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雌牛と熊と偽剣豪の異世界奇譚  作者: てんてん
王国編
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王国編Ⅴ

「うわ〜すげぇ〜」


 誰が発した言葉だろうか、もしくは複数の人が発したかもしれない。何度目の言葉だろう、もう流石に聞き飽きた。


「ここが冒険者ギルドです!」


「おぅありがとよ。」


「いやぁ英雄の門出に立ち会えるなんて光栄だなぁ…。」


 恍惚とした表情で名も知らぬ冒険者は呟いた。


 その様子を気にすることもなくガイが無遠慮に冒険者ギルドに入っていく。イノシシを持ち上げたままだと入らないため、イノシシの足を肩にかけながらだ。若干引きずってる。


「邪魔するぜぇ」


 こんな格好なのに様になるからワイルド系イケメンはずるい。

 あーあ、なんだこれ。

 金髪ヤンキーが袴着て、刀差してるのに没個性化してるぞ。


「おいおい、こりゃとんだ新人だぜ…。」


「こりゃ俺もおちおち飲んでられねぇな。」


「あらいい男じゃない!今晩どう?」


「ちょうど近接職が足らなかったんだ!パーティに入ってくれないか!」


 矢継ぎ早に冒険者達が話し出す。

 早速逆ナンされてる。ずるい。

 意外と女の冒険者もいるな。もっとむさいところだと思っていた。


「はいはい、そこまでですよー!とりあえずイビルボア討伐おめでとうございます!買取はこちらです!」


 受付嬢が声を張り上げる。元気系か。いいな。アリだ。

 受付嬢を見ながら一人考察していると、背後からドス黒いオーラを感じた。


 殺気か?そう思い振り向くと、可愛げにプイッとそっぽを向いたハナがいた。

 可愛いなあ。ちょっとあざといな。

 そうだ俺にはハナがいるんだ。逆ナンなんて贅沢だ。


 そうだ、殺気を向けてきた奴を警戒しなければ。だが、いつのまにか殺気は嘘のように消えていた。なんだったのだろうか…。警戒しなければいけないな。

 ガイは俺を見て苦笑いをしていた。お前も警戒するんだぞ!






「ええっ!一人で討伐しちゃったんですか?すごいですね〜!」


「まだ冒険者でもないのにイビルボア討伐しちゃうなんて!」


「ホントですよ!ガイさんはきっとギルドの中心人物になっちゃいますね!」


「まぁな、だが油断して目をやられたからな。その戒めとして治してねぇんだ。慢心を気づかせてくれたアイツには感謝してるぜ。」


 あー今度は受付嬢に囲まれてる。あいつカッコイイしコミュ力あるからなぁ。しかも腕も立つときたもんだ、アプローチされるだろうな。そして意味ありげに目配せするな。


 ガイが話してる間に、俺らは査定してもらっていた。


「冒険者登録はまだですよね?査定が終わるまでに少々時間がかかりますので、そちらを先にしてはいかがでしょう?」


 ダンディなヒゲを蓄えたおじさんがそういうので俺たちは冒険者登録をすることにした。


 で、問題に直面した。文字が読めない。なんだよそれ。読めるようにしとけよめんどくさい。ガイはそんなことどうでもいい感じだ。


「ガイさんも旦那様も、もしかして文字が読めないのですか?」


 え?なんで書けんの?


「ああ、それというのが遅くなったが俺のことはレオでいい。」


 なんでハナだけ書けるのだろうか。意味不明だ。


「では私のこともハナと呼び捨てにしてください。」


 顔を赤らめ言ったハナの姿で考えてたこと吹き飛んだ。まぁ言語習得しているに越したことはないしな。


「あ、え、うん。」


 なんだこの甘酸っぱさ。ちょっと吃ってしまった。でもこういうのが欲しかった。神様ありがとう。


「俺も呼び捨てでいいからな!」


 そう言って雰囲気をぶち壊すガイ。言われなくともお前になど敬称はつけない。


「そうですねガイさん。」


 ニッコリとそう返すハナ。


「あれ?」


 不思議そうなガイ。

 本当に面白いパーティだわ。





 そんなこんなでハナに代筆してもらい冒険者登録した俺達は買取査定額を聞きに向かった。


とりあえずできた分はまとめて投稿しました。

勝手がわからないので投稿ペースや、1話あたりの文字数はどれくらいがいいのかイマイチわかっていません。どれくらいがいいんでしょうか?

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