学園生活夏休み編⑦
「なぁマルキス。いつまでそんな顔してんだ? お前が誘ってきたんだぞ? もう少し楽しそうにしてろよ」
「うん。そうだね」
さっきからずっとこんな調子だ。あのアホ3人ぶん殴ったところまでは良かった。良かったんだけどなぁ
「思いっきり殴ってスッキリしたんじゃないのか?」
「スッキリはしたけどさ……」
「あーもうじれったいわね! とっとといつものウザキスに戻りなさいよ!」
「うん……」
はぁ。どうしたもんかねぇ
「マルキスくん……」
「ごめんね皆」
「僕たちは気にしてないって言ってるだろ?」
「そうよ! むしろウジウジずっとされてる方が迷惑だっての!」
「そうだよマルキスくん」
「……」
うーん……時間が解決してくれる問題なら放置一択だけどそうもいかなさそうな感じだしなぁ
「なぁマルキス。この後はどこに行くつもりだったんだ?」
「……」
ついに反応すらしなくなっちまったかぁ
「おっ! マル坊! どうしたんだいそんなくらい顔して!」
ナイスタイミングおっちゃん! 助けて!
「肉屋のおっちゃん?」
「あぁ! 肉屋のおっちゃんだぞ? ふぅん? さてはおめぇあの糞ガキ共にまたなんか言われたな? おっちゃんに任しとけ! クソガキ3人ぐらい半日ありゃ捌き切れるわ!」
「ちょいまちちょいまち! そんな物騒な」
「ありがとうおっちゃん」
「ハンッ! おめぇ結局昔から変わってねぇんだな! 弱虫で泣き虫でいっつもウジウジしてよぉ! 最近少し変わったかなと思っとったけんどもなぁんも変わってねぇな!」
「うん……」
「あんなぁ? おめさんには素敵なお友達がいっぱい居るでねぇか! そんのお友達ば寂しそぉな顔させたらダメだろ?」
「……」
「ったく! ほら! 持ってけ! さっきもオマケして……今日はオマケばっかりでねぇか!」
「ありがとうおっちゃん」
「ほら! せっかくお友達も来てくれてんだ! 祭り楽しんでこねぇと損だろ! アンタらにも迷惑かけたみてぇだけど悪い奴ではねぇんだ。これからも仲良くしてやってくれねぇか?」
「そもそもそんなことで友達やめるなんて言わないですよ」
「そうね。むしろあんな朝早く起こされた時の方が頭に来たわ」
「そうだね。僕もそれは同意するよ」
「ほら! マル坊! みんなそう言ってんだからいつまでも暗い顔してんじゃねぇぞ!」
「皆……おっちゃん」
「ほら! 次お前が行きたいとこ行くぞ! こんだけ振り回してくれたんだから楽しませてくれなかったら許さねぇぞ」
「ありがとう……分かったよ! 着いてきて!」
「おうよ」
「わかったわよ」
「うん!」
「肉屋のおっちゃん ありがとうございます」
「なぁにマル坊はちっこい頃から知っとるし息子みてぇなもんだからな! それにマル坊の大事なお友達なんだから良くしてやらんとなぁ!」
「ホント助かりました。お肉美味しかったです」
「あったりめぇよ! うちの肉はどこに出しても恥ずかしくねぇもんだからな! まぁなんて言うか……マル坊のことよろしく頼むぞ」
「はい! 僕たちにとっても大切な友人ですから」
「おう! そんじゃ心配ねぇな! そんだら楽しんでこい!」
「はい!」
まぁなんにせよいつも通りとは行かなくてもマルキスも元気になったようだし良かったと思う。
「さぁ皆! 次は王都の中心街! 噴水を見に行くよ!」
「噴水?」
「そう! とにかく綺麗なんだよ!」
「へぇー。楽しみね!」
「そうだね! 王都の噴水は規模も大きいことで有名だしね」
「そうなんだ」
「なんだぁ? シエルもしかして知らなかったのかい!?」
うぜぇ……いやまぁマルキスはこのぐらいが丁度いいんだよな
「うるせぇよウザキス」
「ちょっ!? 酷いよシエルぅ!」
「まぁなんだ……今後なんかあったらちゃんと相談しろよ? 少なからず僕は力になるからさ」
「うん……ほんとに今回はありがとうね」
「ちょっとちょっと! シエルだけじゃないわよ! 私もちゃんと話は聞いてあげるわ」
「ナスメアさん話を聞くだけになりそうだけどね」
「そんなことないわよ!」
うん。いつもの騒がしい雰囲気になったな。マルキスが暗い顔してるだけであんなに空気死ぬとはなぁ……なんだかんだ言って僕は今のこのメンバーでいるのが楽しいし、できることは何でもしよう!
さて、久しぶりに連続投稿が出来ました。夏休み編長くなってしまっていますがもう少し続きます。皆様の応援がモチベーションに繋がりますのでもし面白い!続きが見たいと思っていただけたら、ブックマーク、高評価の方よろしくお願いします!




