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第2章 15

 いつも隣駅まで歩いている俺と茉子ちゃんは、渋谷までも歩いて行くことに暗黙で合意した。恐らく普段の距離と変わらないだろうが、一応調べてみると徒歩で二十五分ほどらしい。先ほどの俺の機嫌が悪かったからだろう、茉子ちゃんは落ち着かない様子で隣を歩いていたが、いつも通りに話していたら安心したようだ。

「布団は敷くか、引くか」

「それは敷くですね」

今日は言語学か。

「≪し≫と≪ひ≫が音韻学的に近いんだよね、だから混同されるんだっけ?」

「そうそう」

「俺日本語学やったの、去年だからあんまり覚えてない」

「私も去年だよ。興味ないからほぼ忘れた。勿体ないわー」

と言いながらも、同じような事例を次々と並べてくる。忘れたなんて嘘じゃないか。茉子ちゃんが目を輝かせて話すのを、俺は相槌を打ちながら眺めていた。

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