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初めての演説
駅前の小さな広場。
私はマイクを握りながら、深く息を吸った。
目の前には、通りすがりの人たち。
足を止めてくれる人は、まだ少ない。
それでも私は口を開いた。
「みなさん、こんにちは!」
「齋藤優花です」
自分の声が、スピーカーから響く。
心臓が少し速くなった。
でも、私は続けた。
「みなさんは、今の幼稚園や保育園で働く人たちの環境がどうなっているか、知っていますか?」
何人かの人が、こちらを見た。
「保育士は足りません」
「休憩もなかなか取れません」
「人が足りないのに、受け入れる子どもの数は増えています」
私は少しだけ声を強くした。
「それでも先生たちは、子どもたちの笑顔のために毎日頑張っています」
頭の中に浮かぶ。
花冠をくれた、あの男の子。
「私は幼稚園の先生でした」
「現場で働いてきたからこそ、わかることがあります」
私はマイクを握りしめた。
「このままでは、先生たちがいなくなってしまう」
「そうしたら、子どもたちの未来はどうなるのでしょうか」
少しだけ間を置いて、私は言った。
「だから私は、ここに立っています」
「子どもたちの笑顔を守るために」
「保育の現場を変えるために」
「齋藤優花は、政治を変えたいと思っています」




