28 いざ、死地へ
手伝うとは言った。
言ったけども。
「ちょっと急すぎるんじゃねえ?」
「早いに越したことは無い。
村の者の中から討伐隊を組んである。
今招集をかけた。来たらすぐにでも行くぞ」
了承したら即行動とは。
俺は別に構わないんだが……
「も、もう行くなんて……
さ、さっきの怖いのがいっぱい…………」
連れが混乱&恐怖してるんだよ。
そりゃあそうだ。それに、討伐隊? の奴らだって今すぐには無理なんじゃ……
「待ちくたびれましたよガルーダさん」
「<決め手>が現れるまで行けないとか言って止めるんですから」
「その人たちが<決め手>ってやつですかい?」
「ああ、最上位職種<暗殺者>と魔術士だ」
おー! とかすげー! とか盛り上がってるけど
討伐隊って、え? この屈強なおっさん3人だけ?
「よ、よろしくお願いします……」
「ん? おお嬢ちゃん魔術士なのか?
小せえのにすごいなあ!
頼りにしてるぜ!」
「暗殺者のあんちゃんもな!」
「あ、ああ……
おいガルーダ、討伐隊って……こんだけか……?」
「ああそうだ。志願者のみを連れて行くからな。
こいつらは、家族をシオンにされた者達だ。
行かせてやれ」
リリィの表情が暗くなるが、すぐに元に戻る。
自分の境遇と重ねちまったか。
落ち込んではないみたいだな。
成長するのは良いことだ。
「わかったよ。
それで、シオンへの対処法ってのはあんのか?」
「最も有効なのは火炎魔法だ。
首を切り離すのも有効だ。
奴らも脳を介して肉体に命令を出しているからな。
少し丈夫な人間と一緒だ」
人間を何だと思ってんだ……
1回シオンを見た身としては複雑だぞ。
「ユウタ、貴様は魔法が使えないだろう」
「ああ、まだ使えない。"まだ"!」
「ゆ、ユウタさん……」
うるせえ。希望はいくら持ってもいいだろ。
お前らにはわかんねえだろうな、この気持ちが。
というか何でわかった。
ああ、俺有名人なんだっけ。いろんな意味で。
「それで貴様、どうやって戦うつもりだ」
「俺はこれで十分だ。
なんせ<暗殺者>だからな」
納得したらしく、笑みを浮かべて頷くガルーダ。
次にリリィを数秒見て、また微笑んだ。
「そちらの女も大丈夫そうだ。
魔力は並だが、魔法痕は多岐に渡っている。
多種多様な魔法を使えるようだな。
名は何という?」
「り、リリィ・マクマインです!」
「リリィか。
ふむ。戦力は把握した
行くぞ」
外に出る。真っ赤な柵は今も淡く光っている。
ガルーダが何か呟くと、柵の一部が消え、中に入れるようになった。
「や、やっぱり怖い……」
「この戦力だ、問題あるまい」
「ああ。魔導師と暗殺者がいるんだ。安心しろよ」
シオン攻略戦、開始。
こんにちは
小夜寝草多と申します。
急展開お許しください。
はやる気持ちが抑えられず……
今回の敵は、ちょっと倒すのがはばかられる経緯の敵です。
あの村は大昔から<死者のカゴ>なんて呼ばれてたんですかね。シオンが現れる前はいったいどうして……?
設定としてはあるのですが、本編で語られるかどうかは微妙なところでございます。
ご容赦ください。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




