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Dark moon  作者: chocolatier
新しい仲間
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「たっだいま!!」


拠点に帰った小野寺は上機嫌でソファにダイブしようとする。

それを、青年を抱えたままの真田が首根っこを掴んで止める。


「まずは、返り血を落としてください」

「はぁい」


とぼとぼ小野寺はシャワールームへ脚を向ける。

まるで、外遊びした子と親みたいなやり取りだが、汚れの内容があまりに物騒だ。


「で、上手くいったか?」

「小野寺先生が投げたせいで失神してますが、無傷です」

「そりゃ良かった」


桑野と言葉を交わしながら、ラルムをそっとソファに下ろす。

「ん―」と小さく唸ったが、まだ起きる気配はない。


「資料より幼く見えるなぁ、こう寝てると」


ちょいちょい、と彼の顔にかかった髪を整えながら桑野が小さく笑う。


「確かに、そうですね」

「可哀想になぁ」


この若さでハッカーなぞしている事か。

裏に目を付けられたことか。

其れとも此処で働く事か。

恐らくその全てだろう。


この世界は不条理だらけだ。


真田は僅かに眼を伏せてシャワー室に脚を向けた。

自分の汚れを落とすのはもちろんだが、小野寺の世話をしないといけない。



エレベーターが着いて、月島が顔を出した。


「片づけてきたぞ」


土産に、と情報が入ったUSBを左手で摘まんでいる。

小野寺と真田とは別の任務を任せていたが、上手く片付いたのだろう。


「さんきゅ」


受け取った桑野が笑う。


「なんだ、小野寺たちも帰ったのか」


月島はソファの上のラルムを見やる。


「ついさっきな」

「そうか」


今、シャワーだよ、と桑野は風呂場を指す。


「それより、紺ちゃんどうした?」

「今日は、満月だからな。もう直ぐ来る」

「ああ、そうか」


桑野は、ラルムを見た時と同じように、笑った。


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