105 大漁 ③
次々と魔物が穴に落ちて行く事で地面は冷やされ、意外にも早く魔物が渡れるようになった。
しかも穴は次第に修復されて浅くなり、当初は3メートルはあった深さは1メートルまで浅くなっている。
「ダンジョンを掘った事は無かったけど、こんなに早く修復するとは思わなかったな。」
「これだと、壁にマークを付けても消えちゃうね。」
今までダンジョンの壁が欠けたり少し崩れた事は何度もあった。
でもそれほど気に留めていなかったし、移動してしまえば何処が崩れていたかなんてわからなくなる。
以前から放置していた魔物の装備が無くなる事は知っていたけど壁なんかもこうして修復されていたようだ。
そして今押し寄せてきているのは20階層の魔物であるアラクネだ。
それまでに猪、猪男に関しては半分以上は穴に落ちて死んでしまった。
蟻と蜘蛛も居たのだけどコイツ等は火の魔法を特に苦手としているので俺の所に来るまでにアケミとユウナが焼き払ってしまった。
蟻はともかく1メートルを超える蜘蛛の集団は昔の俺なら鳥肌が立っていただろう。
見た目はタランチュラの様で尻からは糸を飛ばし、口には毒を持っている。
最初に出会った時にはフィールド中が糸だらけで碌に進めなかったけど、それが災いしてリリーが軽い感じに火を放つと階層全体に炎が広がり全て焼き殺したのはお約束だろう。
「それにしても、この魔物にも教育的指導が必要ですね。」
「そうだよね。邪神はもっとモラルを持つべきだと思うな。」
もしモラルがあれば邪神とは言われないのではないかと思うんだけどな。
それどころか他の世界を攻めてはこないだろう。
ちなみにアラクネは普段は2メートル位の蜘蛛の頭に幼女の上半身が付いている見た目の魔物だ。
母さんがちょっと反応してテイムしようとしたけどご近所さんの事も考えて諦めてもらった。
ただ今は追加で邪神の力を受けて大きさが倍になり、頭に付いていた幼女は見た目だけなら大人の美女へと姿を変えている。
ただ目は複眼だし、口には蜘蛛の様に大きくて鋭い牙が生えているので人とは少し違うけど。
でも何故か幼女の時は腰まで蜘蛛の体に埋まっていた人間の部分が大腿部まで生え、お尻から前の部分までしっかりある。
もしかすると限界まで成長させれば分離するのかもと要らない想像が浮かぶけどそれを母さんに言うとまた捕獲しに来そうなので秘密にしておこう。
そういう訳でアケミとユウナの機嫌が悪いと言う訳だ。
「お兄ちゃんは休んでて良いからね。」
「あれは私達が成敗します。」
そう言って火の矢を乱れ打ちして容赦なく人の部分から焼却処分して行く。
そのため周囲にはアラクネの甲高い叫びが木霊し、見様によっては阿鼻叫喚の地獄絵図な光景が広がっている。
なにせ女性の部分が炎上して蜘蛛の上で苦しみ悶えているのだ。
もしかすると昔にあった魔女の火炙りはこういった光景だったのかもしれない。
「まあ俺も容赦なく人も蜘蛛の方も斬り捨てるから変わらないか。」
俺は言われた通りに後ろで静かにその光景を見守っていると、ようやく20階層のボスである巨大蜘蛛が姿を現した。
「お兄ちゃん、コイツは任せるからね。」
「唯の蜘蛛なので好きにしてください。でもこっちはなるべく見ない様に。」
「ハイハイ、分かりました。」
コイツは強化されていない状態でも足の長さは1本で10メートル近くあった。
しかし今はその倍はあって太さも俺の胴回りの3倍はあり、足も速くて飛んだりするので厄介な敵だ。
すると巨大蜘蛛は俺の接近に気が付くと牙を剥いて地面を抉る勢いで向かって来るので今日も挑発のスキルは大活躍のようだ。
それに早いと言ってもコイツの実力は30階層なので40階層を越えている俺達の敵ではない。
俺は迫りくる牙を躱し通り過ぎていく足の付け根を狙って刀を走らせる。
例え、足が8本あっても生えているのは胴体の限られた場所にだけだ。
今の俺ならこの程度の魔物の足なら4本同時に斬り飛ばせる。
そして足を失ってバランスを崩した巨大蜘蛛は顔から倒れて地面を大きく削りながら停止した。
しかし足を切った程度で動きが止まらないのが虫系の魔物の厄介な所だ。
奴は止まると同時に残された足を器用に使い尻尾から粘着性の高い糸を吹き付けて来た。
「おっと、コイツに絡まると厄介だからな。」
今の俺でもこの糸が大量に絡まると動きが鈍ってしまう。
素早く動いて上に横にと回避すると真上に移動し一気に急降下して蜘蛛の背中へと飛び乗り刀を振るった。
そして胴体を大きく斬り裂くとそのまま頭の方へと移動して最大の弱点である頭部を縦に斬り裂いた。
「ピギャーーー・・・。」
それが止めとなって巨大蜘蛛は消えて行き、そこにはドロップアイテムが残される。
あるのは中級ポーションと毒消しと毒。
そして、コイツだけが落とす蜘蛛糸だ。
この蜘蛛糸が二つの意味で凄い品なんだけど問題もある。
実は蜘蛛糸の防御力自体は1しかない。
しかし、これを布にすると糸が寄り合わさる事で防御力が一気に跳ね上がり、なんと1000まで上がる事が確認された。
ただ問題なのはこの糸の色にあり、コイツで服を作ると半透明に透けてしまう。
すなわち、まるで煽情的なネグリジェみたいに体が見えてしまうと言う事だ。
なのでこれで服を作るのは・・・遠慮したい。
「でも、以前の巫女服みたいに観賞用なら・・・。『チラ』」
「お兄さんからエッチな視線を感じます。」
「どうせ、あれで下着でもとか思ってるんじゃない。」
「そんな事・・・思ってないもん。」
「お兄ちゃん口調が変わってるよ。」
「これは確定ですね。」
別に下着にしようとしていなかったのは本当の事で、これでパジャマでも作ったら良いなと思ってはいた。
どちらが悪い事かはともかくとしてこれは言わないでおこう。
ただ以前に持って帰った物でツバサさんが試作を幾つか作ってくれたのだけど、寸法がアズサに合わせてあるので2人には着られない。
きっとその内の半数は永遠に死蔵する事になるだろう。
そして俺が回収した糸は2人によって奪い取られてしまった。
「これは没収します。」
「異論はないよね。」
「・・・はい。」
その後、蜘蛛糸は2人のアイテムボックスへと消え、同時に俺の夢も儚く消えた。
でも毎回没収されるけどその行き先は俺も知らない。
もしかしたらツバサさんに頼んで服の裏にでも補強で入れてもらってるのかもしれない。
試作の中にも有ったし、下手な金属鎧よりも防御力は高いからな。
そしてここまでに倒した魔物の数はざっと2000と言った所か。
他の皆が同じだけ倒したとすれば残りは2000程だと考えれば半分以上は終わったと言う事になる。
「それにしても、次が来ないな。」
「そうだよね。そろそろ来ても良い頃なのに。」
すると、下に降りる階段の通路から『カチャ!カチャ!』とまるで機械の玩具が歩く様な音が聞こえ始める。
そして、その音は次第に大きくなり、通路の先から見た事のない相手が姿を現した。
「壊れかけのロボットか?」
「でもあんな魔物は今まで見た事ありません。」
「それにボロボロになってるよ。もしかして魔物にやられたのかな?」
俺達がこの状況に判断を出せないでいるとそいつは突然その場に倒れ込んだ。
しかし、すぐに体を起こすと足を抱えて様子を確認し始める。
「これはもう駄目ね。」
そう言って俺達にも理解できる言葉を喋り、体をフラ付かせながらも立ち上がり不規則なモーター音を鳴らしながらこちらへと近付いて来た。
そして少し距離を開けて足を止めると腕を上げて構えを取る。
すると腕からボロボロのブレードが飛び出すとこちらへと話しかけて来た。
「言葉は通じるのかしら?」
「大丈夫だ。」
「ならあなた達は邪神の手下じゃないのね。」
そう言って彼女と言って良いのか分かれないけど、そいつは武器を収納し構えを解いた。
どうやら俺達と戦う意思はない様だけど何者なのだろうか。
このダンジョンに入る為にはゲートを潜るか壁を飛び越えるしかない。
でもゲートは許可証となるカードが必要で24時間体制の見張りとして警官が待機している。
そして壁の上はセンサーと防犯カメラが常に監視し簡単には通過できなくなっているはずだ。
そうなればコイツはダンジョンの中から出て来た事になるけど、そうなると逆にコイツが魔物である可能性が強くなる。
少し前に喋るオーガと遭遇したばかりなのを考えれば邪神の手先である可能性は捨てきれない。
アズサを狙っている事を考えればスパイの線も捨てきれないからだ。
不安材料があると言って全てを殺す事は出来ないのは確かだけど、それはダンジョンの外で相手が人であった場合だ。
でもコイツに関してはその両方が明らかに当て嵌らない。
それに下の階層から現れたとなれば手傷を追っているとは言っても油断は出来ないだろう。
『ピリリリ、ピリリリ・・・』
すると今度はダンジョン内では使えないはずのスマホが激しく鳴り響いた。
俺はスマホを取り出して画面を確認すると溜息を付いて通話のボタンを押し耳に当てる。
『やあ、さっきぶりだね。』
「お前は暇なのか?」
『そんな事は無いよ。ただ、君の前に居るその女性は敵ではないと言う事を教えてあげたくてね。それとちょっとその子については頼まれてしまってるんだ。良ければ地上まで連れて来てくれないかな。』
「俺の御遣い料は高いのは知ってるよな。」
『神様にそんな事を言う人間は君が初めてだよ。』
そりゃ今まで居るかどうかも明確でない神にこうして交渉を持ちかける人間が居たとしたら、それはよほど余裕が無いか頭のおかしい人間だけだろう。
神もそんな奴を一々相手にしなかっただろうから当然と言える。
でも、俺は相手が誰でも取れる所からは取る事に決めている。
それに今回の様に突然丸投げされているのに失敗してしまうと世間から批判を受けるのは魔物を抑えられなかった俺達だ。
今回の事だって結果的には上手く事が運んだので問題なかったけど、かなり危ない状況だったと言っても過言ではない。
「それに今回は他の所の10倍も押し付けられて苦労したのは俺達だろ。追加料金が有っても良いと思わないか?」
『そう言われるとどうしようもないかな。なら今回の事は貸しにしてくれないかな?』
「・・・分かった。返って来るか分からないけどそれで良しとしておく。」
あまりゴネて怒らせても厄介だからな。
『それじゃあ、後は頼んだよ。その子の面倒を含めてね。』
「おい!」
油断するとこれだ。
今回も簡単に丸投げしやがって、こちらの苦労も考えて欲しい所だ。
そして内心で悪態を付いていると、話を聞いていた女性が申し訳なさそうに声を掛けて来た。
しかも顔は流体金属なのか水銀の様に滑らかに形を変えて表情を作り出している。
「すまないとは思うのだけど、まずは外まで連れて行ってくれない。この足だとあまり長くは歩けないのよ。」
「仕方が無いな。機械にはポーションも効果が無さそうだ。先に名乗っておくけど俺はハルヤだ。」
「私がアケミだよ。」
「私はユウナです。」
「そうですか。この世界にはまだ名前という文化があるのね。私の認識番号は8907342019・・・・」
すると彼女はまるで円周率の様に数字の羅列で名乗り始めてしまった。
どうやら俺達のマイナンバーに似ていて名前自体を番号で表している様だ。
ハッキリ言ってそんな数字の羅列を覚えられるなら普通に名前を名乗った方が楽なのではないだろうか。
「それで殆どの人がこんな長いのを使うのは面倒だから番号を文字って呼んでるの。私の事はハクレイって呼んでちょうだい。」
(良かった!)
5桁から聞くのを諦めていたのでこれなら覚えられそうだ。
ここまで覚えられるか自信が無かった名前は初めてだけど、きっともう忘れる事は無いだろうな。
「分かったハクレイ。それでその体は自分で治せるのか?」
恐らくはこの世界の技術水準を大きく越えているので部品どころか技術者も居ないだろう。
アニメや漫画と違って現実には『○○博士』なんて都合良くオーバーテクノロジーを扱う科学者は居ないからな。
なので彼女自身が無理と言えばその体は誰にも治せない事になる。
そして彼女は体を見回して腕を組みながら少し考え始めた。
きっとシステム的に破損個所をチェックしているのだろう。
そして答えが出たのか少し残念そうに首を横へと振った。
「ん~これは新しいのを作る方が良いかもしれないわね。長年使って来て愛着があるけど仕方ありません。それにいきなり魔物が大量に湧いてボロボロになってしまいましたが、この体を材料にして次のボディーを作るしか無さそうね。」
「別の体?そんな事が出来るのか?」
「ええ、それが私達の能力の一つで・・・。ん?誰か来たみたいね。」
ハクレイはそう言って説明を途中で止めると俺達の後方へと視線を向けた。
俺もそちらに視線を向けるとそこには父さん達の他にツキミヤさんも向かって来ている。
どうやら上は他の人に任せてここに駆けつけてくれたみたいだな。
そして父さんが代表して此方に声を掛けながら駆け足で向かって来る。
「お~い。こちらはどんな感じなんだ?もしかして終わってしまったか。」
「うん。どうやらこのハクレイって言う女性がここから下を片付けてくれたみたいなんだ。もうしばらく留まって何も無ければ一旦は上に戻ろうと思う。」
そして傍まで来た父さん達はハクレイを見て首を傾げた。
どう見ても普通の人間には見えないし、傷や破損でボロボロの外見だからその反応は正しいと思う。
「そうか。それにしても変わった見た目の方だな。」
「話した感じだとこの世界の人では無いみたいなんだ。詳しい事はまだ聞いてないけど神様が大丈夫だって言うから一応は信用しようと思う。」
「そうか。」
そう言って父さんはハクレイに顔を向けて声をかけた。
「それなら何か困った事があれば言ってください。可能なら準備しましょう。」
「ありがとうございます・・・。」
しかし、ハクレイの視線の先は父さんではなく、その後ろでバイクに跨るツキミヤさんだ。
いや、どちらかと言えばバイクに視線が注がれている気がするな。
もしかして同じ機械と言う事で何かを感じ取っているのだろうか。
なんだか俺達に向けるよりも視線に熱を感じる気がする。
「どうかしたのかハクレイ?」
「・・・その、あの乗り物は何なのかと思って。」
「あれはバイクだな。この世界だと一般的な乗り物の一つだ。」
するとハクレイはフラフラと歩き始めバイクへと向かって行く。
それを見て乗っているツキミヤさんの視線がいつもの3倍は鋭さを増しているので今なら速度も3倍になったりするのだろうか。
そして鋭い視線のまま目の前で立ち止まったハクレイへと冷たい感じに声を掛ける。
最近のツキミヤさんにしては珍しくかなり厳しい対応で、まるで初めて家に来た時を思い起こさせる。
「俺のアンジェリカに何か用か?」
「アンジェリカ・・・。そう呼んでいるのですね。私もよく似た物に乗りますがそのバイクという乗物からはとても嬉しそうな気配が伝わってきます。」
「分かるのか!?」
するとツキミヤさんの態度が一変し今度は逆にとても朗らかな表情を浮かべる。
どうやら彼は趣味友を見つけた様だ。
「ええ、今の私はこうした機械の体ですが本体は精神生命体なのです。その子には既に命が宿りかけているのを感じます。とても稀なケースですが大事にしてあげてください。」
「当然だ。まあ、お前もなかなか良い女みたいだからな。足も悪そうだし後ろに乗せてやるよ。」
「フフ、そんな事をすればこの子が怒ってしまいますよ。」
「そうしたら機嫌が直るまで転がしてやるさ。さあ乗って来な。こんなサービスは滅多にしないからな。」
「それではお言葉に甘えて。」
そう言ってハクレイはバイクに跨るとそのままツキミヤさんと一緒に走り去ってしまった。
流石にこの展開には誰も付いていけず、気が付いた時には上層へと続く階段へと到着し姿が見えなくなる所だ。
そして、そんな中でアケミが最初に口を開いた。
「なんだか恋の予感がするんだけど。」
「私もアケミちゃんに1票です。」
アケミに続いてユウナの他にも幾つも賛同が声を上がるので年頃の女の子はこういった事に鋭い様だ。
それにその意見には俺も賛成票を入れるとしよう。
「俺もその意見に1票入れとくよ。でもアンジェリカの事を考えると三角関係だよな。ツキミヤさん大丈夫か?」
これについては俺には判断が出来ないけど、日本で言う所の付喪神みたいなものかもしれないのでツクモ老かユカリにでも聞いてみるのが良いだろう。
そしてその後はしばらく待っても魔物が上がってくる気配が無いので俺達はダンジョンを出て入り口前へと集合した。
どうやら生徒たちはかなり苦労した様で前衛となった者は服がボロボロになっている。
しかし死んだような形跡はないのでオウカと犬たちが上手く面倒を見てくれたのだろう。
そのため犬達はリリーの前に集合して尻尾を振りご褒美を貰っている。
そしてオウカは俺の傍に来て何かを期待するような顔でこちらを見てくるので、こちらも犬たち同様に尻尾があれば激しく左右に振っていそうな表情だ。
なので俺もオウカに関してはしっかりと労ってやらないといけない。
元犬であるリリーがしているのに俺がしない訳にはいかないだろう。
「よくやったなオウカ。」
「ん。」
すると少し姿勢を低くして頭を向けて来たけど、感情を表しているのか一輪の花が咲いている。
もしかして撫でて欲しいのだろうかと疑問に思いながら少し見ているとその花がだんだんと閉じてツボミに戻って行く。
「頭を撫でて欲しいのか?」
すると首が縦に振られて再び一輪の花が咲いた。
なんだか面白いけどあまり揶揄って花が枯れると大変なので素直に頭を撫でてやる。
どうしてウチのお年頃な女性陣は俺に頭を撫でて欲しがるのだろうか。
しかし先程までの一輪咲きの枝が満開になったので喜んでいるのだろう。
オウカの髪はとてもサラサラしていて触り心地は良いのだけどあまりしていると後ろからの視線がキツクなる。
ある程度で止めておかないとナデナデの連鎖が発生してしまうので少しして手を離した。
それでもオウカは十分に満足したのか純粋な笑みを浮かべ、嬉しそうに撫でられていた所を自分でも撫でている。
どうやら余韻に浸っている様で彼女からはとても爽やかな匂いが漂ってきた。
「私達は帰ってからだね。」
「そうだね。十分に頑張ったからいっぱい撫でてくれるよね。」
どうやら既にナデナデの連鎖は不可避となっている様だ。
俺としても断る理由が何一つないので気が済むまで撫でてやろうと思う。
そして突然ではあったけど今日という日を無事の終えてそれぞれの帰るべき家へと戻って行った。
ちなみにハクレイが回収しなかったドロップアイテムは全て犬達が拾って来てくれた。
数にして1000個に近いポーションや蘇生薬とそれ以外にも各種素材が大量に手に入っている。
その後日に犬達に大量の肉を要求されたのは言うまでもない。
その中にちゃっかり拾いに行ってないはずのリリーとオメガも入っていたけど気にしない事にした。
どうせ渡さなかったら他の犬から奪い取りそうだったからだ。
ただ、今回は全部に同じ肉を等分で分け与えたので差別化は抜きにしてある。
いつも思うけど最近の精肉店は大喜びだろうな。




