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第1章 3

 私は土曜日には授業は入れない主義だ。

私の大学は、文学部の一年生の必修授業が土曜日に入ってくる。本当は文学部に入りたかったけれども、結果的には教育学部で良かったのだろう。文学部の専攻分けは二年生だし、教育学部で一年生の時から国文学をばりばり勉強出来て私は満足だ。

 何はともあれ、私は久々の休日を満喫していた。満喫といっても家でのんびり過ごしているだけだったが。

先週の土曜日は秋葉原の店舗に応援に行き、丸一日潰してしまったのだ。秋葉原の店舗は新人が多く、よくあれだけの客を捌いているな、という状況だった。それに疲れ果て、日曜日も半日寝て過ごしてしまい、先週の週末は殆どないも同然だったのだ。

 明日は従妹が静岡からやって来る。今年大学受験の彼女は、東京に出てくるなら我が家に下宿して大学に通おうと考えている。今回の上京は「自転車で一時間なら良いけど電車で一時間は嫌だ」という私には理解出来ない論理の下で通学時間とその体感時間を検証するためらしい。そして私は明日、彼女の検証に付き合って大学巡りをすることになっている。

 従妹から私が使っていた日本史のテキストや問題集が残っていたら欲しいと言われ、ロフトから探す。奇跡的に塾で使っていたものが残っていた。中世史のテキストの表紙に先生からのメッセージが書かれていて懐かしさに目を細めていると、メールの通知音が鳴った。「これからゼミ飲みだよー徹夜(笑)」こんなメールをよこすのは勿論大庭だ。なぜゼミ飲みで徹夜になるのか分からないし、そもそもなぜ私にわざわざ知らせて来るのか不明だ。


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