと聞くぞ!子供だからと言って油断する材料にはならん!」
アンドウさんの評価が高いせいで俺まで警戒されてしまっている。
まあ俺は見た目は子供、頭脳は子供以下なので仕方ないけど・・・。
あれ、何かおかしかったかな?
「まあ良いや。それで、お前らはヨシヒサに恭順しないのか。出来れば争いはしたくないんだけど。」
「黙れ!無条件で恭順などしてしまえば後でどんな条件を突き付けられるか分からんではないか!俺は家族と家臣たちの平和な日常を守る為に戦い続けるぞ!」
男はそう言って荒い呼吸で刀を抜いて馬首をこちらへと向ける。
言ってる事が本末転倒なんだけど、この時代の人はこんなのが多いのだろうか。
平和は与えられるものではなく自分で勝ち取るものだとか考えていそうだ。
それとも自分だけが他者を幸せに出来るとでも思っているのか。
こうなるとこの時代の人は途中で勘違いに気が付いたとしてもそれを素直に認めて引く事は絶対にない。
戦国時代だから古い考えは仕方ないとして命よりも名誉を選ぶ風潮があるからだ。
なので相手が引き易い様に理由を作ってやる事にした。
「それなら俺と一騎打ちをしないか?お前が勝てばここには手を出させないからさ。」
「使者が何を言っている!それよりも貴様の首を斬り落として奴らに送り返してやるわ!」
すると男は話も聞かずに刀を抜くと馬を走らせ俺に向かってきた。
狙いは言っていた通り俺の首だろうけど、大将が短気で飛び出してしまったので周りの兵たちが大慌てしている。
そして勢いを殺さずに振り下ろされた刃は見事に俺の細い首へと命中したけど、力任せに振るわれた刀はその手を離れて回転しながら地面へと突き立った。
「おのれ!やはり唯の使者ではなく刺客も兼ねていたか!」
しかし暴力行為と誤解されないように無防備で攻撃を受けただけなのに逆に警戒されてしまった。
ここは相手の戦力を再評価して話しに繋げる場面のはずなんだけど、どうしてこうなっているのだろうか?
または手首を抑えて『これでは刀が振るえん。勝負あったようだな。』とか言って引き下がる展開じゃなかろうか。
しかし、このやり取りの隙に蔵の扉が開き、一つの影が飛び出してきた。
そして、俺に向かって大声を上げながら手に持っている武器を振り下ろしてくる
「とう様を虐めるな~~~!」
それは小さな男の娘?
顔は女の子だけど頭にはチョンマゲが付いていて泣きながら手に持った竹刀でポコポコ頭を叩いて来る。
別に『逆らう者は皆殺しだ!』なんて事は思っていないので手は出さないけど、この事態に周りの空気が更に悪化した気がする。
「なんだコイツは?」
「秋子!そいつからすぐに離れるのだ!」
どうやらコイツは男の格好をした少女の様で俺を攻撃した男の娘のらしい。
年齢はユウと同じ位で口元を見ると前歯が抜けて生え変わる途中みたいだ。
それにしてもどうして男の姿をしてるのだろうか?
女の子なら姫という事だから、もう少し綺麗な着物を着せれば良いのに。
俺は竹刀を受け止めるとちょっと捻って奪い取り、代わりに口へと飴玉を放り込んでやる。
すると驚きの後にその顔に笑みが浮かび嬉しそうに男の許へと駆けて行った。
「とう様、甘い菓子を貰いました!」
すると男はその顔を見て表情を歪めるとどうするのか悩み始める。
なにせ敵だと断言していた相手から貰った食べ物なので吐き出させるのが一番安全なのに、あの笑顔の前ではどう動くべきか悩ましい所だろう。
それに悩んでいる内にかなりの量を飲み込んでいるので毒だとすれば既に手遅れになっている。
結局、男は馬から降りるとアキコを抱き上げると諦めた顔で俺の前までやって来た。
それに合わせて後ろに居る兵士たちも位置を移動し、何時でも俺へ突きを放てるように距離を詰めている。
警戒感がバリバリだけど、これでようやく話が出来る態勢が整ったようだ。
「それで、お前は何をしに来た?」
「降伏の最終勧告だ。」
「拒否すればどうなる。俺達は皆殺しか?」
「そんな事はしないだろうな。でもアンドウさんならお前自身か、お前の周りの人間が誰か死ぬかもな。」
すると男は腕の中のアキコへと視線を向けると抱き上げている反対の手で強く拳を握った。
こんな蔵を作って避難させておく程なのでよっぽど大事にしているのだろう。
そして蔵の中から今度は大人の女性が姿を現した。
綺麗な人ではあるけど顔色が悪く、お腹は大きく膨らんでいる。
どうやら妊娠をしているだけではなく既に破水しているようで、もうじき生まれそうなのに体へ鞭を打って姿を現したのだろう。
ただ問題があるとすれば胎児の頭が上を向いていると言う事だ。
俺が知っている範囲だと妊娠中期までは良くある事らしいけど、もうじき出産となると普通の状態に比べて危険度が増す。
そして、こっちは奥さんだと思うけどヨロヨロと歩いて男の許へと向かって行った。
それに対して男は駆け寄り女性へと慌てて声を掛ける。
「どうした伊代!」
「産まれそうなの。産婆を呼んで!」
「わ、分かった!すぐに使いを出させる。・・・お前達、何をやっている!すぐに動くのだ!湯を焚け、産婆を呼んでくるのだ!」
「「「はい!」」」
すると兵士たちは槍を投げ捨てて走り出すとそれぞれに行動に移った。
そして、男の視線は俺へと向けられ、その口から言葉が零れる。
「一時休戦だ。」
「もとから戦ってないだろ。」
俺は傍にある縁側に腰を下ろすと周りで走り回る大人たちに巻き込まれそうなアキコへと手招きをする。
流石にさっきの男も今は娘にまで気に掛ける余裕は無さそうで奥さんに手を貸しながら屋敷の中へと連れて行った。
するとアキコは俺の傍まで来るとキラキラした目でこちらを見上げて来る。
「わたしは今日からお姉ちゃんになるのかな?」
「そうかもな、もしお姉ちゃんになったらどうするんだ?」
「ん~とね。とう様はずっと私に弟が生まれるのを期待してたの。でもずっと出来なくて私を鍛え始めたの。だからもし弟ならこれから一緒に剣のお稽古がしたいな。」
それに何も言ってはいないけど母親の体も弱いのだろうな。
もしかすると、このまま男が生まれなければアキコを男として育てて跡取りにしようとしたのかもしれない。
まあ、あの様子なら男の子が生まれたとしてもアキコが悲しむ事は無いだろう。
そして父親の代わりにアキコを餌付けして甘やかしていると家の中から叫び声が聞こえて来た。
どうやら予想は最悪な形で実現してしまったようだ。
「とう様が泣いてる・・・。」
その声を聞きいてアキコは心配そうな、不安そうな顔で声のする方向へと視線を向ける。
そして、そちらへ駆け出そうとしたので俺はその体を持ち上げて行かせないようにすると傍に居た女性へと受け渡した。
「しばらくそいつを離すなよ。ちょっと俺が話をしてくる。」
すると女性は状況を理解しているのか真剣な顔で頷いて返した。
いくら可愛がっている娘だとしても今の状況では心無い言葉を投げつけるかもしれないからだ。
そうなれば結果として悲しみ傷付くのはアキコだけではなく、言った本人にも一生心に残る傷を作ってしまうだろう。
そして部屋に入るとそこには動かない赤子を抱きしめて男が涙を流していた。
更にその横には布団を掛けられ息を引き取っているイヨの姿もある。
どうやら母子ともに助からなかったようだ。
「おい、聞こえているか?」
「・・・。」
しかし男は返事を返さずに泣き続けるだけだ。
そして次第に室内の空気が淀み始め、外から差し込む陽の灯りさえも陰った様な錯覚を覚える。
するとそれと同時に、何処からともなく声が聞こえ始めた。
『我が子の死が悲しいか。』
「・・・。」
『その悲しみをお前だけが味わうのは不公平だと思わないか?』
「・・・不公平。・・・ああそうかもしれない。・・・いや、そうに違いない。」
きっとこれが人が堕とされる瞬間なのだろう。
男は愛する妻と待望の男児を同時に失った事で咎人へと落ちようとしている。
それにしても傍に俺が居るのに節操のない奴だ。
この瞬間が一番ベストだと言っても舐められたものだな。
「おい、その声にそれ以上答えるな。」
「・・・。」
しかし、予想はしていたけど俺の声には答えが返って来ない。
やっぱり何か相手の気を引くキーワードが無いと無理そうだな。
「仕方ないか。それなら今回だけはそいつ等を生き返らせてやろうか。」
「なんだと!」
すると凄い勢いで反応が返って来たので堕ちかけている事も重なって自身の欲望に忠実になっている様だ。
「その代わりヨシヒサに恭順しろ悪い話じゃないだろ。」
「・・・ならば先に証拠を見せろ。」
『何を他人と話している。我が声を聞け。』
「お前は黙ってろ。今は俺が話をしてるんだからな。」
男に意識が此方に向いた事で今度は邪神が無視をされる構図へと変わった。
それが気に食わないのか次第に怒気を含んだ言葉で話し始めるけど俺達はどちらも一切取り合わない。
俺は下級蘇生薬を取り出すと証明するためにそれを横で眠る様に息を引き取っているイヨに振り掛けた。
すると蔵から出て来た時から悪かった顔色が回復し呼吸も再開される。
それを見て今度は自身の胸に抱く赤子を俺に向かい掲げる様に差し出し、その目に僅かな光を取り戻した。
「恭順を誓う!だから俺の子を頼む!」
「アキコの事もしっかり可愛がってやれよ。」
「言われるまでもない!」
どさくさに紛れて条件を増やしてみたけど言うまでも無かったようだ。
俺は赤子にも蘇生薬を振り掛けると無事に呼吸が再開し、生まれて初めての大きな産声を上げた。
「おおおーーー!やったぞ!俺の子が!息子が蘇った!」
『おのれ!何処の誰か知らんが余計な真似を!』
すると邪神は今にも俺を呪い殺そうとでもするように禍々しい気を向けて来る。
しかし残念だけど俺に呪いは通用しないんだよ。
それにせっかく巡り合えた訳だし、ここは言いたい事を言っておこう。
「おい邪神。先日はよくも俺の従業員を攫ってったな。その落とし前はキッチリ付けさせるから覚悟しておけよ。」
『フ・・・フハハハハハ。そうか、誰かと思えばあの女が求めていた男ではないか。まさか貴様の様な者に邪魔をされるとはな。』
「やっぱりテメーがユリを連れ去ったのか。絶対に返してもらうからな!」
『人間風情が!貴様に何が出来るというのだ。餌でしかないお前達は大人しく喰われるのを待っていれば良いのだ!』
「ならそうやっていつまでも人間を侮ってろ。俺は必ずユリを取り戻すからな。」
『言っているが良い。・・・そうだ、面白い余興を思い付いたぞ。貴様に自分の無力さと抗えぬ絶望を教えてやろう。楽しみにしているのだな。』
邪神は最後に何かを思いついたのか、そう言い残すとこの場から消えて行った。
それにしてもやっぱり凄いプレッシャーだったので今の弱体化している俺では敵う相手ではないだろう。
それに今も会話はしていたけど電話で話しているのと変わらず、いまだに本体と面と向かった事はない。
装備品だけでなく体も弱体化しているのが痛い。
恐らく今の肉体の強さは以前の10分の1以下なので精々体だけでも早急に鍛えないといけない。
そして俺は感動の涙を流す男を置いてその場を離れるとアキコを預けた女性に声を掛け自由にさせてからその場から立ち去った。
それにしても今日の最大の収穫は邪神と接触して挑発できた事だ。
これで奴の目が俺に向けば被害者も少しは減るだろう。
俺は頭の中のノートに新たな目的を書き足し、支部へと向かって飛びあがった。




