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学園生活夏休み編⑧


 マルキスはとりあえずいつもの調子を取り戻し僕たちは本来の目的だった祭りを楽しむことにした。だんだん人も増えてきて、出店も所狭しと並び始める。


 「暑くなってきたねぇ」

 「気温も熱気も凄いわね」

 「うへぇ……ちょっとどこかで休憩入れようよ」

 「そうだな……ちょっとこの暑さは参る」


 そう。今年の王都は異常なまでに気温が上がっていた。こっちの世界は魔法である程度体温を調整できるから熱中症ってほとんど知られてなかったっぽい。


 「皆飲み物買ってくるけど何がいい?」

 「あっ! 僕も一緒に行くよ!」

 「いやお前ほとんど寝てないんだからそこで待っとけ。寝不足の日差しは堪えるだろ」

 「えー」

 「シエルくんが買ってきてくれるって言ってるし甘えようよマルキスくん」

 「分かったよ。それじゃ僕はクルクリのジュースを」

 「私はソリアスを」

 「うーん……僕はトリントジュースかなぁ」

 「えっ!? アルストリント飲むの!?」

 「ん? そうだけど……」

 「うっそ!? 信じらんないんだけど!……」

 「そんなに不味い飲み物なのか?」

 「僕は嫌いじゃないんだけどね」

 「いやいやいや! アルス……君もしかして」

 「トリント飲むのは……」

 「「味音痴?」」

 「酷いじゃないか2人とも」


 なんだよその……トリント? ってやつ。どんだけ不味いんだよ……逆に気になるじゃん


 「まぁ良いんだな? それじゃ買ってくるぞ」

 「アルス……今からでも考え直した方が……」

 「嫌だよ。僕好きだし」

 「まぁ……アンタが良いなら良いんだけども」

 「それじゃ買ってくるぞー」


 えーっと? トリントとクルクリとソリアスか。ちょっとトリント気になるな


 「屋台のおっちゃん飲み物欲しいんだけど」

 「何が欲しいんだ?」

 「トリント2個とクルクリ1個、ソリアス1個をお願いします」

 「おいおい坊ちゃん……罰ゲーム2人も居るのか……大変だな」


 おい。自分の売り物だろ? 罰ゲームって……


 「あはは」

 「まぁいいや。ちょっと待ってれ!」


 だいぶ時間かかるんだなぁ。それにしても罰ゲームって言うほど不味いのか、ちょっと失敗だったかもしれない。


 「はいよ! お待ち! トリント2個とソリアス、あとはクルクリだな!」

 「ありがとうおっちゃん!」

 「おうよ!」


 なんか見た目は前世の飲み物には無い見た目してるんだよなぁ……ソリアスはピンクの飲み物だしちょっとキラキラしてる。クルクリは水色でシュワシュワしてるんだけど……問題はトリント。なんだよこの色。灰色とも赤とも青とも取れないなんとも言えない色してんだよなぁ


 「おーい皆ぁ! 持ってきたよー」

 「ありがとー!」

 「ナスメアはソリアスでマルキスがクルクリだったよな」

 「う……ん?」

 「あ……れ?」

 「「まさかシエルもトリント!?」」

 「いやぁ、あそこまで酷い言われようしてると気になっちゃって」

 「気になっちゃってで買うものじゃないよそれ……普通は罰ゲーム用に買うんだもん」


 おいおい……そんなに酷いのかよ


 「そんなに酷い味してないけどなぁ……美味しいじゃん」

 「ねぇねぇマルキス。今後料理することがあったらアルスにだけはやらせたらダメね!」

 「ねぇねぇナスメア。料理以外ももしかしたらダメかもしれないよ!」

 「2人とも酷いじゃないか」


 うん。絶対失敗だった。どうしよう


 「シエル……今からでも普通の買ってきた方がいいと思うよ?」

 「そうね……それはホントに何を勘違いして作られたのか分からないほどの味がしてるから」

 「飲む前から散々だな」

 「そんなことないよシエルくん! 本当に美味しいんだから!」

 「アルス……2対1で君の負けだよ……まぁ買ってきちゃったし飲むよ」

 「「気をつけてね?」」


 ナスメアとマルキスって結構仲良いよな……さてと、覚悟を決めて飲みますか


〜〜〜〜〜〜


 酷い目にあった。なんて言うか……酷かった


 「大丈夫? シエル?」

 「だから言ったじゃない……」

 「シエルくん……そんなに不味かったかい?」


 まず一口目、ここからして最悪だった。生臭い。とにかく生臭い。魚っぽさもありつつパックに詰められてる肉のドリップみたいな匂いがする。でも耐えた。けど次の二口目、味がしてきたんだけど……これが甘みがあるんだよ……日本にいた時に食べたことのあるような味で何かなって思った時思い出したんだ。ポン〇リングだって。生臭いポン〇リングだよ? しかもなんかプチプチした食感まで着いてくる。


 「シエル……僕のクルクリあげるよ」

 「ありがとう……うっ!」

 「ちょっ! 戻さないでよね!?」

 「ごめんごめん……大丈夫」

 「そんなに不味いかなぁ」


 アルスは化け物だよ。あれをちゅるちゅるずっと吸ってるし……てかもう無くなりそうじゃん。なんで?


 「ナスメア……マルキス……お前らの言ってたことは正解だった。アルスに料理は絶対させるなぁぁ!!!」

 「だよねぇー!!!」

さて、夏休み編最終章。アルス編に突入いたしました。作者としてはマルキスこんなに思い入れのあるキャラになると思ってなかったのですが過去の設定まで作るほどお気に入りのキャラになってしまいナスメアがあっさりしすぎてたのでもしかしたらアルス編でナスメアももう少し深堀するかもです。


皆様の応援とても励みになっております。モチベに直結いたしますので、もし気が向いたらブクマ、評価の方よろしくお願いします!

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