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ねこの思い出8「隣の松は白い」

作者: 西宮尚

18歳8ヶ月で逝ってしまったねこの思い出をつづります。

そのねこは、最高にかわいい容姿と最悪な性格をしていました。


うちの前の土地は、バブル期に買い占められて、長い間空き地になっていた。

そこは、ねこの格好の遊び場だった。

よく鳥が来て、それを狙うハンターねこの姿が見られた。


一度、ねこは、そこでオナガのひなを獲ってきた。

オナガは、見た目はかわいいが、鳴き声は耳をつんざく「ギャーッ」というものだ。

ひながギャーッっと鳴き、それを心配する親鳥がギャーッ、ギャーッっと空を飛んでいる。

それは、地獄のようなサウンドだった。

ねこをつかまえて、くわえたひなを放すまで、それは続いた。


私たちの家族は、ねこの獲ってきたものを穏便に、元に返すようにしている。

雀のひなを獲ってきた時は、私が独り立ちするまで育ててから放した。

他にもバッタやかまきりなどの虫もいろいろいて、その空き地には小さな自然があった。


その空き地に、家が建つことになった。

それは残念なことであった。しかし、その家の前に松の木を植えたことで状況が変わった。

その松の木は、直径20センチぐらいの幹が斜めになっている。

それは、品の良い盆栽を大きくしたようなものであった。

それを見て、近くにいって確かめて、確信した。

あの高そうな松は、絶対にねこの爪とぎになる!

どこをどう見ても、ねこが爪とぎに良い幹の太さと傾斜があった。


松が植えられて一週間。

松の一部分の幹が確実に白くなってきていた。

そこは、ねこが後ろ足で立って、ちょうど手があたる部分であった。

その松の白い部分は、徐々に増えていった。

セレブそうなその家の家族は、私たちに何の苦情も言わなかった。


-(n.n)-

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