プロローグⅣ
「……な様!」
ん?なんだ?何か聞こえる。そーいや俺死んだんだった。
まぁ多分地獄だろうな。だって元ヤンだもの。悪いやつがどれだけ取り繕っても悪いやつなのだ。でも罰は軽い方がいい。
「旦那様!!」
はぁ、起きるか。やだなぁ…。地獄ってタバコあるかな、ないよな。だって地獄だもの。
「起きてますよね?ちょっと!」
身体を揺さぶられる。堪らず瞼を開けると、目の前にあったのは…何だこれ?完全に視界を塞いでいる。柔らかいな。ポヨポヨしている。
「キャッ、ちょ、ちょっと!旦那様!」
いや嘘つきました。はい。普通に顔も見えてました。めっちゃ好みです。はい。
でもしょうがないじゃないか!触らずにはいられない!そこにおっぱいがあるから。
人生で一度触れられるかというレベルの巨乳だ。
あ、俺の人生終わってたわ。
てか誰だよ、この金髪美女。
おっぱいデカ過ぎだろ。
「えっと、どちら様でしょうか?当方全く状況を把握できていなくてですね…ここってどこですかね?あ!質問ばかりで申し訳ありません。私田上という者なんですけどね…」
こんな時は営業用のマシンガントークだ。
ちなみに取引先には不評だ。
「あ、はい。えっと…」
あぁドン引きだわ。取引先の人もこんな顔してたわ。
そりゃ強制わいせつだからね。犯罪だからね。覆水盆に返らずってやつだ。
もう取り返しはつかないのだ。
てか考えてみると俺もう死んだんだから何してもいいだろ。失うものは何もない。なんだか思考がぐちゃぐちゃだ。
「おい、面倒だからそいつもう一回殺そうぜ。」
「んだとコラ、誰だオメェ?め、めちゃくちゃ強そうじゃねぇか!」
ダメだ、こんなの話にならねぇ。2m越えのたっぱに筋肉隆々で体重も120kgはありそうだ。それになんか喧嘩慣れしてそうな感じだわ。あと隻眼と頬の傷がある。これで弱いなんてウソだ。
「な、なんだよ…。」
なんでちょっと照れてんだよ。
可愛くねーよ。
「え、てかもう一回殺すってなんすか?」
「あ、えーと私達なぜか生き返ったんですよ!しかも知らない世界で!」
待って理解が追いつかない。
「とりあえず自己紹介からいきますか!では私から、ハナと申します。旦那様に一目惚れしました!不束者ですがどうぞ宜しく…」
「はい、ストップ。」
いや、意味わからんねんけど。もう一回頭の中で考えよう。うん、わからん。
「あ、そういえばこの姿でお会いするのは初めてでしたね!あの黒毛和牛ですよ!」
笑顔が眩しい。
あーはいはい。あん時の牛ね。もういいや、そういうことにしとこ。
「俺は…名前がねぇな。とりあえずあん時のクマだ。」
あーはいはい。あん時のクマね。
いや、無いだろ。なんで3人仲良く生き返ってんだよ。よしんば生き返ったとして、俺と牛さんだけだろ。
「でもビックリしたぜ!まさかあそこから目ん玉をピンポイントで刺してくるとはなぁ。恐れ入ったぜ!ま、油断してなきゃ瞬殺だったけどな!慌てちまってお前を道連れにするのがやっとだったぜ。」
なんだよ腹立つな。勝てそうにないからさらに腹立つわ。てかわざわざ道連れにすんな。
「そんなお前に俺の名前を考える権利をやろう!嬉しいだろ?」
なぜ自分と牛さんの仇に名前をつけにゃあならんのか。俺の子供ならまだしも、やはり人生とはまかり通らんもんである。
「ガイとかでいんじゃね?」
もう適当だ、適当。
「うむ、これから俺はガイを名乗ろう。」
いやそれでいいならいいけどさ。
次は俺の番か。
「俺は田上麗央。レオと呼んでくれ。」
「はい!レオ様ですね。」
「ふっ、いい名前じゃねぇか。」
「とりあえず俺らは、知らない世界で生き返ったのはわかったんだが、ここどこだ?」
「えっと…」
「知るわけねーだろ。」
そりゃそうだ。こりゃ生き返ったはいいが、前途多難そうだな…。
長かったプロローグも終わりです。




