表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凡人旋風  作者: ばいじん
町大会編
1/2

強くなりたい

第1話 強くなりたい


春の朝。

高一のマサルは、少し重たいカバンを肩にかけながら廊下を歩いていた。


視線の先には、隣のクラスの女子――あやか。


窓際の席で友達と笑っている。

そして、時々目が合う……気がする。


それだけで、マサルの胸は少し高鳴った。


(今日こそ……)


マサルは心の中で拳を握る。


(今日こそ、告白する!)


しかしマサルは特別な人間ではない。

細身の体。筋肉も少ない。格闘経験もゼロ。


元陸上部で足が速いだけの、どこにでもいる高校生だった。


だが今日は違う。

勇気を出すと決めた日だった。



登校途中。


「おはよう、マサル」


声をかけてきたのはウタ。

小学校からの友達だ。


「おはよう…ウタ」


マサルは少し緊張した顔で言う。


「なあ今日……俺、告白する」


ウタは少し驚いた顔をした。


「告白?」


「うん。あやかに」


マサルは拳を握る。


「ずっと好きだったんだ」


ウタは少し笑った。


「へえ、いいじゃん」



昼休み。


マサルは震える足であやかの机へ向かう。


(よし……)


深呼吸。


「……あの!」


あやかが振り向く。


「俺、ずっと前から好きでした!」


教室が一瞬静かになる。


そして、あやかは少し困った顔で言った。


「ごめん」


マサルの心臓が止まる。


「私、強い人が好きなの」


その一言で、世界が止まった。



数分後。


マサルは廊下を全力で走っていた。


「うわああああああ!」


壁に頭を打ちつける。


そこへウタが来る。


「それで?」


マサルは拳を握る。


少し沈黙。


そして言った。


「……強くなる」


ウタは笑った。


「いいじゃん」


マサルは顔を上げる。


「空手やる」


「マジ?」


「うん」


拳を握る。


「絶対強くなる」



その日の放課後。


マサルは町の道場の前に立っていた。


看板には


「クマール空手道場」


扉を開く。


中から聞こえる打撃音。


バシッ

ドンッ


中央に立っていたのは

インド人の師範。


クマール先生。


元アジアチャンピオンの男だった。


「お前がマサルか」


鋭い視線。


マサルは一瞬ビビる。


だが拳を握る。


「はい!」


その横でウタも言った。


「俺も入門します」


こうして――


凡人の少年マサルの物語は始まる。


町を巻き込む


凡人旋風の始まりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ