経費を
しばらく沈黙が続いたあと、一人の議員が口を開いた。
「分かりました。」
議場の視線がその議員に集まった。
「あなたの保育環境改善案は認めましょう。」
私は思わず顔を上げた。
「ただし、財源については国債で賄うという形でどうでしょう。」
その言葉を聞いた瞬間、私は首を横に振った。
「それではダメです。」
議場がざわついた。
「それでは、これからの若者たちが苦しくなるだけです。」
議員は腕を組んだ。
「では、どうすればいいのですか?」
私は答えた。
「不当な支出をゼロにすればいいだけです。」
すぐに別の議員が言った。
「そんなものはありません。」
私は静かに言った。
「では、なぜテレビで無駄遣いのニュースが報道されるのでしょう?」
議場が少し静かになった。
「……」
私は続けた。
「あるから報道されるんです。」
「それをゼロにすれば、お金は必ず出てきます。」
別の議員が聞いた。
「では、どうやってゼロにするのですか?」
「政治家の経費を見直すんです。」
議場がざわついた。
「政治家は十分な給料をもらっています。
だから、ある程度は賄えるはずです。」
議員が顔をしかめた。
「それは困る。交通費や接待費など、色々とかかるんです。」
私は思わず言った。
「幼稚園の先生や保育士は、安い給料の中から工作の材料費まで自分で出しているんです。」
議場が静まり返った。
「それなのに、政治家が経費を減らせないなんて……」
私は小さくため息をついた。
「情けないと思いませんか?」
沈黙が続いた




