はぁー、疲れる
その日の夜、私は同僚の美奈子と居酒屋に来ていた。
仕事終わりの店は、同じように疲れた人たちでにぎわっている。
私はグラスを置いて、大きく息をついた。
「美奈子、疲れたー……」
美奈子は苦笑しながら言った。
「お疲れ様、優花」
私はテーブルに肘をつきながら言う。
「ねえ、一日中休憩ないってどう思う?」
美奈子は少し考えてから答えた。
「仕方ないよ。政府の配置基準を守るためには、ずっと子どもから目を離せないからさ」
私は小さく笑った。
「まあね……」
そしてグラスを見ながらつぶやく。
「でもさ、一日中働くのはきついよ」
少し酔いもあって、思わず言葉が出た。
「この世で一番かわいそうなのは、私たちだよ」
美奈子はすぐに首を振った。
「そんなことないよ」
「私たちより大変な人は、たくさんいるよ」
私は少し黙った。
確かにそうかもしれない。
でも——
それでも、やっぱり思う。
休憩も取れない。
人も足りない。
給料も下がる。
それなのに、現場の声はどこにも届かない。
グラスの氷が、カランと音を立てた。
私はふと、美奈子に聞いた。
「ねえ……」
「こういうのって、誰が決めてるんだろうね」
美奈子は少し考えてから答えた。
「……政治じゃない?」
その言葉を聞いたとき、
私は初めて、政治という言葉を少し近くに感じた。




