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王都混乱編 金メッキの勇者


「皆さんこんにちは! 勇者です!」


 そう言って民衆の前に現れたのは全身を眩いほどの金色に染めあげた……言うならば趣味の悪い貴族みたいな勇者だった。勇者と言うよりも成金と言った風貌だが……


「勇者様が来た! 勇者様が来てくれた!」

「勇者様だ!」

「「「勇者様! 勇者様!」」」


 なんという熱気……そんなに凄いのか?


「勇者様が来たって!? どこどこ!? シエルっ!どこに勇者様いるの!?」


 うわっなんだコイツ……ってマルキスかぁ。


「シエル!? 何処だよ! 勇者様どこにいるんだよォ!」

「あそこに居るだろ。校門の前」

「ホントだ! ちょっと握手してもらってくる!」


 行っちまったよ……まぁマルキスだしなぁ


「あれ!? シエル! マルキスは!? 勇者様が来たって飛び出して言ったのだけど……私も見たい! シエル知らない!?」


 えっ……ナスメアも?


「校門の前で握手会やってるよ」

「本当だ! 行ってくるわね!」

「走って怪我するなよぉー」


 そんなに人気のある奴なのか? あの成金勇者。正直僕は嫌いなのだが? 嫉妬でも妬みでもないよ? ちょっとイケメンで、チヤホヤされてて、羨ましいなとか思ってても? 別に嫉妬じゃないからね?


「いやぁ、困っちゃうねぇ皆ぁ! ほらちゃんと並んで! 皆順番にね!」

「キャー! ミラゲル様に触って貰えたわー!」


 えっなんか……あそこまで行くと流石に引くわ……うん


「さてと。皆! さっきの話は聞いたよね? あの魔族は我々人類に敵対した。しかも王都を狙って! 卑劣な作戦だ。王都のなんの罪もない人々を狙った魔族らしい。そんな魔族に容赦をする必要は無い! 今こそ我らで力を合わせて、卑劣な魔族共を根絶やしにするのだ!」

「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」


 うわっ! なんかヤベェ宗教みたいだな……てかこれ僕が捻くれてるだけ?


「あれが勇者か……ふぅん? 魔力量こそ、そこそこあるようだけど……なんて言うか魔力の練り方が雑だなぁ。魔法が泣いてるじゃないか」


 おっと兄様も僕側だったかな? というか


「魔法……ですか? 今あの勇者魔法使ってるんです?」

「あぁ。恐らくだが魅了系の魔法と精神弱体化の魔法だな。悪魔系が得意とする魔法だが……人の身で発動するのは流石勇者と言ったところか? ただ、やはり魔力の扱いになれていないのか完璧に発動しきれていない。だからある程度魔法に抵抗のある人間なら看過できるんだろうな。でもそれを自分自身のカリスマで補ってるから……あれだけの人を集められるんだろう」


 なんて言うか、ざっくり言うとヤバいやつじゃないか。あいつがもしも、人々を扇動したら……おぉ、想像するだけで恐ろしい恐ろしい。てか既にその片鱗が見え始めてるしね? 魔族討伐掲げ始めてるし。そもそも魔族討伐とか王都内にどれだけの魔族がいると思ってんだあいつ。あーそう考え始めたらあいつがアホに見えてきた。あんなのが勇者なのかぁ……ちょっと萎えるな


「あれ? シエルは行かなくてよかったのか?」

「あぁ。なんかああいうキラキラしたの苦手なんだよね」

「せっかく勇者様が来てくださっていたのに? 勿体ないわよ」

「アハハ」


 いや待てよ? そもそもあいつ、何であんなにタイミング良く来たんだ? 偶々の可能性も十分にあるとはいえタイミングがよすぎる……魔鬼を僕たちが討伐した直後に現れて人を扇動する……流石に出来すぎてないか?


「シエル……気付いたか? あいつの本性は」

「はい。兄様。勇者は……」


 恐らくこの王国に混乱を招く者だ


〜〜〜〜〜〜


(クーックックック! 人とはチョロイもんだぜ! ちょぉっと魔法をかけて洗脳してやれば自分の意のままに操れる傀儡が完成する。偶然魔物討伐の報告を王都にしに来ている時でよかったぜ! 流石に魔鬼が出た時は王都を出る準備までしておいたけども……何故か消滅もしたし、あの下らない魔族もいい仕事をしてくれた。人生チョロすぎるなぁ……これもあの悪魔を……フハハ! フハハハハハ!!!)


「さぁ! 皆さん! 私と共に人類の為に今! 立ち上がりましょう!」

「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」


(これであの憎くて憎くてしょうが無い……アイツを殺せるッ! 殺す大義名分を得たんだ! フハハハハハ!!!)

皆様こんにちは。今回よりサブタイトルがちょっとサブタイトルになりました。皆様のブクマと評価が励みになっております! 是非よろしくお願いします!

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