表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/19

プロローグ

木々の中を下草の音を極力たてないように歩く。

幾人か人影が見えるがこちらに気付いた様子はない。

そっと窪地に身を潜めて射程に入るのを待つ。

「こっちからなら手薄みたいだ」


敵の声が聞こえた。そうそう、君らはまだ味方に見つかって居ないからね。今回の配置ならここは手薄だよ。

相手が窪地を覗きこめる位置まで近付いた。

「居ないな、後はそこの茂みだけだ」


彼らには光の加減で窪地がよく見えないらしい。

構えた銃の引き金を引く。

カシュンカシュン。


「「ヒット!」」

は~い、二丁上り。

声からするとまだ居るはずだ。


「茂み手前の塹壕だな」

良かった。間違えてくれている。

パラパラパラパラパラパラ

電動の音が響いて窪地より左寄りに着弾している。

一人が塹壕に駆け込む。

カシュンカシュンカシュン

「ヒット!」


「本当に塹壕か?」

敵の声が疑問系にかわる。

「そもそもガスだから、あの三人の誰かだ、ヤバイなぁ~」

敵は戦意がかなり低い。よし、いけそうだ。

「おい、まだ抜けないのか」

新に敵が増えた。手練れのガルフだ。こいつは大変だ。

「相手がガスなんだ」


ガルフの姿が微妙に見えるが当たるかどうか怪しい位置だ。

分からない程度に窪地から身を乗り出してガルフを撃つ。カシュンカシュン。


「その音はCQB、タイガーか」

やっぱりバレた。

塹壕から窪地にかけて面制圧かけてきやがる。そう言えば、ガルフの奴はLMGだったか、メンドクセェ~

とは言え、声は出せない。位置がバレたら終りだ。

「タイガー、出てこい」


出ていけるか!だいたい、連中は知らないが、ここが抜かれたらフラッグまで一人も居ないんだよ。

パラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラ

マッタク動けないが、射線は確保できている。

支援されて突っ込んできた敵を撃つ。カシュン

「ヒット!」


「窪地か?いや、音は茂みだ、そこか!」

ガルフがちょうど頭上の茂みを撃ちまくる。

「逃げたか」

「茂みのトーチカが怪しい、気を付けて囲むぞ」

ガルフが大声で指示を出す。

敵に筒抜けだが、少数に対してはこれが案外効果的だ。焦って敵の捕捉に身を乗り出したら負け。奴の狙いはそこだろう。



「終了~」


俺は窪地から立ち上がる。

「そこかよ!」

ガルフから声が上がる。

「秋山さん、それゃないわ~」

ガルフこと、萱場が呆れている。

「あと少し前進してくれたら一網打尽だったんだが」

俺は笑い返してやった。


サバイバルゲーム。一時はかなり流行ったが変な奴らが違法改造して事件起こしたり、ドラマやマンガで悪役で扱われたりして印象が悪くなっている。呆れたことに、遊戯銃規制が入る前にはテレビ局が威力増強した「カスタムガン」をまるで市販品かのようなナレーションで空き缶撃ち抜く映像流した事もある。


その様な影響だけではないだろうが、今ややっているのは知った連中ばかり。


「今日は楽しかったよ。久しぶりだったが、良いね」

片付けしながら萱場とはなす。萱場はこのチームのリーダーで、俺は数年ぶりにサバゲに参加していた。

「久しぶりであんなことやるのは秋山さんくらいでしょ。仕事が暇なときには参加してくださいね」


「一段落ついたから、ガスメインで参加するよ。電動で虐殺は萱場の十八番だから」

笑いながら萱場を見る。

「虐殺って・・、まあ、俺みたいにずっとやってる人が少ないからかなぁ~」

ちょっとしょげているらしいが仕方ない。

「今時イベント行くようなレベレは一握りだからな。俺も無理だ。しばらくやり直しだな」


そう言って慰めておく。

流行った頃からやっていてメーカー系イベントや全国規模のゲームの経験がある奴なんて少ない。今でも味方からすら姿を消すゲーマーや長距離射撃がヤバイゲーマーはたまに居るらしいが、一時期みたいに変人集団となると見なくなったらしい。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ