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【箱】詩

星屑とともに散っていく花のカケラ

作者: FRIDAY

 



 真夜中 遠く

 君の声

 それによく似た鐘の音




 咲く 空に 高く

 遠く 高く 空に





 いつまでも変わらない夢を見ていたあの頃のように

 どこまでも見果てない夢を見上げたあの頃のように



 かざした指の隙間から見ていた 一心に




 頬を伝う一筋は君へ向けたはなむけことば

 目許から跳ねる一滴は君へ贈る光




 走り出した

 星屑は果てしなく僕たちを導いていく

 どこへ向かうとも知れない星の大河を




 希望がどこへ隠れているのかは知らない

 いつかどこかで再び出会うことがあるのかもしれない

 だからその日まで大切に仕舞っておこう

 瑞々しく艶やかなままの僕と君の亡骸なきがら




 ゆめ ユメ 夢 その言葉を僕は知っている

 きず キズ 傷 その意味を君は知っている




 砕けた

 僕らを乗せた願いの箱舟は

 重さに耐えきれずに落ちていく

 これが最期の望みと知って墜ちる一縷いちるがら




 僕と君はともに手を取り風の中になびいていく

 私たちにとって迷うことは何ひとつないでしょう

 翼を広げたまま死に絶え光の中に溶けていけるのなら

 そう言って 君はまた笑った










  僕らは初めから何もかもを知っていた

  全てが手の届かないものであることを知っていた

  それでも僕らは手を伸ばさずにはいられなかった

  くうを握る手が掴みたかったのはヒトの未来




  全てはむなしく何も無い世界へ散っていく

  花の開くように消えていくのは誰にも示されなかったしるべ

  それでも僕らはただひとつだけのことを知っている

  何もかもを失った地平にたったひとつの産声が上がることを


 

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