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第3章 2
俺はテレビをあまり見ないからよく知らないが、ナントカという俳優だかモデルだかに似ているらしい。中学の時、塾の最寄駅で間違えられて追い掛け回され、よい迷惑だった。それからというものの、黄色い声を上げるタイプの女子は苦手だし、他の男子も俺なんかとは一緒にいたくないのだろう、高校に入ってから「友だち」はいなかった。
そんな中で、初前さんはあれから俺によく話しかけてくる。今日も廊下でジュースを飲んでいた俺を見付け話しかけてきた。
「安川くん、次教室移動だよ」
「え、マジか、有難う。どこだっけ?」
「また聞いてなかったの? パソコン室だよ」
ジュースのパックを分別しながらゴミ箱に入れる。その間彼女は、俺の手元をじっと見ていた。




