学校入学編 ②
あれから1週間。合格報告をした時は兄様達も父様も喜んでくれた。
「それにしても大変でした。まさかオーガの上位個体を討伐するのが試験なんて」
「え?」
「え?」
「僕の時はゴーレムだったよ?それも初級クラスで作成できるレベルの」
「僕たち転移魔法で別空間に飛ばされた上上位オーガと戦わされたんだけど」
なにかおかしくない?ねぇ?もしかしてやっぱり普通じゃなかった?
「いやいやいや!上位オーガとか赤冒険者でも苦戦するんだぞ?冒険者の昇級試験ならまだしも学生にあれを当てるなんて・・・本当に入学試験か?てかそれを倒したのか?シエルが!?」
「いえ、僕だけじゃなくて周りの皆の協力もあって」
「はぁ!?さらにおかしいよ!試験を協力する!?」
やっぱり普通じゃなかったみたい。そうだよね!おかしいよね!めっちゃ強かったもんね!
「えっ?それでシエルは合格したんだろ?」
「えぇ。かなり危なかったですけどね。兄様の教えてくれた魔法のお陰ですよ」
「そうか・・・まぁ何はともあれ!合格おめでとうシエル!」
「はい!ありがとうございます!」
それから本当に忙しかった。入学の手続きは父様がしてくれていたけれど制服の仕立てから学習に必要な書籍の購入。これ結構高いのね・・・正直驚いたよ。あとは学生カードの受け取りもしなくちゃならなかった。これがまたすごい並んでて・・・ほかの学校も同じ場所で発行してるらしくてほぼ一日かけて並ぶことになったよ。
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そしてやっと入学式。初めて制服にも袖を通した。白を基調としたロングコート。腕章みたいなのをつけなきゃ行けないんだけどこれは爵位の色と共通らしい。僕は青。父様はそれなりに有力貴族だから忘れがちだけど青は下から数えた方が早いんだよね・・・貴族学校で爵位が低いとか絶対絡まれるじゃん?既にちょっとだけ憂鬱。まぁでもトリグス兄様もいるしもしかしたらそんな厄介なことにはならないかも知れないよね!
「おい青色。邪魔だぞ」
「このお方は紫だぞぉ!青色の木っ端貴族は端っこに寄れよぉ!」
うっわぁ・・・めんどくさい。早速絡まれたんだけど?
「聞こえてんのかぁ!?青色ぉ!」
この隣で騒いでるヤツはなんなの?言うてお前も青じゃん。
「青色、お前俺を無視するとはいい度胸じゃねぇか」
「やっちまえぇ!ブルフリートさん!」
えっ?初日から喧嘩?勘弁して欲しいんだけど・・・てかこんなやつら試験場にいたか?
「我らの母なる天神様よ!我ら人の子の望みを叶えたまえ!」
うおっとマズイ。詠唱までしてガッツリやる気じゃん・・・勘弁してよねぇ。しかもあれ神系魔法直系の詠唱でしょ?とりあえず防御かなぁ
「ハゴ・リク!」
「ゴッド・ゴルカッセ!」
アチャー・・・結構えぐめの魔法だったのねアレ。どーすんのよ?これ。校舎1部吹き飛んでるじゃん。僕のせいじゃないよ?ホントだよ?
「何事だ!何が起きた!」
先生来たよ。まぁここはビシッと
「そこの青いのが攻撃魔法を放ちました」
こいつー!やりやがった!人になする速度が尋常じゃなく早い!・・・じゃない!マズイマズイ!相手は紫!こっちは青!どんなに頑張っても俺が悪いって言われるだろこんなの!貴族階級なんてクソ喰らえだ!
「そうか。えーっと君は・・・シエルくんだね?後で教員室まで来なさい」
「はい」
初日からトラブル。兄様になんて言えばいいんだよこれ・・・
「フンッ。僕に楯突くからこうなるのだ。自分の立場をわきまえなよ?青貴族君?」
こいつホントにいつかボコす。絶対に!
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「失礼します。シエルです」
「入りなさい」
教員室に入るとさっきの先生と他に2人先生がいた・・・ん?あの人確か
「よく来たねシエルくん。私を覚えているかね?」
イガギス先生だったよな?あのオーガをしかけてきたやべぇ先生
「イガギス先生・・・ですよね?」
「よく覚えていたね」
覚えていたね。じゃねぇよ!いきなりオーガと戦わせてきた先生だぞ?忘れるかよ!
「今回の件君がやったという確証が持てない。だが君は試験の時高火力の魔法を放っている。それは私が見た。だからこそ聞きたい。君は本当に校舎内で攻撃魔法を放ったのか?」
「いえ。僕はやっていません」
「天神様に誓ってか?」
「はい」
この世界は天神様を信仰する天神教が一般的だ。世界を創造した創造神として崇められている。天神様に誓ってと言った場合嘘をついているのがもしバレたら即刻死刑も有り得るほどだ。
「なるほど。ではなぜあのようなことに?」
「声をかけられたのですが階級を見られまして」
「はぁ。やはりか」
「例年通りだな」
やっぱり毎年あるんだコレ・・・
「済まなかったね。とりあえず君の無実は証明された」
「ありがとうございます」
「この後クラスごとに別れて歓迎会を行う。自分のクラスは確認してるな?」
「はい」
「よろしい。では行きたまえ」
「失礼します」
えーっと・・・僕のクラスは〜あっちかな?
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