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第3章 5
放課後、荷物を整理していると、茉子が近付いてきた。
「蒼、今日は部活?」
「いや、今日はオフ」
俺が所属する陸上部では、先週末に大会があったばかりで、今はオフ期間だ。
「じゃあ一緒に帰ろう」
茉子は片付けている俺の周りをぐるぐる回っている。
「律子、この回遊魚みたいなやつどうにかして。俺の目が回る」
斜め前で日直日誌を書いている律子に声を掛ける。
「うーん、無理」
振り返りもせずにそう答えられた。
「蒼もりっちゃんもひどい」
「律子、今日は?」
むくれている茉子は無視して律子に尋ねる。
「私は今日は練習ー。コンクール近いからね」
「大変だな、頑張れ」
「有難う、また明日」
俺と茉子はその日、教室を後にした。




