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第2章 7

 傘を壊した茉子ちゃんを、俺の傘に入れてやる。ビニール傘に二人入ろうとしているのだから、かなり無理がある。茉子ちゃんの肩が俺の胸に当たり、雨で濡れているせいか、シャンプーの香りが微かにしてくる。事務室から何となく気まずくて、お互い何も話さない。退屈になった俺はふと横を見る。ビルのガラスに歩く俺らの姿がぼやけて映っていて、何も知らない人から見たら恋人同士なんだろうな、と思った。何も話さないことすらも、恋人同士ならば充実している証拠になるのだろう。現実は全く違う、不安定な関係だから話したいのに。

「大庭?」

いつも帰り道は俺がずっと喋っているのに今日は殆ど話さないから変だと思ったのだろう、茉子ちゃんが突然振り返った。傘を持つ俺の手に茉子ちゃんの顔が当たる。

「あ、ごめん…」

どちらからともなくそう呟き、余計気まずい雰囲気になってしまった。

 結局、その日の帰りはお互い殆ど話さずに駅に着いて、そのまま別れた。別れた後に茉子ちゃんを窺ったけれど、既に姿が見えなくなっていた。


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