表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すみません! 人違いでした!  作者: 緑谷めい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/18

15 大丈夫か!?



「ルイゾン様、私を迎えに来て下さったのですか?」

「オリーヴ、オリーヴ。大丈夫か? ゲス王太子に何もされてないか?」

「はい。大丈夫でございます」

「良かった。オリーヴ……」


「誰が『ゲス王太子』だ?!」

 不機嫌そうなアランの声が聞こえたが、無視してオリーヴの髪に顔を埋める俺。

「おい! 無視するなよ!」

 ちっ、仕方ねぇな。まぁ、いい。コイツに言いたい事もあるしな。


「アラン殿下。この騒ぎは一体どういう事ですか? ご説明ください」

「騒ぎを起こしたのは、お前だろーが! ルイゾン!」

 何、言ってやがる!

「殿下がオリーヴを拉致したのでしょう? 一体全体、何のマネです? 我が国の王太子ともあろう御方が他人ひとの婚約者を攫うなど――この国はいつから無法国家になったのですか?!」

「そ、そこまで言うことないだろ」

「いいえ、言わせて頂きます。だいたい、学園時代から散々オリーヴに辛く当たって勝手に拗らせておきながら、今更何なのですか?! 殿下は来月、同盟国の王女様と結婚されるのですよ? この時期に、このような軽率な行動を取るなんて、バカなのですか? バカなのですね? 今日の件は陛下と王妃様にも報告させて頂きます。私個人はもちろん、ブロンディ公爵家からも王家に正式に抗議致します! 覚悟なさって下さい!」


「そ、そんなに怒るなよ、ルイゾン」

「オリーヴは私の婚約者です。愛する婚約者を攫われて、私がどれだけ頭にキているか、お分かり頂けませんか?」

「分かった、分かった。まことにゴメーン」

 ふざけとんのか!! ワレェェェ!!

 俺がアランを睨み付けると、オリーヴが俺の腕にギュッとしがみついてきた。


「ルイゾン様。もう、おめ下さい。殿下は今までの事を私に謝って下さったのです。無体な事は何もされておりません。私は大丈夫ですから」

「オリーヴ……それは本当か?」

「はい。ですから、もうこれ以上、殿下をお責めになりませんよう、お願い致します」

「そうか。オリーヴがそう言うなら、後はうちの母に任せよう」

「はい?」

 オリーヴは俺の母の恐ろしさを知らない。故にキョトンとしている。

 だが、アランは母の怖さをよ~く知っているのだ。


「い、今、何と言った? ルイゾン?」

「ん? 『後はうちの母に任せる』と言ったのですよ。連絡をしてあるので、そのうち母が王宮に乗り込んで来ると思います。あぁ、そう言えば、母は最近ロイクの件もあって余り機嫌が良くないのです。今の母を怒らせるとどうなるか分からないので、家の中もピリピリしているのですよ。困ったものです。ハハハハハ」

「え……」

「それでは殿下、私はオリーヴをベルモン家へ送って行きますので、これにて失礼致します(首を洗って待ってろ!!) さぁ、行こう。オリーヴ」

「はい、ルイゾン様。それでは殿下、失礼致します」


「え? ちょ!? 叔母上が来るの!? ホントに来ちゃうの!? うわぁぁぁ~!?」

 

 背後でアランの絶望する声が聞こえたが、知ったことではない。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ