大量殺戮淫獣 UNETYAN
俺の名前は信山延男、通称は言わずもがなモブである。
現在19才、近くのぱっとしない大学に通っている。身長173cm、体重60kg、顔も少々目付きが悪いが普通、家庭環境は両親2人と2つ下の妹と祖母の5人家族で、これもまた普通、学校の成績も中の中、とりわけ秀でたものはないが、これと言って劣っているところもない。
こんな名前でこんな人間がいたら俺だってモブとあだ名をつけるだろう、それが俺だ。
只、1つだけ他の人と違うところがある。
俺こと信山延男は勇者である。
これを聞いた人は頭がおかしくなったのが人と違う所かなと思うかもしれないが、これは歴とした事実なのだ。
どういう事かと言うと、現在GW最終日の5月6日なのだが、そこから約一週間前のGW初日の4月29日の夜にコンビニで買い物を済ませて出たところでいきなり異世界に召喚されてしまったのだ。
いきなり中世のお城の王の間のような場所に召還されて、帰るには魔王の体内にある魔石が必要だから倒すように強要されたのだ。
だが、幸いにも同じように召喚された仲間がいた。
コンビニの駐車場でたむろしていた悪そうな高校生男子3人とそれと談笑していた女子高校生が2人。
つまり、俺はコイツらの召喚に巻き込まれたらしいのだ。
だって明らかにおかしいのだ。
異世界に召喚される際に必ずレアなジョブとそれに付随する強力なスキルが付与されるらしく、目の前のでっかい水晶に手をかざすと色々個人情報が浮かび上がるらしいのだが、男子3人が勇者に剣豪に拳聖、女子2人も聖女と賢者。
そして俺はというと……淫魔士……ナンスカソレ?
王の隣に佇んでいる王女等の目が冷たいこと冷たいこと、隣にいる女子高生2人も身を守るように距離をとる。
「これ、何かの間違いじゃないですか?もう一回調べてもらっ」
そう言いかけて手を伸ばした時に、コンビニの袋が誤って手から落ちて、そこから顔を出す人妻ニャンニャン倶楽部と言う名のエロ本。
もしかしてこの見るからに卑猥なジョブはこれのせいなのか?
光速の速さで王様の部下に没収されて内容を確認されてしまい、突き刺さる女子高校生の侮蔑の眼差しに罵声を浴びせてくる王女達、大笑いしているパリピ男子高校生、若干前屈みになる王と大臣達。
何なのだ!なんで俺はこんな辱しめを受けているんだ!
コンビニでエロ本を買っただけなのに、なぜこんな仕打ちを受けなければならないのか、しかも俺は人妻好きでも素人投稿好きでもないんだ。
たまたまそれしか売ってなかったんだから仕方ないじゃないか!
だが、それをここで弁明して何になろうか、俺の性癖の誤解が解けたからと言ってこんな場所でエロ本をぶちまけた事実には変わりはないので、俺への見方が変わる事はないだろう。
妙な空気の中、粗方の説明が終わり各人の部屋が宛がわれて案内されるも、明らかに他の高校生達とは扱いに違いがあった。
「ちょあのベット広いのはいいんだけどめっちゃ固いんだけどぉ」
「トイレにウォシュレットが付いてねぇぞ、どうなってんだこの国は!」
リア充高校生共が喚いていたが、俺なんかベットは藁だし、トイレも桶だからな!
まぁそこは我慢するとして、それから訓練やレベルアップを兼ねた各地の魔物退治が始まったんだけど、そこでも俺の扱いは酷くなる一方だった。
「モブ先輩前お願いしゃっ~ス」
「はぁっ?」
何で俺一人が前衛で後の皆は後ろに下がってんだよ!特にお前ら勇者、剣豪、拳聖はもろ前衛職だろうが!
それでもまだ後衛でも戦闘に参加している内は良かったよ。
「モブ先輩ちょっとヨメが妊娠したんで、俺はこっちに残ることにしたんで後ヨロピク~」
「へっ?ヨメ?勇者何いってんの?」
「あれ?モブ先輩には言ってなかったっすかね~俺っちは今第3王女のアリシアちゃん達と付き合ってんスよ」
達って何だよ…刺されてしまえ!
その事を皮切りに次々と転移勇者達がドロップアウトしてしまったのだ。
「俺も内政チートやりたいんだよね~」
と剣豪、お前俺よりバカなのに何をするつもりなんだよ
「私も信者が100万人に達して、お布施を回収して回るのに魔王討伐なんかしてられないのよね、モブ男も入る?新規連れてくれば5%入って更にその子がまた新規連れてくれば2%入ってくるよ、今入らないと損するよ~」
と聖女、異世界でねずみ講してんじゃねぇよ!
「私は来週から幼児魔法学校の講師やんなきゃダメなのよ、いや正直めんどいんだけどショタを食わなきゃって違う違う、この世界中の貧しい美少年に魔法を教えて救わなきゃね」
と賢者、ドン引きだよ!お前が一番変態じゃねぇか!!
「いや、おれモブ先輩生理的に無理なんで」
と拳聖、うるせーよ!お前なんかこっちからお断りじゃボケ!
つーかお前ら最近まるで戦闘に役立ってないからな!タンク、サポート、アタックからヒーラーまで全部俺一人でやってんだからな!
やってやるよ!さっさと魔王退治して俺一人で帰るからな!
そこから俺の孤独な魔王討伐に旅が始まった、いや孤独ではなかったな。
なぜ俺が淫魔士と言うよく分からない職種がいろんな役目をこなして一人で戦闘が出来たかと言うと、強力な召喚獣がいたからだ。
その名もウネちゃん。
「ウネちゃん敵が来たよ、今日もお願い。触手召喚!」
前方から4tトラック並のイノシシが突進してくるも、地中から這い出たタコの足のような形状の触手ことウネちゃんが、魔物の足を絡ませて転倒させて、更に数十のウネちゃんが地中から出てきて魔物の四肢を地面に拘束する。
そこから俺は勇者がパーティー離脱したときに忘れていった聖剣を構えて、巨大なイノシシのような魔物に全力で突進し眉間に突き刺して止めを指す。
またある時は
「うおぉ凄い数だな、ウネちゃんヤっちゃって!」
眼下から迫ってくる数千ものゴブリンの軍団に地中から数多のウネちゃんが襲い掛かり、お尻の穴から侵入し内臓をズタボロにしながら上昇して口から顔?を出す、あっという間に何千ものゴブリンの串刺しが出来上がる。
ウネちゃんは1つで全、全で1つなのだ。
またある時は
「あがっ…ヤバい右半身が…吹き飛ばされた…死…ぬ…ウネ…ちゃ…ん…タ…ス…ケ…テ…」
エルダーリッチの極大魔法を避け損ない体に致命的な損傷を受けるも、即座に数多のウネちゃんが俺の体を覆い繭状になり、その中はウネちゃんの先端から噴出された粘液で満たされる。
この粘液実はエリクサーなのだ。
ウネちゃんの体から出る粘液は基本的には媚薬なのだが、ウネちゃんの体内に色々な物を取り込み、用途に応じて様々な効能の粘液を作り出してストックしておくことが出来るのだ。
例えばケープ草という植物を取り込めばライフポーションを作成でき、月見草という植物であればマナポーションになったりと、ウネちゃんは凄腕錬金術士でもあるのだ。
もちろん今まで倒した魔物の素材や魔物の体内にある魔石等もウネちゃんの中に保存されている。
ウネちゃんは有能なポーターでもあるのだ。
因みに今は魔王の住みかと言われている奈落の大穴と言うダンジョンの深部なのだが、このダンジョンには魔素が非常に濃いおかげで、有りとあらゆる植物が群生していたので根こそぎ取り込んでいたのだ。
その一つに世界樹の葉と言うものがあり、今いる階層の1つ上にバカでかい階層にこの木何の木気になる木~♪並にバカでかい世界樹が何本も生っていたので半分くらいは大丈夫だろうとごっそり頂いておいたのだ。
それがエリクサーの素材となっていて、それらに全身満たされることによって何とか一命をとりとめた。
ウネちゃんはペテン師聖女なんかより遥かに優れたヒーラーなのだ。
「ウネちゃんお腹すいたよ、何時ものお願い」
基本的にウネちゃんは俺の体表か俺が触れているものなら何処でも現れることが出来る。流石に地表での出現可能距離は俺から離れすぎると無理なようだが、今日もウネちゃんが何処からか生えてきて、俺の口に勢いよく挿入され、ウネちゃんの体内で生成された栄養満点の各種粘液が噴出される。
ウイダーイン○リーみたいで割りと美味しい。
「ウネちゃん汗かいたからシャワー浴びたいんだけど」
「ウネちゃんちょっと背中かいて」
「ウネちゃんウォシュレット」
ある日ウネちゃんにお尻を洗うのをお願いしたら、ウネちゃんがメドューサみたいな髪の毛がウネウネした銀髪の美少女に擬人化した。
「うえっ誰?え?見ないでぇぇ!」
「主よ」
「ちょっ誰なんですか!ノックもしないで!お尻見ちゃダメぇぇ!」
「……主よ」
「え?ウネちゃん?ちょっと驚かさないでよ~ビックリしたじゃない。何、そんなことも出来るんだね、はい早くお尻お願いプベッ」
今まで受けたどんな魔物の攻撃よりも強烈なウネちゃんの蹴りを突きだしたお尻に食らい、骨盤が粉々に砕ける音を感じながら向かいの壁まで吹き飛ばされて激突する。
「主、調子のり過ぎ…」
「………ず…み…ば…ぜ…ん……死…ぬ…」
他にもサキュバスとインキュバスの二人召喚できるのだが、戦闘面でもサポート面でも全く力にならないので、ここでは割愛しておく。
訂正、サキュバスさんには大変お世話になりました。
そんなこんなで意見のすれ違いや、価値観の相違から多少のトラブルはあったけど、何とか最下層までやってこれた。
ここまで来るのに奈落の大穴のダンジョンに入って2年、召喚されてからは7年近い月日が経っていた。
タイトルが変わったらすいません
週2くらいで爆裂投稿!!
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