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3 何時代だろう?

集落に着いた俺達はまずは持ち帰った肉や皮などを村人?に渡す。

彼らは薫製や干物、皮なめしなどが仕事らしい。


「心配するな、取り上げたんじゃない、日保ちするようにしてくれる」


タカは俺にそう言って安心させるが、うん、そこじゃないんだ。どちらかって言うと、その加工作業が気になる。


「で、ますばお前さんをお婆のところに連れていかなきゃな」


そうだ、こういう物語のテンプレは村長のところ言って、英雄だの何だの言われてチヤホヤされたり、いきなり悪魔とか言われて敵対するんだよな・・・




「魔砲師か、珍しい。魔砲師なんてのは貴族の従者くらいしか知らないが、あんた、余程の変わり者だね」


結果から言おう、普通に歓迎された。ただそれだけだった。テンプレって単に物語世界だけの話なんやね。

俺の説明?田舎ウンヌンが通用しないから正直に話した。洗い越しの底が無くて墜ちたと。

なぜかそれを信じるこの人達は、人が良いのか、それとも・・・



どうやら俺の居た辺りはこの辺りの狩場だそうだ。途中から歩いた少しマシで幅のある道が街道らしい。

「ここから街はどのくらいかかるんだ?」


タカに訪ねると、何言ってんだ?みたいな顔をされた。


「お前さんの居た道ならあの山越えたら見えるだろう。街道で三日、あの道なら二日だ。獣に会わなければな。ま、お前さんなら心配ないか」


あの着ぐるみモドキが獣?、魔物にしか見えないんだが・・・

普通、獣って四足歩行じゃないのか?

そんな話をしたら呆れている。


「馬や牛じゃあるまいに、人が飼い慣らしたものじゃなきゃ四本足なんか里には降りてこねぇよ。二本脚で飼い慣らせるのはまあ、犬か猫くらいだがな」


あ、猫ミミも居るなら見てみたいな。

と、思ったら耳の生えた子供が走った。

「猫ならほら」


あれが猫だそうだ。しかも、あれで大人。小学校低学年じゃん・・・


じゃあ、ハナは?


どうやら犬は人と変わらないくらいに成長するらしい。しかも、犬も猫もだいたい人と同じく40年は生きるとか。


「お貴族さまの中には犬や猫を女みたいに扱う連中も居るらしいが、気が知れないな」


タカはそう言った。


「ハナはけっこう綺麗な女の子に見えたが」


タカは呆れた顔で俺を見る。


「ま、世の中は広いな。人形してりゃ、人か獣か関係ないって、俺には理解できん。まあ、犬を妾にしちゃならん掟はないから構いはしないが、俺んとこの犬に色目使う奴が居るとはなぁ~」


どうやら、この村にも犬を犬と見ない人は居るらしい。さすがに猫はなぁ~


タカに連れられて、タカの家へと向かった。

縦穴住居である。

「ハナ、犬嫌いのお前に朗報だ、この魔砲師がお前を気に入ったんだとよ」


家へに入るなりハナを見つけてこれである。


「な!いくら人でもいきなり尻尾触る変態はさすがに嫌」


返事はこれだ。はいはい、そうですね。


話によると、犬の元は狼だと言う。いつの頃からか人に接近して、人とのハーフが犬になったとか。ホンマかいな・・・

しかし、それを裏付ける様に、ハナにしても、猪を解体していたコロにしても、言葉を喋るし、仕草も人に近い。人と犬の間には犬が産まれ、犬同士でも犬しか産まれないんだとか。


「ハナとの間にゃお前さんの跡取りは出来ない。たまに犬にしか興味持たない奴も居るが、お前さんも気を付けろ」


「私もそいつは無いから」


ハナもそんな事を言うが、タカはそれを見て笑っている。


犬は耳や尻尾以外はほぼ人間と変わらない。手足が肉球だったりはしない。さっきの猫も人間の手だった。だからだろう。原始人みたいに毛皮を着ている。野生の狼はかなり毛深いらしいが、犬は加工した毛皮を着ないと冬場は持たないらしい。そら、ある意味、人工的に産み出されたんだから仕方ないよな。


こうした田舎では猟犬として働き、家事をやるのが日常だが、街だと貴族屋敷や遊客に居る事が多いらしい。

人が産まれないから妾や遊びに良いってか・・・


おっと、そうだ。

この集落は縦穴住居だが、解体の時にも使っていたように、包丁は鉄だ。石ではないし、青銅でもなかった。

「何?」


鍋も鉄鍋である。土器ではない。お椀は、木だね、漆塗りなんかではない。

「いや、何作ってるのかなと」


鍋には肉と野菜らしき葉や茎、根が入っている。

ここ、何時代?

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