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希望
議場は静まり返っていた。
しばらくして、一人の議員がゆっくりと立ち上がった。
「分かりました。」
その声は、はっきりと議場に響いた。
「あなたの提案を、すべて許諾しましょう。」
その瞬間、議場がざわめいた。
私はその言葉を、すぐには理解できなかった。
「本当に……いいんですか?」
思わず聞き返した。
議員はうなずいた。
「子どもたちの未来のためです。」
私は胸の奥が熱くなるのを感じた。
「ありがとうございます。」
深く頭を下げた。
今まで、何度も否定されてきた。
無理だと言われた。
でも——
少しずつ、声は届いていた。
私は席に座りながら思った。
(これで……)
(保育環境が、少し良くなるかもしれない)
子どもたちの笑顔。
忙しく働く先生たち。
その姿が、頭の中に浮かんだ。
私は静かに目を閉じた。
そして思った。
「ここからが、本当のスタートだ。」




