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第1章 6

 蒼が女性たちを振り切るのを待ち、案内して貰うことにした。暫く経って抜けてきた蒼の顔には明らかな疲労が浮かんでいる。

「油断すると囲まれるから気を付けろって卒業式の時に言ったよ?」

「そうなんだけどさ…」

歯切れが悪い。高校の時に私によく叱られたことを思い出しているのだろう。

「いや、でも茉子と蕾ちゃんが来てくれて本当助かったわ」

「代わりに今度デートしようとか言われたでしょう、返事曖昧にしてないでしょうね」

「うっ…」

やっぱり。そんなやりとりを見ていた蕾が口を開いた。

「蒼さん、これからどこ行くんですか?」

「うん?行ってからのお楽しみ」

蒼は教えることが好きだから、質問に答えるのも、案内役も好きなのだろう。蕾の質問に一つ一つ丁寧に答えてくれているし、着実に目的地に近づいているようだ。

 蕾の相手を蒼に任せ、メールを確認すると、大庭から十時前に「起きたよー」と届いていたことに気が付いた。私が心配していたことが伝わっていたらしく、一行空けて「心配かけてごめん」と打たれていた。蒼と蕾の写真を後ろから撮り、「嘉永に来てるよ」というメッセージに添付して送ったところ、丁度移動時間らしく、すぐに返信が来た。「嘉永デート?(笑)てかこれ茉子ちゃんじゃないよね」私と蕾はよく似ている。後ろ姿だし、見分けがつかないかと思ったら見破ることが出来たようだ。素直に感心してメール画面を閉じ、立ち止まって私を待つ蒼と蕾の下へ駆けて行った。


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