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学園生活夏休み編⑥


 「うへぇ……酷い目にあったよ。みんなも見てたなら助けてくれても良かったじゃないか!」

 「いやだよ。あの人めちゃくちゃ怖かったじゃんか」

 「薄情者めぇ!」

 「まぁまぁ落ち着けよ」

 「どの口が言ってんだよ!」

 「アンタらうるさいわよ」

 「えっ!? なんで僕も!?」

 「いや僕もっていうかお前がだろマルキス」


 あの後卵屋のお姉様に説教されてるマルキス片目に僕たちは今日の予定について話し合っていた。とりあえずもうそろそろ色んなところが出店を開くとの事で商業地区を一通り回ることにしたところでマルキスが戻ってきたってところだ。にしても気になるよなぁ昔のマルキス


 「なぁマルキス? 昔のお前は卵屋のおばちゃ」

 「シエルっ!? やめておいた方が」

 「……卵屋のお姉様が言ってた昔のお前ってのはどういうことだ?」

 「いや別に……成長すれば性格なんて多少変わるでしょ」

 「そうは言ってもお前の普段の言動とこの辺の人と話してる時の態度全然違くない?」

 「それは私も思ってたわ。ここに来てからアンタ全然ウザくないもの」

 「うざっ!? ウザイの!? 僕?」

 「むしろ今まで気付いてなかったんだ……」

 「酷いよみんな……そんなにウザかったのかなぁ」

 「あぁ。間違いなくウザかったぞ」

 「そんな……」


 むしろこれでウザイと思われてないと思ってたなら相当だぞ? 大丈夫か?


 「まぁいいや! 次は隣の地区の屋台に行こうよ!」

 「いやもう行くところ決めてるから」

 「えっ!?」

 「マルキスくんが怒られてる時にね」

 「そうか……」

 「まぁでもマルキスが行きたいって言うなら私はそれでもいいわよ」

 「ナスメアぁ!」


 ってことでマルキスの言う通りに隣の地区まで移動することになった。周りも騒がしくなってきて祭りをやってる感が出てきたなぁ。王国祭、この国で行うイベントの中でも一二を争う大きなイベント。街の外からもドンドン人が来るし商人もいつも以上にやってくる。もちろん街の警備のために騎士団も出てくるし3日目の最終日は国王も民の前に現れる。年に2回のみ国王は民の前に出てきて国民の願いを国王直々に聞くという他の国では絶対に行われないであろうイベントもある。この国が平和であることの象徴と共に王は民と共にあるということを世に示す為だと言われてるけど本当のところは分からない。まぁそういうことにしておいたほうが綺麗な気もするから詮索することもないけどね


 「おやおやおやぁ? マルキスくんじゃあないかぁ!」

 「ゲッ」

 「相変わらずお祭りが大好きみたいですねぇ?」


 なんだコイツら。マルキスの知り合いにしては絡み方が


 「おやおや、今年もまた別のお友達連れて来てるんだねぇ? 去年一緒にいたお友達はどうしちゃったのかなぁ?」


 ゲラゲラと笑う3人組。なんて言うか凄くウザい。


 「それは……関係ない……だろ」

 「毎年毎年違うお友達を連れてぇ? 何でだろうねぇ?」


 毎年違う? どういうことだ?


 「まさかまた裏切ったのかい? 裏切り者のマルキスくん?」


 裏切り?


 「ちょっと! アンタ達なんなの? さっきから黙っていれば!」

 「ナスメア……やめた方がいいよ」

 「マルキス! アンタもなんか言い返しなさいよ!」

 「おー? 今年は可愛い子も連れてんじゃん? マルキスの癖に生意気だなぁ? そう思うよなぁ! お前ら!」

 「君たち、やめてくれないかな? 僕の友達になんてこと言うんだ」

 「友達? 友達だとよ! あの裏切り者のマルキスくんが友達ぃ? 面白すぎるだろ!」


 ホントになんなんだコイツら。一発ぶん殴ってやりてぇ


 「おいなんか言ってみろよ! なぁ? マルキスくぅん?」

 「……」

 「ほぉらぁ! なぁんか言ってみろって!」

 「お前らなんなの?」

 「あ? なんだお前」

 「こいつの、マルキスの友達だけど?」

 「ハッ! お友達ねぇ? こいつと友達にならない方がいいぜ? お前ら2人もだよ! こいつは人のことを平気で裏切るクズなんだからなぁ!」

 「僕はマルキスの過去を知らないし、お前らが何をされたのかも知らないけど、少なくとも今のお前ら、すげぇだせぇぞ? マルキスの目の前で友達だって言ってる奴の目の前で、知られたくないであろう過去をペラペラ喋ってなぁ? 何がしたいんだ?」

 「はぁ? 俺たちゃお前らに警告してやってんだよ」

 「意味がわかんねぇ。お前らはただマルキスを貶めたいだけに見えるんだが」

 「あーあー。時々居るんだよなぁ? こうやって人の忠告を無視して正義ヅラするやつがよぉ?」

 「シエル……良いよ。あとは僕がどうにかするから」

 「どうにもなんねぇからこうやって絡まれてんじゃん! お前もお前だよ! 言い返してやればいいじゃねぇか! 言われっぱなしで良いのかよ」

 「言い返せないんだよ……彼らの言ってることは本当なんだから……」

 「はぁ!? なに? じゃあ僕とかアルス、ナスメアのことも裏切ろうとしてたって訳か?」

 「そんなつもりは……」

 「それとも僕たちが勝手にお前と友達だと思ってたってだけか!?」

 「それは違うよ!」

 「だったら言い返してやれよ! 僕はお前の過去を一切知らない! もし過去にあいつらに言われたような事があったとしても僕は気にしない! 僕はお前がそんなヤツじゃないと思ってるから! 半年近く一緒にいてそんなやつじゃないって確信できるから!」

 「シエル……」

 「そもそも普段のアンタの鬱陶しい態度はどこに行ったのよ」

 「そうだよマルキスくん」

 「皆……」

 「なぁんだ? 今回はそれなりに仲良くワイワイしてんじゃんマルキスくぅん? でも君たち気をつけた方がいいよぉ? コイツは自分の妹を見捨てて自分だけ助かった人間なんだからなぁ!」


 は? 見捨てた?


 「マルキス……本当なの?」

 「……」

 「なんとか言ってよ!」

 「……」

 「マルキス……」

 「ほぉら! 本当の事なんだよ! コイツは2年前に魔物の襲撃があった時、我先に逃げ出して妹を見捨てたんだよォ!」


 本当なのか? あのマルキスが? 確かに普段ふざけた態度で接してくるけど……そんなことをするようなやつじゃないはず……でも


 「おいお前ら。そこら辺にしておけよ? そいつは一応俺の知り合いなんだから」

 「なんだぁ? おめぇ!」

 「ん? あっ! おい! 逃げんぞ!」

 「はぁ!? なんでだよ!」

 「コイツ紫だ!」

 「ゲっ! クソが!」

 「逃がすわけねぇだろ!」


 その瞬間拘束魔法が飛び出した。それは3人組の足に絡みついてガッチリと固定することに成功した。


 「途中からだが話は聞かせてもらったよ。アイツらの言ってることは間違えては無い。だが全てが本当という訳でもないさ」


 そこに立っていたのは紫貴族、入学初日に僕に絡んできたあのブルフリートだった。


 「なんでお前が」

 「おい青色。言葉遣いに気をつけろ。俺は紫でお前は青だ」

 「すまない……だが何故?」

 「ハッ! なにそこで俯いてるアホは確かに襲撃の際逃げ出したんだよ。そして当時家にいたのはマルキスと妹二人だけ、その時マルキスは妹二人を連れて逃げ出した。ただ、その時には妹さんは大怪我をしていたんだ」

 「それは……魔獣の?」

 「あぁ。それで近くの森まで逃げたがそれ以上動かすのは危険だと思ったんだろう。一緒に逃げてきていたそこの3人に頼んでマルキスは助けてくれる人を探しに行った」

 「それでお前が関係しているのはなぜなんだ?」

 「最後まで話を聞け青色。そして二度目だ言葉遣いに気をつけろ。助けてくれる人を探しに来たソイツは偶々近くにいた俺と俺の兄様に助けを求めた。勿論助けに向かったさ。ただ、俺たちが到着した時には……」

 「そんな……」

 「それを見てたのはそこの3人だけ。そしてソイツらは自分たちも見捨てられたと、助けを呼びに行くと言って裏切られたとそう言ったんだ」

 「アイツら……許せねぇ」

 「そうだよな? 許せねぇよな? それから直ぐにそれは嘘だと分かったんだが……今更になってそんな陰湿な嫌がらせをしていたとはなぁ?」


 それが本当なら許せねぇ。嘘をでっち上げてマルキスを嵌めようとしてたってことか? でもだったらなんでマルキスは反論しねぇんだ?


 「なぁ? マルキス。もういいんじゃねぇのか? あの場ではお前の行動は正解だったはずだ。いつまでそうしてるつもりだ?」

 「違う……違うよブルフリート様。僕は」

 「その様ってのもやめろって言ってんのにやめねぇしよぉ? あれはどうしようもなかった」

 「どうしようもなかった……? そんなわけないだろ! 僕は! 僕は妹を置き去りにしてしまったんだ! 僕は許されないことをしたんだよ……」

 「だからといってあいつらにいいように言われ続けるのはどうなんだ? さっきの話ぶりから察するに今までもそうやって友情を壊され続けたんだろ? なんでそれをそのまま受け入れる」

 「アイツらの言ってることは本当なんだよ……僕はアイツらと妹を置いて逃げたんだから……」


 なんて言うか……なんでそんなに卑屈な考えしてんだこいつは! いつものウザすぎる態度でいろよ全く……


 「おいマルキス。確かにさっきまでは僕達はお前の過去を知らなかったよ。でも今はこの紫から一通り聞くことが出来た。それで? お前は僕たちから離れていこうとするのか?」

 「……そうだね。あんなことした僕と一緒にいたっていつか君たちにも同じことをしてしまうかもしれない。だから」

 「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ! 何よそれ! アンタ悪くないのに! それで私たちがアンタのこと見放すとでも!? いい加減ウジウジしてないでハッキリしなさいよ! 私たちあんな朝早くから起こされてここにいるのよ!? あの3人組が言った通りだったなら話は変わるけども、私はあの3人よりもブルフリートさんのことを信じるわよ! いい!? 私はアンタと友達なの! 今更辞めるなんて言わせないから!」

 「そうだね、マルキスくん。それにもし同じようなことになったって今なら僕たちは4人もいるんだ」

 「だとよ、マルキス。お前には僕達がついてる。少なからず僕たちはお前の友達だと思ってんだ。お前の勝手で居なくなろうとするのは許さねぇからな」

 「皆……」

 「おい! お前ら! 騙されんなよ! ソイツは人を平気で置き去りにするクズだ!」

 「どっちがクズだよ! 僕の友達に散々言ってくれたなぁ!?」

 「ヒィ!?」

 「お前らは一発ぶん殴ってやらねぇと気がすまねぇ!」

 「シエルくん。ちょっと待ってくれる?」

 「あ? マルキス……どうした」

 「僕がやる。どうしても僕にやらせてくれ。それで僕はあの日から1歩踏み出せると思うんだ」

 「そうかい。じゃあ! ド派手にやってくれよ!」

 「ありがとう皆……ブルフリートくん。今すぐにとは行かないかもしれないけども……第1歩として僕はアイツらを……」

 「やれマルキス。ド派手にな!」

 「ぶん殴るッ!」


 それから暫くはマルキスも暗い顔をしていた。全く、朝あんなに早く起こされたってのに本格的に楽しくなる夜の祭りでこんな沈んだ空気になるなんてなぁ……それにしてもそんなに暗い過去があったとはな。それなのにあんなに明るく振舞って……いや明るく振る舞うことで隠してた? まぁなんにせよ僕は今までと態度を変えるつもりは無い。多分みんなそうだろうけどね! そしてあの紫色にも今回ばかりは感謝しねぇとな!

今回少し長くなってしまった上無理やりな感じの設定も多くなってしまいましたが・・・もしかしたら後程修正を入れるところもあるかもしれません。相変わらずリアルの生活の方がリズムを取れずに書く時間を確保するのが難しく、毎日投稿できていませんが! その間もブクマをつけてくださる方がいらっしゃったりと非常に嬉しい思いをしております。 今後ももし!応援してもいいよ!って思っていただけたならブクマ、高評価の方よろしくお願いします!

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