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東の方の眠らない日常  作者: 火河雪斗
第一章 我々が恋した幻想郷
9/15

夜の終わらぬ人の里

久しぶりの投稿でヽ('ω')ノ三ヽ('ω')ノもうしわけねぇもうしわけねぇ


これの次の話はほとんどできてるので、頑張って来週にはあげられるといいのにな~。

 朝起きると、夜だった。夜が明けないのか、太陽が昇らないのか。人々にそれを知る術はなく、ただ博麗の巫女がどうにかしてくれることを願うことしか出来なかった。のちに『永夜異変』と呼ばれることになる、月の異変のときの話である。






 晴嵐は最近、体調に気を使って早寝早起き朝ごはんを心がけていた。特に体が弱いわけでもないのに何ヶ月も体調を崩し続けていたのは、やはり治る前から無理をして行動していたせいである。まずは無理せずのんびりと療養し、風邪を完治させることを優先した。風邪気味なのにPCの前に居座っていたりすると、なかなか治らないものである。

 治ってからも重要だ。治ったからといって不健康な生活を続けていれば、またいつか風邪を引いてしまう未来が丸見えである。普段から健康に気を使い、規則正しい生活をするのは人間の生活の基本である。本当は健康でいたいのではなく、少しでも調子が悪くなったときに「大事を取って」休む口実を作りたかっただけなのだが。


 そんなある日。その前日も特に問題なく就寝し、明日も健康で有意義に無意味な一日を送ろうなどと考えていた。そして何事もなく起床したのであるが、何事もなかったのは寝ていた本人だけで、家の外は(主に空)とある問題が起こっていた。真っ暗だったのである。普段なら燦々と朝日が降り注ぐ素敵な朝がやってくるはずである。たとえ雨や曇りなどだったとしても、太陽の光は雲を貫くのでそれなりに明るいはずである。月が輝いているので、太陽が消滅したわけではないだろうが、一目見るだけで異変と理解できるはずのそれだった。しかし、晴嵐は異変だということをすぐには理解できなかった。なぜならば。


「ああ、早く起きすぎたか。二度寝しよう」


 また寝てしまったからである。ちなみに、人里の人間は十割の割合で二度寝していた。幻想郷は実にのんきである。


 晴嵐を含む里中の人間が再びの起床を迎えた時、人々は夜が終わらぬことを悟った。






 夜、といっても、今はずっと夜である。すっかり目も覚め、既に昼飯も頂戴してしまった頃合いではあるが、空は暗く、夜である。一応仕事をしている人たちもいるが、万が一のために家で待機している人もいる。特に万が一というわけではないが、晴嵐は家でごろごろしていた。休日気分である。紅魔館へ行ってレミリアと会話でも楽しもうか、それとも白玉楼へ行って幽々子のわがままに付き合ってみるか。はたまた博麗神社へ行って霊夢とのんびりするか。いやしかし、異変が起こっているのだから霊夢は出かけているか。と、既に自宅待機でもなんでもない予定を立てていると、ガラガラと玄関が開く音が聞こえた。面倒なので晴嵐は出迎えには行かない。それが晴嵐スティーロである。


「晴嵐。お客さんよ」


 しかしその決心はすぐに崩れ去った。本当はものすごく面倒なのだが、自分への客とあらば出ないわけにはいかない。母親に呼ばれ、のそのそと自室から這い出て玄関へむかうと、そこには恩師が立っていた。寺子屋で教師をしている、上白沢慧音先生である。晴嵐も、昔は慧音の寺子屋で勉強をしたものだった。


「慧音先生。どうかされましたか」


 用事はきっとこの終わらない夜のことなのだろうと思いつつも、順序として尋ねる。


「聞くまでもなくどうかしているだろう。夜が終わらない。これは異変だ」

「そうですね。今頃霊夢は動いているかな」

「お前も出なくていいのか」

「僕は妖怪退治屋で、異変解決屋ではないので。それに霊夢がいますし、それにあの白黒も出るだろうし、特に問題ないでしょう」

「しかし、もしかすると、この異変は人間には解決できないかもしれない」


 そういうと慧音は、玄関脇に置いてある腰掛けに座った。家の人間でありながら上がるよう勧めなかった晴嵐に落ち度があるとはいえ、勝手に座るのは教師として礼を失しているのではないかとも考えつつ、それを慧音に指摘する勇気はないので自分も隣に座った。


「人間には、ということは、先生はなにか感じたんですか」

「夜が終わらないだけじゃない。月がおかしいんだ」

「月?」


 外を覗くと、綺麗な満月が登っていた。


「特に問題ないように見えますが」

「晴嵐、忘れたのか。私が満月の晩だというのに人の姿でここまで来たんだぞ」

「あ」


 上白沢慧音は人間ではない。厳密にいえば、半分しか人間ではない。彼女は半人半獣のワーハクタクである。満月の夜になると人間の姿からハクタクの姿へと変貌する。しかし、今晴嵐の目の前にいるのは普通の人間の女性だった(かわいい)。


「本当は今日は満月のはずなんだ。私は満月と月経のための暦をきちんと作っている。間違いはないはずだ」

「月経と並べないでください。つまりあれですか。なにかに、もしくは誰かによって偽物の月が空へ打ち上げられていると」

「ああ。そう考えて間違いないだろう。今日の満月は月経と重なっていて辛いんだ」

「月経はいいですから」


 偽物の月を打ち上げるなどとは言ったものの、実際に具体的にそんなことが出来るとは思えないので、おそらく幻術の類だろう。紫なら出来そうだが、紫が月を偽る理由があるのかどうかが謎だった。


「で、なんでうちにきたんです」


 単純明快至極当然の疑問のように思えるが、そもそも人里にも関係する異変なのだから、本来晴嵐はさっさと出動している時間である。叱られても反論できない。

 ただし、慧音は割と晴嵐に甘いのです。


「私が変身出来ない程度の魔力だ。大したことはないと思うが、念のため里の警備を強化しようと思っている。お前も一緒に里を回ってくれ」

「えー。妹紅さんにでも頼めばいいじゃないですか」

「この暗い中竹林まで行けというのか。私は嫌だ」

「今は人間ですけど大丈夫なんですか。変身できなければ人間のままでしょう」

「人間の姿でもそれなりに戦える自身はあるぞ」

「生理来てるんでしょ。体調悪くないんですか」

「いや別に生理なんて来てないが」

「経血をまき散らしながら戦ったりしないでくださいね」

「それ以上言ったら殴るぞ」


 慧音に殴られたあと、晴嵐は考えた。本当にまずい異変ならば、あの紫が出てこないわけがない。紫が出てくれば異変は解決されたも同然だから、この異変がそこまで長引くものではないと容易に想像ができる。だが危険性が低いからという理由ではこの教師は納得しないように思えたし、そもそも断ってしまうと後が少し怖い(意外と執念深い性格なのだ)。とりあえず形としては協力しておいて、適当にやろう。そう決めた。


「分かりました。ちょっと準備してくるので待っててください」

「おお、来てくれるか。助かる!」


 満面の笑みを浮かべる慧音を見ていると、晴嵐も少しぐらいは頑張ろうという気持ちになる。これでも慧音のことは大好きなのである。奥へと引っ込んでいく晴嵐を見届けた慧音は、満足そうに、しかし不安そうに月を見上げた。夜はまだ終わらない。






 晴嵐の約束を取り付けた慧音は、外で考え事をしていた。里の人達への影響を少しでも減らせないかと策を練っていた。僅かな魔力に興奮して襲ってくるような雑魚妖怪なら、単純なめくらましで良いかもしれない。慧音の歴史を食べる程度の能力をもってすれば、人里の存在を認知させないことぐらいなら可能だった。慧音は里の歴史を食べて、里の存在を隠すことにした。


「先生?」


 晴嵐が支度を終えて出てきたようなので、慧音はここに人里があったという歴史を食べた。


「とりあえず支度出来たので向かいましょうか」

「うん。すまないな」

「……あれ、食べちゃったんですか」


 家を出たら、自分の里が消えていた。当然慧音を疑う。


「ああ、念の為にな」

「まぁ大妖怪にはほとんど無意味でしょうけど、雑魚どもは気づけないでしょうね」

「誰が大妖怪よ。私は悪魔よ」

「誰が……え?」


 突如として会話に割り込んできた図々しい肝っ玉をお持ちの誰かさんの方を振り向けば、それは紅魔のお嬢様レミリア・スカーレットと、瀟洒な掃除婦十六夜咲夜であった。


「レミリアさんに咲夜ちゃん。どうしてこんなところに?」

「夜を終わらせようとね」

「あれ、せっかくの吸血鬼には最適な環境なのに?」

「月がおかしいから最適じゃないわよ。私は本物の綺麗な満月が見たいの」

「月が綺麗ですね」

「こんな汚い月の日に言われても全然嬉しくないわ」


 どうやら吸血鬼にとってもこの満月はあまり喜ばしいものではないようだ。レミリアは不機嫌そうに腕を組んでいる。そこから三歩さがったところでちょこんと咲夜が立っている。咲夜は人間なだけあって、月の異変にピンときていないらしく、少し眉がハの字になっている。レミリアのわがままに呆れているのだろうか。今回の事に関してはレミリアの思うことが正しかったようだが。


「晴嵐、知り合いか?」

「ええ。先生。こちら、紅魔館のレミリア・スカーレットさんです」

「ああ、あなたが。そういえばそちらのメイドは見かけたことがあるな」

「どうも。ご紹介に預かりましたレミリア・スカーレットよ。咲夜」

「十六夜咲夜でございます」

「はじめまして。里で教師などをしております、上白沢慧音です」


 意外なことに、里によく来ているはずの咲夜と話すのも初めてだったようだ。意外だとは思ったが、慧音も色々と忙しい。教師だけではなく、役員をいくつか兼役していることもあるし、知り合いも多いので一人でいるところをあまり見ない。一人でいる時も寺子屋の子どもたちの為に教材を作っていたりするので、自分の時間というものをあまり持っていないようだ。


「意外と焦ったりはしていないのね」

「この夜のことですか」

「ええ。晴嵐は結構不測の事態に弱いから」

「いきなり落とし穴に落とされたときのことを言ってるんですか? そりゃ弱いですよ」

「あのときの晴嵐はなかなか可愛かったわよ」

「男に可愛いは褒め言葉になりませんよ」

「普段一体どういう付き合いをしているんだ……」


 どうやら慧音に余計な心配をさせてしまったようだが、晴嵐とレミリアは普通に悪友である。悪友が普通なのかは別として。


「で、二人はなにをやってるの? こんな夜に。こんなところで。もしかしてこれから行為が始まる感じだった? だったらごめんなさいね」

「な、なにを」

「あーはいはい。違いますよ。里の見回りです」


 慧音の苦手そうな話題だったので、適当にフォローする。晴嵐はふざけているが真面目である。慧音は真面目に真面目である。


「その里が妙なことになってるみたいだけど」

「そこらへんの妖怪に襲われないように、慧音先生が隠したんですよ」

「ふうん。まぁなんでもいいわ。なんか知らない? 月をこんなにした犯人とか」


 そんなものを知っているなら自分で解決に行っているだろう。そう思った晴嵐だったが、慧音の口から飛び出したのは予想外の言葉だった。


「知らないでもないですが」

「え、先生、犯人の目星ついてるんですか」

「本当にそいつがやったのかは分からないが、出来そうなやつなら知ってる」

「じゃあなぜ自分で行かないんですか」

「私じゃどうしようも出来ないからだ。戦っても勝てる見込みはないし。怖いし。晴嵐でも無理じゃないか。弾幕ごっこ、やらないんだろう」

「弾幕ごっこじゃないと勝てませんか。なら霊夢や白黒に任せるか……」


 晴嵐はちらりとレミリアの方を見る。私もいるわよと言わんばかりの自慢気な表情である。


「レミリアさんとかに頼むのがいいですかね」

「あら、私? まぁ私なら余裕でしょうけど」

「ううむ、確かにあなたなら私よりかは圧倒的に信頼できそうですが、月の無い吸血鬼ではもしかしたら……」

「あら、失礼ね。夜の王に向かって。一晩で片をつけてくるわ」

「ずっと夜なんだから誰がやっても一晩になるでしょうに」

「あら、晴嵐、なにか言ったかしら」

「レミリアさんは美しいなと」

「そうでしょう。美しく解決してくるわ」


 慧音は、目の前で調子に乗っている吸血鬼を見て果てしなく不安になったが、晴嵐の顔色を伺うと平気そうだったので渋々頼むことにした。妖怪は人の想像に依る。一般的に傲慢なイメージの濃い吸血鬼、それに沿った行動を取っているレミリアは現在進行形でどんどん力を増していたりするのだが、それに気づけるのは賢者くらいのものだろう。晴嵐は賢者ではないが。これはただの信頼である。仲良しには甘々なのが晴嵐である。


 飛び立つ悪魔とメイドを見送り、慧音はため息をついた。


「大丈夫なのか。吸血鬼とはいえ、子どもにあんなことを頼んでしまって」

「そこらへんの大人よりは強いですから大丈夫でしょう」

「晴嵐がそこまで言うなら信じるが。とにかく、私たちは里を回ろう。私は西の方を見てくるから、晴嵐は東のほうを頼む」

「分かりました」


 雑魚妖怪たちは、圧倒的に強い相手の前には立たない。魔力とか妖力とか、気配とかで察して逃げてしまう。先ほどレミリアがここにいたので、少しの間はここに雑魚たちは寄ってこないはずだ。一応限界の範囲を索敵しつつ、里の治安を守るために見回ることにした。結局いつもの仕事である。


「そうだ。面倒だし、この間仲良くなった妖怪ちゃんにでも手伝ってもらおう」


 ちょうど、里の付近に居を構えている知り合いの妖怪がいたので、その妖怪に手伝ってもらおうという考えだった。少々浅い考えではあったが、そのときの晴嵐には妙案に思えた。実際のところ、結果としては妙案であった。


 晴嵐は暗い空へと飛び立った。目指すは里の近くにある川である。夜はまだ終わらない。






 里の北東に位置する、背の高い草むらの地域。そこには小川が流れていた。澄んだ透明感のある水で、天気の良い日などは里の子どもが遊びに来ることもあった。今日も天気は良いが、いかんせん真っ暗である。小川の周辺には明かりもないので、月明かりを頼りに進むことになる。ほんの少し小川を辿って行くと、無数の小さな光が水上を飛び回っている様子が見えた。蛍である。幻想郷では、年々蛍の数が増えている。恐らく、外の世界で数が減り始めた蛍が幻想郷へとやってきているのだろう、とは魔法の森に住む道具屋の言である。


 晴嵐はその蛍の群れを目指していた。知り合いの少女は、蛍と仲が良い。というか蛍である。小さな光が飛び交う中、彼女の姿がちらちらと映し出されていた。蛍と戯れている様子だったが、特に気にせず近寄って声を掛けた。


「リグル」

「あ、晴嵐。どうしたの、こんなときに」

「ちょっとお前に用があってな」

「そうなの。あ、残念だったね。もうちょっと早く来てれば私の水浴び姿見れたかもしれないのに」


 彼女はそう言っていたずらっぽく舌を出した。どう見ても水浴び後の姿には見えなかったので、恐らく嘘をついたのだろう。


 蛍の妖怪、リグル・ナイトバグ。正直、特別強力な妖怪ではない。しかし彼女には唯一無二の利便性を持ち、ある意味で最強の能力があった。蟲を操る程度の能力。虫嫌いの人からすれば最強のその能力は、使いようによっては攻撃にも防御にも索敵にも使えるとても便利な能力だった。リグル自身はそこまで頭が良いわけでもないので使いこなせていないようだが。


「アホな妖怪が里に攻撃を仕掛けてこないか心配でな。お前の虫を使ってちょっと見回りを手伝って欲しいんだ」

「ええー、面倒くさいよ」

「なにか欲しい物とかないのか」

「物で釣るの? そうだねえ。紅魔館クッキーとか」

「分かった。まぁ好きなだけ買ってきてやるから協力してくれ」

「しょーがないなー。そんなに言うなら」


 晴嵐に向かってぱちぱちと謎のアイコンタクトをしたあと、その場に屈みこんで何か話しているようだった。晴嵐には分からなかったが、それは虫語とでも呼ばれるべきものだったのかもしれない。もしくは単に声が小さくて聞き取れなかっただけかもしれない。

 リグルが立ち上がると、そこら中からたくさんの虫が飛び立った。すぐに霧散してしまったが、大量の虫がブブブと羽音を立てながら固まって飛んでいる様子は一見の価値ありである。苦手な人なら卒倒しそうだ。


「お願いしておいたよ。これで弱い妖怪なら近づけないはず」

「虫がいるだけで近づけないのか?」

「虫には色んな生きる知恵があるのよ。秘密だけどね。バレたら致命的な子もいるから」

「別に聞かないよ」

「そう。じゃ、クッキー楽しみにしてるね」


 リグルは妙に晴嵐に対して従順である。それは晴嵐自身も不思議に感じていたことだった。初対面から妙に下手に出てくるし、なぜかものすごく協力的だし、どうにかして晴嵐に気に入られようとしていた。それは別に晴嵐に一目惚れしたとかそういったことではなく、きっと晴嵐が幼少時に、他の子どもから虫をかばってあげたのが理由かもしれない。晴嵐自身は覚えてもいないし、そもそもかわいそうだからかばったのではなく蜂をいじめようとした無謀な同級生をたしなめただけの事だったが。しかしこの便利な蛍少女と仲良くなっておくのは、晴嵐から見ればメリットしかなかった。


 しばらく雑談などをしていたが、なんか眠くなったと言ってリグルは去ってしまった。一人になった晴嵐はあたりを見回してみる。蛍は変わらずピカピカと光り続けている。蛍が光るのは求愛行動らしい。うまいことパートナーを見つけられるように適当に祈った後、晴嵐も里に戻ることにした。まだ夜は終わらない。






 里に戻った晴嵐が最初に見たのは、目にいっぱい涙を溜めてこちらへと向かってくる寺子屋教師の顔だった。


「どこ行ってたんだ! 心配したんだぞ!」

「えー、そんなに時間かかってないでしょう」

「時間とかじゃなーい!」


 晴嵐にはだだをこねる子どもにしか見えなかったが、慧音の勢いはとんでもないものだったので軽口は叩けなかった。慧音は普段は落ち着いているし仕事もたくさんこなすし実際中身も大人なのだが、見た目が少女なのでちょっとでも子どもっぽいことをするととても大人には見えなくなる。


「お前が里の外へふらふらと飛んでいったと八百屋のおばさんから聞いたんだ。お前はどうしていつもそうなんだ!」

「まぁまぁ。危険のあるところに行っていたわけでもないですから」

「そういう問題じゃない! お前ももう二十五だろう! もっと落ち着こうとは思わないのか」

「落ち着いてるつもりですけどねぇ」

「どこがだ! 何も言わずにふらっと出て行って一晩帰らなかったり! どこかに泊まるならそう伝えろと何度も言っているだろう!」

「別に予定があって泊まりに行ってるわけでもないですし」

「心配するだろう!」

「あなたは僕のお母さんですか」

「お前……お前に何かあったら私はどうすればいいんだ!」

「気負いすぎですって。分かりました。泣かないでくださいよ。今度から気をつけますから」


 晴嵐には、慧音が切羽詰まっている理由も理解できるので、余計に涙には弱かった。ほとんど生まれた時からの付き合いである。それは大抵の村人がそうであったが。


「次やったら怒るからな! 気をつけるんだぞ! 絶対だぞ!」

「はいはい」

「分かっているのか!?」


 既に怒り心頭な気もした。カッカする慧音をなだめると、再び見回りに戻った。リグルにも協力を依頼しているし、特に問題は起こりそうにもなかったが、念のためである。慧音を安心させる必要もあった。


 暗い中でも小さく活気づく里のメインストリートは、なんだかんだ言って人が増えてきた。暗いという事実に皆が慣れ始めているのだろう。しかしその、人が行き交う様子を確認できる妖怪たちは少ない。外から見れば、里は無かったことになっているのである。なにもないのに気配を感じる不思議な空間に、近くを通りがかった妖怪は首を傾げた。夜はまだ終わらない。

永夜異変の導入です。永夜異変が始まったねーというはなしと、それに対する里の対応です。ぶっちゃけ妥協しました。全然うまいこと書けない。基本的に殆どのキャラクターと絡ませるつもりでいたんですが、そのつもりで何度も書きなおしてうまく行かなかったのでみすちー出せませんでした。冷静に考えて晴嵐とみすちーが絡む事自体不自然。ルーミアとかレティとかも無理くりぶっこんだんですが……無理するのをやめることにしましたね。無理。


慧音と晴嵐は深い仲です。20年ぐらいは仲良くしてます。晴嵐はとある話のために作ったキャラなんですが、そこに慧音も割と絡んでます。また書きますね。

リグルは頭は弱いですが、本能的な部分では賢いです。晴嵐みたいな立ち位置の人に取り入っておけば自分が得をするのだと本能的に気づいています。だから割と仲は良いですが、お互い利用し合うみたいな仲です。嫌いじゃないです。そういうの。

一応晴嵐に対するサブヒロインはレミリアのつもりなので頻繁に絡ませちゃお☆と思って出してみました。最初は幽々子が来る予定でしたが展開に無理が生じたのでやめました。メインヒロインはそのうち出ます。

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