4 冒険ははじまらない?
何かオカシイ
昨日、サバゲの帰り道で訳の分からない場所に来た。
気が付いた時に身に付けていたサバゲセットからはスマホはどこを探しても出てこなかった。
そして、リュックを開いて固まった。
そこには入るはずがないモノが詰まっていた。
リュックの大きさは高さ40センチ程度、中からM95が出てきた。んな、アホな・・・
M95は全長1メートルある長物だ。リュックに入るはずがない。
元の銃がショットガンだから、こいつもショットシェル型マガジンを使う。マガジン位置にあるのは、実はガスタンク。よく作ったよなこれ。
ショットシェルベルトも出てきた。
そして、チャージャーとマガジンポーチも出てきやがった。
意味が分からない。
弾とガスも手持ち分が入っている。そりゃ、重いだろうさ。どう入っているのか、そんなものは分からない。
さて、今日だが、狩には出ないらしい。
かなりの獲物だったから加工に忙しいようだ。今日は獲っても加工の余裕がない。
そのかわり、畑仕事だそうな。
テンプレだと畑がアレで未来知識で豊かな稔りとかなんだろうが、牛馬による耕作、鉄の鍬もあるし、どうやら肥料もあるらしい。ちゃんと輪作も曲なりにも確立されている。
この村にはラノベ知識の出る幕はない。
今日は豆を撒くらしい。枝豆かな?見たことある豆が手元にある。
言われた通りに撒いて、あとから土を被せていく。
そこそこの広さがあるな。
因みに、獣の来襲に備えて武器は常備との事だったので、チャージャーを持ってきた。タカに借りた着物にベルトして、腰の辺りにマガジンポーチさげてマガジン4本差している。
これがテンプレモノなら今ごろポスキャラ倒しに出掛けるとか、猪の大量発生の原因探るとか、あると思うんだがな。
そして、畑仕事で1日が終わった。
次の日は雨でまたもや狩はなし。タカとハナに習いながら縄を編んでいた。
まったく異世界小説な事が起きたりしない。
そのうち代官か何かが来て物語が始まるのかね?
まだ三日目だが、ここの生活は質素ながら、貧しい訳ではないらしい。
穀物は蕎麦と芋と豆。野菜はあるし、狩に出れば獣も獲れるし、薫製や干物にするから肉も不足しない。
皮はなめしてある程度貯まれば売りに出るらしい。
何だよ、このほのぼの系・・・
俺って魔砲師とか言うチート職じゃないの?
よくあるラノベ農業チートも使えない世界だし、どうすりゃ良いの?
俺自身はこんなほのぼの系も嫌いじゃない。嫌いじゃないが、これで良いのか?
「近々革と干し肉売りに街に行くが、どうする?」
タカに聞かれたので、同行することにした。もう暫くは村の世話になるから護衛だよ。