学園生活夏休み編⑨
アルスに料理をさせてはならない協定が結ばれた後も中々酷かった。とにかくゲテモノっぽいものを好んで食べるアルス……もしかして中身人間じゃないんじゃないだろうかと疑い始めるぐらいにはおかしなものばかり食べてる
「なぁアルス? それ……その……本当に美味しい?」
「え? 美味しいけど……食べる? 少しだけならあげるk」
「要らない」
「え?」
「絶対に要らない」
「そっそうか」
「あのね? アルス。僕は普通の感性の持ち主なんだよ?」
えっ? それをよりによってマルキスが言う? 普通の感性? お前が1番かけ離れてるだろうが
「マルキス……お前は普通の感性は持ってないぞ」
「えぇ!?」
「えっ? アンタ普通だと思ってたの!?」
「ナスメア!?」
「僕もマルキスくんは普通じゃないと思うよ」
「いや待て! アルス! 味覚音痴には言われたくない!」
「味覚音痴……音痴……音痴じゃないよ……」
結構ショック受けてんのな……いやでもこれは譲れない。もし仮に万が一アルスが料理するなんてことになったら僕は1ヶ月は寝込む自信がある。だからこそ譲れない
「あのな? アルス……確かに音痴じゃないのかもしれない。ただ……その……僕には理解のできない味なんだよね」
「一回食べてみてよぉぉぉぉぉぉ!!!」
「うわっ! こっちに近付けんな!」
「ちょっと! シエル! こっちに逃げてこないでよ!」
「うわぁぁぁぁ!? ナスメアぁぁぁぁ!? やめてっ! 盾にしないでぇぇぇ!!!」
「助けてよマルキス! アンタ男じゃない! 私の事守りなさいよ!」
「都合いい時だけ女を主張するのは卑怯だぞ!」
「皆ぁぁぁぁぁぁ!!!」
「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
〜〜〜〜〜〜
酷い目にあった。あのアルスが強引に食わせようとしてくるのは本当に恐怖でしかない。結果魚っぽいけど人参みたいな味がするネチョっとした食べ物をみんな口に突っ込まれた。味は本当に人参なんだよ? でも……食感が……食べ物って匂い味食感全部大事なんだね。絶対にアルスにだけは飯を作らせないようにしないと
「うえっ。本当に気持ち悪い……」
「そんなに酷い? 僕は好きなんだけどなぁ」
そう言いながら食べ続けるアルス。正直ちょっと引くんだけど……
「……とりあえず次行こうか皆。次行くのは食べ物以外の出店にするよ」
「そうしてくれマルキス。食べ物はもうたくさんだよ」
「えぇー! 僕まだ食べてみたいものが!」
「2人とも! アルスを連れて行って!」
「「あいあいさー!」」
「なんでぇぇぇぇ」
〜〜〜〜〜〜
そんなこんなで出店を楽しんだ。まぁ比較的前世の祭りに近い出店が多かったかな? 射的が魔法を使用するようになってたり金魚すくいじゃなくて魔魚すくいになってたり……魔魚はやばかった。ピラニアとアロワナ足してうなぎもくっつけたみたいな見た目だった。それをポイとほぼ同じものですくうんだよ? 普通に怖いわ。射的も僕は出禁になった。荒稼ぎしすぎたみたいだね……そんな簡単に取れると思ってなかったからつい………まぁでもそれなりに楽しかったし時間も過ぎていった。
「シエル……アンタ流石にやり過ぎじゃないかしら? その大量のお菓子とか食べるつもり?」
「いやぁ射的やってたらいつの間にかこんなになっちゃってたんだよねぇ」
「シエルは魔法の才能ほんとに凄いよねぇ」
「うんうん。シエルくんに任せておけば大抵の事はどうにかなるしね」
「お前ら……」
「そろそろ花火上がる頃だね!」
「おいマルキス。話を逸らすな」
「そうだね! マルキスくん!」
「アルス……お前もか」
こういう時息ピッタリなの凄いよね! ものすごくイラッとするけど凄いと思うよ。
「まぁ良いじゃないかシーくん!」
「はぁ!? 誰がシーくんじゃ」
「良いじゃん! 僕たちだってそれなりに仲良くなってきたわけだし! 僕はあだ名で呼ばせてもらうよ!」
「良いね! シーくん! マルキスくんは」
「マルキスはそのままでいいわよ」
「えっ酷いナーちゃん! 僕もなんかあだ名つけてよ!」
「誰がナーちゃんよ!」
「アハハ! ナスメアさんはナーちゃんか!」
「ちょっとアルス!」
「うーん……アルスはアルくんでどーだ!」
「おっ! 良いねぇ!採用!」
「「「アハハ!!!」」」
〜〜〜〜〜〜
あれ? マルキスだけ決め損ねてねぇか?……まぁいいだろ。マルキスだしな
正直夏休み編間伸びしすぎてどうしていいか分からなくなってきてます。多分次かその次あたりで一気に終わらせたいなぁと思っていますがどうなるかわかりません笑 皆様の応援とても励みになっております! 是非高評価とブックマークを宜しくお願いします!




