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第2章 18

 朝比奈の姿を見て、我ながら傑作だと思った。今日のバイト前に百円ショップに寄った甲斐があるというものだ。

「えーそれでは、乾杯の発声を、アルバイトリーダーの茉子さんにお願いしたいと思います、茉子さん宜しくお願いします!」

茉子ちゃんは完全に油断していて呆けていたから、慌てて立ち上がった。危ない…と思った時には既に遅し、グラスを倒してしまった。

「あぁっ。何やってるの、もーう」

雑巾を借りるために店員を呼ぶ。

「どうぞ」

聞き慣れた声に顔を確認すると、蒼だった。机の上の浸水に気を取られている茉子ちゃんは気付いている様子はない。

 取りあえずその場をしのげる程度に片付け、茉子ちゃんが挨拶をする。乾杯の後に何事か、茉子ちゃんが店員を呼び付け、蒼が対応しに来た。ちょっと驚いたような、でもほっとしたような表情をする。何を言っているのか聞こえないが、甘えているようにも見える。黒岩に何か言われた時とは違った気分の降下。目を逸らし、目の前のグラスを呷った。

「茉子、酒入ると余計そそっかしくなるから見張っといて」

俺の横を通る時に蒼が耳打ちをして去っていく。その言葉も面白くなくて、日本酒を頼んだ。

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