第1章 18
時間になり、忍くんが締めた。鞄を大庭が持ったままであることに気が付き、引き取ろうと大庭の隣に置かれている鞄に手を伸ばすと、そのまま手首を掴まれた。
「こら、大庭。離して、てか取りあえず外出なさい」
「お客様、早く外に出て下さい…まぁこの後ここ使う人いないんだけどね」
アルバイトが終わったのか、私服の蒼が現れた。
「じゃあ茉子ちゃんあと少し飲んでからかえろー」
「嫌だよ、明日一限あるもん、大体大庭も一限でしょう」
「興二、帰るよ、ほら」
蒼が大庭を立たせ、大庭を私と蒼で挟んでエレベーターホールに向かう。下に行くと、まだ何人か残っており、蒼を見て頭に「?」が飛び交っているのが分かる。
「大庭さん、店員さんにまで迷惑掛けちゃ駄目ですよ」
忍くんが言う。
「あぁ、この人大庭の大学の友達だし、私の高校の友達でもあるから大丈夫」
と皆に説明すると驚きながらも、会釈をした蒼に納得したようだ。
「茉子、興二どうすれば良い?」
「このまま一人で帰らせるとろくなことが起きないから、暫くここらへんで落ち着かせてから帰らせる」
「俺、そんなに酔ってるように見えるの?」
「「うん」」




