星屑とともに散っていく花のカケラ
真夜中 遠く
君の声
それによく似た鐘の音
咲く 空に 高く
遠く 高く 空に
いつまでも変わらない夢を見ていたあの頃のように
どこまでも見果てない夢を見上げたあの頃のように
翳した指の隙間から見ていた 一心に
頬を伝う一筋は君へ向けた餞の詞
目許から跳ねる一滴は君へ贈る光
走り出した
星屑は果てしなく僕たちを導いていく
どこへ向かうとも知れない星の大河を
希望がどこへ隠れているのかは知らない
いつかどこかで再び出会うことがあるのかもしれない
だからその日まで大切に仕舞っておこう
瑞々しく艶やかなままの僕と君の亡骸を
ゆめ ユメ 夢 その言葉を僕は知っている
きず キズ 傷 その意味を君は知っている
砕けた
僕らを乗せた願いの箱舟は
重さに耐えきれずに落ちていく
これが最期の望みと知って墜ちる一縷の哭き骸
僕と君はともに手を取り風の中に靡いていく
私たちにとって迷うことは何ひとつないでしょう
翼を広げたまま死に絶え光の中に溶けていけるのなら
そう言って 君はまた笑った
僕らは初めから何もかもを知っていた
全てが手の届かないものであることを知っていた
それでも僕らは手を伸ばさずにはいられなかった
空を握る手が掴みたかったのはヒトの未来
全ては虚しく何も無い世界へ散っていく
花の開くように消えていくのは誰にも示されなかった標
それでも僕らはただひとつだけのことを知っている
何もかもを失った地平にたったひとつの産声が上がることを