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学校入学編 ①

試験当日。緊張してないと言えば嘘になるが自信はあった。トリグス兄様はあれから付きっきりで僕の試験対策をしてくれていた。魔法試験における出題傾向からその対策なんかは気合いが入りすぎてついて行くのも大変だった。だからこそ僕は自信を持ってエリグス魔道学院の門をくぐれる。


〜〜〜〜〜〜


「それではこれより魔法試験を開始する!担当はこの私、魔法科担当教員であるイガギスだ。よろしく」


大分若そうに見える教師だ。バッジの色は紫。つまり爵位は紫って事だ。貴族の通う学校だから当然のことだけど教師も貴族なんだね


「魔法試験の内容は攻撃魔法試験の他防御魔法が使えるかどうかの適性試験、身体強化が使えるかの適性試験の3つだ。それでは試験番号順に並べ!」


受験生が一通り並んだのを確認してイガギス先生は魔法の詠唱を始めた。途端地面に浮き上がる魔法陣。って転移魔法かよ!いきなり最上級の魔法を見せてくるなんて・・・格の違いでも見せつけようとしてるのかね。なんて思ってたら突然魔法陣が光り輝いた。次の瞬間僕たちは目の前の化け物に困惑することになる。そこに居たのはオーガ。しかも上位個体である角が三本生えているオーガだった。


「今年の試験は攻撃、防御、身体強化、全て同時に行うこととなった!これよりこのオーガを協力して討伐せよ!討伐成功時この場に残っていたもののみ合格とする!」


無茶苦茶だ。冒険者志望の養成所でもこんなに上位の個体を出すことなんて無いだろう。それを初対面の人間と協力するなんて・・・


「安心して欲しい。仮に死亡判定を受けた場合元の場所に戻るようになっている!それでは試験開始!」


開始と同時にオーガが吠える。巨体を揺らしながら突進してくる様は壁が迫ってくるようだった。


「ザピ!」


オーガの正面に立っていた生徒が魔法を唱える。初級の火属性魔法だ。オーガにあたるも気にした様子もないオーガはそのまま丸太のような腕を振り抜き正面にたってた生徒はそのまま光の粒となって消滅した。


「あんなの・・・どうしろって言うんだよ!上位オーガなんて赤クラスの冒険者でもパーティーを組んで討伐するものだぞ!?」

「では辞退するか?それでも一向に構わない。その場合は適正なしということになるが」


こんなの試験として成り立っていないだろ・・・合格者何人出るか分からないぞ?・・・てか人の心配してる場合じゃない!僕も何とかしないと


「君!僕と協力しないかい?」


声をかけられた方を振り向くと少し気弱そうな、でもどこか芯のありそうな青年が立っていた。


「僕強化系の支援魔法しか使えないけど・・・攻撃魔法が使えるなら僕と協力して欲しい!」


支援魔法か。初級の支援魔法でも難易度の高い魔法だ。むしろそれしか使えないって言うのはどういうことなのか?まぁでも願ったり叶ったりだ!支援魔法があるなら僕の魔法でも充分太刀打ち出来るかもしれない!


「分かった!協力しよう!僕はシエル!よろしく頼むよ!」

「ありがとうシエルくん!僕はアルスだ!こちらこそよろしく!それじゃ早速支援魔法をかけるよ!」


そう言って胸ポケットから取り出したのは魔法陣。なるほど、魔法陣を持ち歩けば確かに難易度の高い魔法も使いやすい。でも1回限りな上量を持つと嵩張るという欠点があるが・・・


「プース!」


体が発光し、軽くなったような気がする。支援魔法をかけてもらうとこんな感じになるのか。普段と感覚がかなり違ってくる。


「効果時間はきっかり3分!切れたらまたかけ直すから!」

「了解!ありがとうアルス!」


この間にも数人が退場した。一撃でも貰えば多分僕はやられる。だったら移動しながら距離を取って確実に魔法を当て続ける!


「ザピ!」


頭の中で陣を素早く構成する。兄様に教えてもらった魔力増強の陣と効率変換の陣を組み込んで魔法を発動する。イメージ通りの魔法が放たれる。それまでこっちを向かなかったオーガが初めてこっちを睨んだ。


「かなり怖い顔してるねオーガって」


でも僕は余裕があった。僕の魔法はオーガの角を1本折っていたから。充分通用する火力だった。


「とりあえずもう1発!」


2発目も問題なく発動した。流石のオーガも直撃はまずいと思ったのか咄嗟に回避したが僕の魔法はそんなに甘くない。避けたオーガの左腕に直撃。オーガの左腕は力無く垂れ下がっていた


「シエルくん!すごいよ!これなら勝てる!」


その瞬間オーガは地団駄を踏み地面を掴んだ。そう地面をそのまま鷲掴みにしたのだ。


「アルス!避けろ!」


しかし咄嗟に反応できないアルス。オーガは地面を投げた。岩とかじゃない。地面そのものを投げたのだ


「リク!」


アルスにオーガの地面投げが直撃する瞬間半透明の膜がアルスの前に現れる。アルスの目の前で砕け散る地面だったもの。周りを見渡すと肩で息をしながら手を前に突き出している少女が居た。


「ボーッとしてるとやられるわよ!魔法を発動してない時はとにかく移動して!」


彼女が防御魔法を使ってくれたおかげでアルスは退場しなくて済んだと知った時僕の目の前にオーガが立ちはだかった。


「しまった!」


この距離じゃ魔法を打っても自爆するだけだ。避けるにも距離が近すぎる。


「メーソン」

「ザピ」

「メーラン」


その瞬間様々な魔法がオーガに直撃した。僕は咄嗟にオーガから距離をとる。周りの生徒が魔法を放ってくれたと理解するのに時間は要らなかった。


「大丈夫か!君!」

「ありがとう!大丈夫です!」


この気を逃す訳には行かない!僕のとびっきりの中級魔法を、兄様に教えてもらった陣構成で放つ!


「バソ・ルザ!」


僕の魔法は寸分たがわずオーガの頭部に直撃した。オーガは二、三歩進んだ後地面に崩れ落ちた。


「勝った・・・勝ったよシエルくん!」

「あなたやるじゃない?」

「俺達勝ったんだ!」


その場に残っていた全員が勝利に歓喜した。


「ありがとう皆!みんなのおかげだよ!本当にありがとう!」


「あの生徒、シエルと言ったか。普通じゃないな・・・あの短時間にあの高火力で魔法を連発するなんて。それに走りながら魔法を放っていたが詠唱している様子も魔法陣を取りだした様子もない・・・あいつは一体・・・」


それから先生の魔法で元の場所に戻ってきた。


「よく戦い抜いた!ここにいる生徒は全員合格とする!この後クラス分けのための簡易的な面接を行い今日は終了となる!入学式まで予習を忘れずにな!それではまた逢う日を楽しみにしている!解散!」


それから面接を終えて数日以内に発表すると案内があった。次の登校日までに制服とか揃えないといけないらしい・・・入学式まで忙しくなりそうだ

初めての小説投稿です。もし今後とも見ていただけるようならブクマ、評価の方よろしくお願いします

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