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Black Paladin ~聖騎士団第十三部隊~  作者: Noire
第一章 紅蓮の剣
9/21

警告

「確かに受け取ったよ。すぐ作るから待ってて」

 ミズキとの激闘(?)を終えたエルは、一人でマーリンの研究室まで来ていた。


「いやぁ、さぞかし大変だったろうねぇ」

「…どうせ見てたんだろ?」

「うん、勿論」

 余りの即答。

「女の子を泣かせるのはよくないぞー」

「……」

「『私、大きくなったら○○君と結婚するー!』なんて、幼い少女にはありがちじゃないか」

「なんで知ってるんだ」

「魔女はだいたい何でも知ってるのだよ」

 はぁ、と、エルが大きなため息を漏らした。

「まあ、仕方なかっただろうけどね。あのまま君が全力を出していたら、あの屋敷を十回は壊せる」

「…ああ」


 おそらく部品を取り付けるだけで良かったのだろう。すぐに「虫除け器」は完成した。

「ハイこれ。連続使用は半日が限度ね。それ超えたら暴走するかも」

「…暴走すると、どうなるんだ?」

「大量の虫が引き寄せられる」

「…気をつけるよ」

「ありがとう」と言って、彼は地下室を立ち去ろうとする。

 しかし、何を思ったか、その場に立ち止まった。


「マーリン、聞きたい事がある」

「…情報料は?」

「生憎いまは飴玉しか持ってないぞ」

「それで許す」

 手渡された飴玉を、彼女はすぐ口に放り込んだ。


「この間捕らえた賊のなかに、魔法武器を持っているやつがいた」

「……」

「お前が、関係してるんじゃないか?」


 マーリンはしばらく黙ったあと、笑いだした。

「いやぁ、心外だな。遂に私にも兵器密売の容疑が掛けられたのか」

「お前、魔法道具売った事があるだろ?」

「まあね。でも、盗賊なんかにそれを渡すほど私は落ちぶれてないよ」

「そうか…。ならいいんだが」


 彼女がまた話し出す。

「このままじゃ飴玉せびっただけに思われるだろうから、情報を提供しよう」

「?」

「君が捕らえたという賊、奴らが『紅い蠍』という組織を作っている事は知ってるかい?」

「…初耳だな」

「ただの悪党集団さ。大した奴らじゃなかった。この前まではね」


 そうして、一枚の紙片を差し出した。彼女は続ける。

「最近奴らは、そこと繋がってるらしい。高価な魔法道具を買う金は、そこからの援助じゃないかと睨んでるんだ」

「…!?」

 エルは驚いた。なぜなら、その紙に書かれている名前が、衝撃的だったからである。


「目的は…何なんだ?」

「分からない。ただ、良からぬことを企んでていることは明らかだよ」

 いつにも増して真剣な表情のマーリン。

「十分、気を付けてくれ」

「…ああ」

 事件が、起ころうとしていた。


前回の反動で今回は短めです。

ここから物語が加速していきます!


(2017/08/08 改修)

大きな修正はありません。

やっぱりここも短いかな…?

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