防衛出動Ⅳ
防衛省 中央指揮所 藤原統合幕僚長
我々の立案した作戦は概ね予定通りに進行中だった。空中機動力をフルに活用した人員と装備、物資の輸送。地上輸送も急遽増派が決定した東北方面輸送隊と中部方面輸送隊の投入。取りあえずでも車両を確保するために陸上自衛隊輸送学校で使われている教習用のトラックも動員した。大規模な災害派遣より全体量は少ないが、武器弾薬の輸送量は戦後初の数値を記録しただろう。
「北富士駐屯地より特科2個中隊及び弾薬と人員の空輸が始まりました」
「宇都宮駐屯地、特科1個中隊の空輸が開始。もう1個中隊は第1ヘリ団の到着待ちです。」
「富士教導団特科教導隊から20榴部隊の輸送開始報告」
陸自は順調に主戦力の移送が始まっている。思ったよりも早い段階で戦線を構築出来そうだ。これならば相手がどんな動きに出ようとも対処可能である。と、大見得を張りたい所だがそうもいかないのが現実だ。
「第32普通科連隊、移動中に計3個班分の高機動車がエンジントラブルです。」
「下総基地を離陸途中のC-2が機体に異音との報告。離陸を中止しました。」
長年に渡るお役所仕事のツケが回って来たようだ。有事を掲げながらも平時の運用を大前提にされてしまった軍事組織の悲しい定めなのだろうか。
「他の高機動車か随伴するトラックに分乗可能ならそうさせろ。最もそれぐらいは現場で判断出来なければ幹部連中の給料支払いを停止させるぞ。」
「既に移動を再開、解決済みです」
「よし、それでC-2は何を運ぼうとしていた。武器弾薬なら入間のC-1でもいいからさっさと寄越せ。」
「作戦の変更に伴って目的地を変更した1師戦車中隊の任務を代替するために、16式を羽田に運ぼうとする直前でした。残念ですがC-1でこれの輸送は…」
深いため息が出そうになった。米軍にでもお願いしてC-17当たりを借りれないか等と口走りそうになる。
「幕張で撃破した時は1個小隊なんだろ、じゃあ半分の戦力でも同じだけ撃てばいい話だ。1両でもいいからとにかく大急ぎで飛ばせ。向こうは警視庁がギリギリで頑張ってるんだ、分かってると思うがこれ以上警察側に犠牲者を出す訳にはいかないんだぞ。」
耳にしている報告だけでも、警察全体で100人近い殉職者を数えていた。それに防衛出動が発令された以上、いつまでも警察に矢面を任せる訳にはいかない。そこへ陸幕長が意見具申した。
「統幕議長、戦車中隊から2両程度を羽田に戻すのはどうでしょう」
「時間的ロスは」
「今ならまだ30分程度と思われます。空幕長の前で言うのは憚られますが、万が一に他のC-2が同じような現象で離陸が不可能になってしまった場合の保険として向かわせては如何でしょう。」
藤原は空幕長へ視線を向けた。陸幕長の発言を特に気に掛けている様子は見受けられない。それ所か、肯定するような意見を言い始めた。
「原因の究明も急務ですが、今は全体の足並みを揃える事を優先しましょう。こちらとしては異論ありません。有事における戦術輸送に関して、今後の若い世代にもっと研究をして貰う良い機会が生まれたと思います。」
「では、各方面そのように。時間は止まってくれないからな。急げよ。」
現状、千葉県側に関しての事態は殆ど収束しつつあった。上陸艇型も全て排除し、件の漁港も制圧が進んでいる。千葉市に上陸した生物群も空挺中隊の活躍によって鎮圧。残るは未だに抵抗の激しい五井大橋一帯だけだ。既に空挺からの新たな増援1個中隊と対戦車ヘリの1個小隊が現場で活動しているが、こちらの制圧にはまだまだ時間が掛かりそうだった。
海上自衛隊第4航空群 P-1戦術航空士 佐竹一尉
第1護衛隊から浦賀水道を北上する謎の物体へ対潜爆弾を使用した爆撃をして欲しいとの要請が舞い込んだ。何を前時代的なと思ったが、よくよく考えれば相手は生物だ。ハイテク兵器で武装した水上艦艇からしてみれば、主砲と短魚雷ぐらいしか対抗手段が無いのである。となれば、ここはやはり我々の出番だろう。
「オールクルー、タコ1、本機は対潜爆弾を水中目標へ実戦運用する初の任務を受けた。各員、持てる技術経験知識を最大限に発揮して欲しい。以上だ。」
「タコ1、機長、俺に言わせて欲しかった」
「悪いな、早い者勝ちだ」
「クソッタレめ。オールクルー、機長、これより発進する。」
佐竹一尉たちが乗るP-1を先頭に、3機が続いて離陸した。主翼下ハードポイント、機首付近の胴体内爆弾槽には150キロ対潜爆弾が満載されている。一見するとそれは、小さめのB-52のようにも見えた。4機は編隊を維持しつつ東進し、東京湾上空へ出る。そのまま南下を続けて浦賀水道に差し掛かった。追跡を続行している仲間のP-1から通信が入る。
『こちらシーイーグル5、聴こえたら応答願います』
「5、こちらはシーイーグル9、洋上の1護隊から要請を受諾し現在接近中』
『5より9、目標は深度約250、速力約4ノット程度、当初より0.5ノット程度増速した模様。位置は現在追跡中の1護隊直下。』
佐竹はディスプレイを注視した。浦賀水道のど真ん中を航行する船が4隻、これは洋上の第1護衛隊だ。その表示に重なるのが2機のP-1哨戒機。後方にはSH-60Kが1機張り付いている。現在の浦賀水道内は20を越すソノブイが常に音を拾っているから、並の潜水艦乗りなら浮上して降伏するレベルの包囲網だった。コイツも他の上陸艇型同様に着上陸を狙っているのかは不明だが、少なくとも今の状態で位置を見失う事はないだろう。
「9、位置を確認した。ここから先は誰の指示に従えば宜しいか。」
その回線に割り込んだのは護衛艦「いずも」に座上する向山海将補だった。この場限りだが、少しでも湾内への到達を遅らせるための作戦を受領する。
自衛火器しか持たない「いずも」は転進して離脱。残った「はたかぜ」「むらさめ」「いかづち」が短魚雷による対潜攻撃を実施。少し距離を開けたら今度はアスロックを射出。こちらは信管の問題で当たっても着発しない可能性があるため、目くらまし代わりだ。運が良ければもしかすると爆発してダメージになるかも知れない。この攻撃で目標が浮上を始めれば、今度は我々の出番だ。真上から対潜爆弾の雨をお見舞いして更にダメージを与える。これが海将補から受領した作戦の内容だった。
『もし浮上せずに湾内へ突き進んだとしても、何所かで水面に出るだろう。もしそうなったらその瞬間を叩いて貰いたい。かなり場当たりな作戦だが、今の我々に出来るのはこれが精一杯だ。もう少し時間が経てば一旦帰港した味方も戻って来る。貴隊の練度を当てにさせて欲しい。以上だ。』
勝ち負けより、侵攻を続ける手出しの出来ない相手にまず一撃を加えるのが目的らしい。この狭い海域では目標との位置取りも注意しなくてはならないだろう。どう転んでも、状況はまだ我々にとって不利なようだ。
「シーイーグル9了解、上空にて待機します」
編隊は追跡部隊とすれ違い、方向転換して後方から追従した。洋上では既に艦隊が攻撃を行うべく陣形を変更しようとしている。
護衛艦「はたかぜ」ブリッジ
「いずも、転進します」
「艦隊減速、これより本艦を先頭に単縦陣を形成、中央がむらさめ、殿はいかづちです」
3隻がそれぞれの間に1隻分が入るぐらいの間隔を作った。夜間、しかも狭い浦賀水道でやるような艦隊運動ではない。それなりに自信が無ければ出来ない事だ。
「対潜戦闘用意」
「全艦逐次回頭、面舵一杯」
「全艦逐次回頭!面舵一杯!!」
先頭を行く「はたかぜ」がゆっくりと艦首を右に向け始めた。白波を立てて走る「はたかぜ」の両舷には、水雷科の乗員が3連装の短魚雷発射管を操作するため集結している。
「左舷発射管、状況」
『準備よし!』
「右舷はどうか」
『こちらも整いました!』
船体が殆ど真横を向いた。左舷側に備わる3連装短魚雷発射菅も同じように真横へ突き出される。装填された97式魚雷3本を一度に撃つなんて演習でも中々やらない事だ。しかも装填されているのは実弾である。発射管に取り付く乗員たちは密かにその興奮を抑えていた。
「よーい!撃ぇ!」
『撃ぇ!』
圧搾された空気によって押し出された魚雷が夜の海に1本ずつ飛び出していく。続いて回頭した「むらさめ」からも3本の魚雷が発射された。
「舵そのまま、円形を描いてさっき撃った場所の近くまで戻る」
魚雷を発射する「いかづち」を右手に捉えつつ、「はたかぜ」は最初に魚雷を射出するため面舵を切った場所の近くを目指して船を進めた。
「今度は右舷で撃つぞ、用意しろ」
『いつでもどうぞ!』
魚雷を撃ち終えた「いかづち」が「むらさめ」の後方へ回り込んでいくのを尻目に直進。最初に撃ったポイントへ近付き始めた。「むらさめ」も右舷の発射管を真横に突き出している。
「もう1度逐次回頭するぞ。今度は取り舵だ。間違えるなよ。」
「了解、取り舵一杯」
「取り舵一杯!」
次は艦首が左へ向けて曲がり始めた。さっきと違って少し早めの段階で発射が始まる。
「よーい、撃っ」
『撃!』
右舷側から魚雷が撃ち出される。1艦につき計6本、合計18本の魚雷が水中の目標に向けて発射された。3隻は水面に中途半端な8の字を描くような航跡を残して一度離脱。次はアスロックの攻撃である。「はたかぜ」に備わるアスロックランチャーが左上方へ向けて首を振り、4つの発射口が開いた。
「今度は一斉回頭を行う、取り舵45度」
「一斉回頭!取り舵45!」
3隻がゆっくりと同じ方向を向いて綺麗に曲がり始めた。そして夜空に向けて10個の光が飛び上がっていく。「むらさめ」と「いかづち」が3発ずつ、「はたかぜ」が4発撃ったアスロックだ。
『水測より艦橋、目標に魚雷命中、爆発音多数を確認』
「了解、引き続きアスロックの状況に注視されたい」
10発のアスロックは飛翔を続け、目標地点より少し通り過ぎた場所でロケットモーターが分離した。弾頭の魚雷が次々に着水していくが、こちらはさっき撃ったのと違って磁気信管である。当たっても着発しない可能性が高いため、望みは薄い攻撃だった。同時に、目標がここで動きを見せる。
『反応増大、浮上の兆候あり』
「全艦に警告、目標の動向に注意せよ」
彼らの撃ったアスロックは、残念ながら全て起爆しなかった。半分ぐらいが97式の残響で目標を見失って海底に突っ込み、残りはどうも突き刺さったらしいと言うのが3艦のソナーマンたちによる一致した見解だ。
「P-1部隊に対潜爆撃を要請、誘導してやれ」
「了解」
後方の上空で待機していたP-1へ目標浮上の旨と位置、深度が矢継ぎ早に伝えられる。シーイーグル9を先頭に4機が一列に並んだ。爆弾槽が開き、中に収められた150キロ対潜爆弾が姿を現した。
P-1戦術航空士 佐竹一尉
「全機爆撃航程に入る。まず爆弾槽内の対潜爆弾を投下し、再度アプローチして次は主翼ハードポイントの爆弾を投下。その後は空中にて集結し様子を見る。各機ソナーマンは爆撃終了まで音を絞っておけ。」
「機長、タコ2、速度は今のスピードを維持願います」
編隊を組んだ対潜爆撃なんて演習でもやった事が無かった。哨戒機は基本的に1機で行動するのが原則だ。多くても2機程度の連携が最大である。相互の距離に注しつつ、浮上が予想されるポイントへ向けて飛び続けた。
「タコ1、タコ2、秒読みに入ります」
「機長に直接伝えてくれ、俺がバックアップするから位置取りに集中しろ」
「了解、機長、タコ2、カウントスタートは10秒前から実施します」
静かに時間が流れる。操縦桿を握る機長は手に力が入りっ放しだった。落ち着こうにも落ち着かない。そうこうしてる内にタコ2が秒読みを始めた。実際に投下を行うのは隣のコパイだから、自分は真っ直ぐ飛び続ける事に専念すればいい。コパイも投下レバーを握ったまま険しい顔付きだ。誰もが緊張している。
「5、4、3、2、1、今」
「投下!」
爆弾槽から対潜爆弾が飛び出していった。後続の機体も大体同じポイントで投下を実施する。投弾が終了した4機は綺麗に並んだまま旋回し、2回目の投下を行うべくアプローチを開始した。洋上は爆発の衝撃波で幾度となく水柱が立ち上がっている。夜でも分かるぐらいの大きさだ。すると、コパイがその中から浮遊物を発見して全体に報告する。
「何か見えました。かなり大きな浮遊物を視認。」
「タコ1、機長、どうする。このまま2回目の攻撃に入るか?」
「機長、タコ1、本機だけで確認に向かおう。後続の3機はアプローチ後に待機させる。」
シーイーグル9だけが編隊を離れて高度を落とした。水柱の収まった海域には、確かに大きな浮遊物が浮かんでいた。全長は目視で大体100mぐらいで、しかも2つ見える。
「……こいつはまさか」
彼らの収めた映像と写真は直ちに中央指揮所へと吸い上げられた。これまで出現した生物群のデータから推測するに、これは上陸艇型の屍骸である事が確認される。そして水中の目標はまだ健在である事も発覚した。これが何を意味するのか、誰も理解出来ないでいた。目標は97式と対潜爆弾によって生じた鳴り止まない残響の中へ一時的に姿を消し、転進した「いずも」のヘリが追加のソノブイを投下するため大急ぎで発艦が始まる。魚雷の入れ替えが終わった艦隊もようやく戦列に加わって戦力が増強されたが、目標を見失った事で進軍を停止し神奈川県の金沢区沿岸へ集結した。目標の位置確認が急ピッチで進められていく。
羽田空港
警視庁東京国際空港テロ対処部隊指揮官 原警視
「なに?戦車は来ない?」
「あ、いえ、別の部隊が来る予定でしたが、そっちもトラブルが起きて遅れると」
「もっと詳しく頼む」
羽田や埋立地に上陸した計3体の上陸艇型攻撃のため、第1戦車大隊から第2中隊が向かっていた。しかし例の親玉が接近している事から作戦が切り替わり、戦車部隊は目的地を羽田から神奈川県の沿岸部に変更。その穴埋めのため千葉県と江戸川区に展開した機動戦闘車小隊を羽田に空輸する手筈だったが、肝心のC-2輸送機にトラブルが発生したため到着が遅れるとの事だった。
「それで現状は」
「戦車部隊から2両だけがこちらへ向かっています。本隊はそのまま神奈川へ向かうようですね。輸送機も現在2機が離陸準備中で、1機は既に飛び立ちました。」
困った事になった。既に到着している警視庁SATを加えた攻撃は現在も継続中で、そこそこの成果を見せつつあるが、初の実戦と言う事もあって弾薬の消費が激しい。さっさと陸自に出張って貰う事を前提に考えた作戦のため、備蓄している弾薬の底が見え初めているのだ。
「播磨さん、前線の射撃を自重させましょう。狙撃チームが撃ち尽くすまで待機させるのが宜しいかと思われます。」
隣で腕を組んだまま俯くのは警視庁SAT隊長の播磨警視だ。余り口数の多くない人物と聞いているが、確かにそれは雰囲気でも伝わって来る。だがそれは、慎重である事の証だった。
「何事もうまくいかないもんですな。原さんの提案は最もだと思います。私も陸自へ手早く現場を明け渡す事ばかり考えていました。ですがこうなった以上、牛歩戦術に出るしかないでしょうな。」
本庁のエリートは頭の固い人間が多いと言われているが、彼がその枠から外れている事を感謝した。こういう人間が多いと現場はやり易い。
「分かりました。各制圧チームは直ちに後退、狙撃チームをもう1度だけ前に出す。それと陸自に催促をしてくれ。早くしないと弾切れになって全員やられると一芝居してもいいぞ。」
「了解」
滑走路を走り回る車両が一斉に後退を開始。観測支援や誘導を行っていた狙撃チームの隊員たちは再びスナイパーライフルを構えた。未だ吐き出され続ける人型や投射型にその照準を合わせる。
そして2回目の狙撃による阻止攻撃が始まって10分ばかりが経過した頃、羽田に向かって高度を落としつつある1機の航空機があった。それを発見し報告に走る隊員は明るい表情で本部に飛び込む。
「報告!空自の輸送機が接近中!例の部隊を乗せた機体です!」
「来たか、A滑走路に誘導を頼む。降りたらターミナルを突っ切って向こう側に出るよう指示しろ。」
空港署のパトカーが滑走路に並び、赤色灯の光で輸送機を誘導した。C-1並の短距離着陸性能をフルに発揮して滑走路に降り立つC-2輸送機に誰もが驚いている。開放された後部ハッチから姿を現した機動戦闘車は一気に加速。湾岸道路の上を通って第2ターミナル側へ出る橋を突っ切り、人型や投射型の屍骸が散乱する滑走路へと躍り出た。
『戦車教導隊第4中隊から参りました先遣第1小隊です。後続も追って到着します。あのデカブツはお任せ下さい。』
「来援感謝します。それと元々こちらに向かっていた部隊も到着されました。」
本隊から離れて向かっていた戦車2両も僅差で到着した。少々気まずい雰囲気になってしまったが、それを上回る事態が起きたため有耶無耶となる。
「もう1体来ました!71番ゲートの方向です!」
1体目よりもかなり南側にもう1体の上陸艇型が出現。これで戦力的には申し分ない状況となった。滑走路にも2機目のC-2輸送機が降り立っている。
『こちら第1戦車大隊第2中隊より参りました別働班です。最初の上陸艇型は我々が受け持ちます。先遣小隊は2体目の方をお願い出来ますか。』
『第1先遣了解、2体目を攻撃します』
2両の戦車を運ぶ特大型トレーラーはパトカーの先導で西貨物地区まで進出し、そこで74式戦車を展開させた。空港に戦車とは珍しい光景である。戦車は北側からターミナルを迂回して1体目の上陸艇型をその射界に収めた。
「弾種対榴、距離1500、戦闘照準」
「装填よし!」
「各車撃ち方始め」
105mm砲が唸りを上げた。発砲の衝撃波が滑走路にビリビリと響き渡る。屋上から狙撃していたSAT隊員やテロ対処部隊の隊員たちがその大きな音に思わず首を竦めた。最もこれは葛西臨海公園に展開するERT隊員たちが既に受けている洗礼でもある。砲弾を受けた上陸艇型も105mm砲に負けないぐらいの悲鳴を挙げ、体を大きく曲げて苦しんでいた。新たに上陸した1体も機動戦闘車の攻撃を受けて同じような様相を見せている。この2体も遠からず撃破出来るだろう。これで沿岸に上陸した合計7体の内、5体を撃破した事になる。未だ手付かずの外側埋立地と若洲ゴルフリンクス、上陸せずに回遊を続ける個体が残った。




