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再会
演説が終わったあと、私はマイクを置いて深く息をついた。
まだ手が少し震えている。
人も少しずつ散っていく。
そのとき——
後ろから声が聞こえた。
「優花?」
私は振り返った。
そこに立っていたのは、美奈子だった。
「……美奈子?」
久しぶりに見る顔だった。
少し驚いた顔で、私を見ている。
「うん……政治家になるの?」
私は少し笑った。
「うん」
そして、ゆっくり答えた。
「この状況を変えたいと思う」
保育の現場。
先生たちの働き方。
子どもたちの未来。
全部、変えたい。
美奈子は少し黙ってから、笑った。
「そっか」
そして、優しく言った。
「優花なら、この状況を変えられるよ」
「頑張って」
その言葉を聞いたとき、胸が少し熱くなった。
私は小さくうなずいた。
「ありがとう」
かつて同じ幼稚園で働いていた仲間。
あの日、「もう疲れた」と言った美奈子。
でも今、彼女は私を応援してくれている。
私は改めて思った。
この道を進もう。
子どもたちの未来のために。




