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学園生活夏休み編魔鬼襲撃②


 「いいか? シエル。今回の目標は練習の標的じゃない。移動もするし避けてくる。それにシエルはまだ遠征の経験もないから魔物との戦闘もほぼ経験がないだろう? だから今回は僕のサポートに徹してくれ」

 「兄様……僕は納得してません! いきなり連れてこられてまさかと思いますがアレを討伐するおつもりですか!?」

 「その通りだが?」

 「その通りだが? じゃありませんよ! あれは聖騎士が出るほどの魔物ですよ!?」

 「だったら僕の方が魔法においては優れてるのだろうな!」

 「こんな時にマジックハイにならないでください!」


 ダメだ……こうなった兄様は止まらない。でも止めないと兄様だけじゃなくここに避難している皆に被害が及ぶ可能性が……って兄様!? 何をして!?


 「シエル! 見ていたまえよ! これが僕の今出せるさいこ」

 「ちょぉっと待ってください兄様! それ僕も加わったらより強大な魔法になりますよね!」


 あっヤバ……つい引き止めるためとはいえ


 「……そうか! シエルもやる気になってくれたか!」


 違う! 違うんだよ兄様! ちょっとは周りを見てぇ!


 「そうしたら僕の魔法陣に合わせて陣を重ねてくれ! 行くよォ!」


 あぁ! もう! なるようになれ! 再度避難する時は僕と兄様で足止めはするから! するからッ! だから皆さん本当にッゴメンなさい!


 そうして兄様の発動した魔法は爆砕魔法。巨大な陣が築かれていく。丁寧に1部開けているのは僕の陣を入れやすくするためだろう……なんて器用な。


 「さぁ! シエル! シエルの思うように僕の魔法陣に自分の陣を組み込むんだ!」


 なんて無茶苦茶な……でもまぁやっぱり兄様は凄い。あの陣なら追尾と魔力増幅を加えて僕の魔力を流し込めば火力は十分出るはず。僕は兄様の後ろで背中合わせになりながら兄様の魔法陣に陣を構築していく


 「シエル……成長したんだなぁ。昔は炎魔法を使うのすら危うかったというのに」

 「これも全て兄様のおかげですよ。素晴らしい師匠が自分の兄だったんですから」

 「そう言って貰えると嬉しいね! さぁ! シエル! 僕に見せておくれよ! 君の成長した魔法を!」


 兄様の爆砕魔法の魔法陣に僕の魔法陣が重なり合う、デュオマジックが完成。僕と兄様の複合魔法陣は正しく機能した。


 「シエル! 発動に成功だ! あとは当たってくれればッ!」


 しかし聖騎士は魔鬼を討伐するために魔鬼のすぐ側で戦闘を継続している。もし仮にこのまま魔法を放てば聖騎士も巻き込むこととなるだろう。だが聖騎士に魔法を使うから離れてくださいとも言う訳には行かない。言ったところで信じても貰えないだろう。どうにか聖騎士達が離れる瞬間があれば


 「魔鬼に変化あり! 1時後退せよ!」


 絶好のタイミングだ! 何が起きたのかは分からないが聖騎士が一斉に魔鬼から離れる。このタイミングしかない!


 「兄様ッ!」

 「分かっているさ! 合わせろシエルッ!」

 「「デュオマジック! バンビ・ヤキシー!!」」


 途端星空のように輝きだす魔法陣。そこから漏れ出る光は当たりを埋めつくしたと思えば一点に収束していく。そして一条の光となって空を引き裂きながら魔鬼へ襲いかかる


 「オォォォォガァァァァァ!!!」


 僕たちの魔法は魔鬼に直撃したかと思えた。しかし魔鬼は僕たちの魔法を正面から魔法で対抗していたのだ。聖騎士達が退避した理由がそこにはあった。魔鬼は聖騎士達の動きを観察し対策し超越して行ったのだ。その結果魔鬼は半魔人へと昇格しより高度に魔法を操れるようになっていた


 「僕の魔法が……届かない……だと?」


 そして同時に我々はとてつもないピンチに陥っていた。魔鬼に魔法を耐えられるということは即ち僕たちの存在を魔鬼へ明らかにすることであり、この避難所の人々を危険に晒すことになるのだ。だが……


 「シエル……魔力の残量は」

 「兄様! 僕に任せてください! 兄様が魔法を発動まで持って行ってくれたのです! ここからの火力の増強は僕が!」


 それでも諦める訳には行かないんだ! そう! 兄様が高難易度の魔法を発動はしてくれた! 僕は僕の魔法陣に魔力の追加投入ができる陣を構成しておいたのだ。ここに僕の持てるありったけの魔力を注ぎ込めばッ!


 光はより強く激しくなっていく。シエルたちの放った眩い光と魔鬼の放ったどこまでも暗い全てを飲み込むような光。その両者が1歩も引くことなくぶつかり合っている。


 「シエル……まさか! 僕の魔法陣を再利用しようとして!? そんなッ! バカな! 理論上は可能かもしれないがそんなことしたら魔力の消費量が天文学的数字になるんだぞ! 一瞬で魔力切れを起こして……」

 「大丈夫です兄様! 僕は人より魔力量が多いんですよ!」


 そう。最近気がついたのだが僕の魔力量は恐らく他の人よりも大幅に多い。どの程度かまでは把握しきれていないが平均よりは圧倒的に多いのであろう。だったらそれを活かさない訳には行かない!


 「オォォォォガァァァァァ!!!」

 「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 均衡していた光は僅かに均衡を崩し始めていた。


 「終わりだぁぁぁぁぁ!!!」


 眩い光が魔鬼へと急接近し遂に魔鬼に直撃した。その瞬間轟音と共に巨大なキノコ雲が生成される爆発が発生。そして中心にいたであろう魔鬼は跡形もなく消え去っていた

いつも読んでいただきありがとうございます。皆様のブクマ、評価とても励みになっております。是非ブクマと評価の方よろしくお願いします

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