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学園生活編⑧

あの日から特に普段と変わらない学園生活を送っている。最初の頃絡んできたブルフリートも最近は自分のクラスで立場を保つのに必死らしい。まぁアイツはこの学年トップクラスの上流階級クラスらしいから貴族同士の威厳みたいなのがあるのかもしれないね。僕たちには関係ないけど


「おはようシエルくん」

「おぉ、アルスか。おはよう」

「ちょっとちょっと? 僕のことをお忘れではなくて?」

「うるさいマルキス。まだ朝だぞ大人しくしてろ」

「酷いじゃないか」

「あら、みんな早いわね」

「あっ、おはようナスメアさん」

「おはようアルス」


なんて事ない至って普通の日常が続いている。平和なのはいい事だけどたまには面白いことが起きないかなぁって思ってしまう。


「席に付けー。朝礼を始めるぞー」


先生の声を聞いて皆席に戻る。全員が着席したのを確認して出席が取られていく


「よぉし、今日も全員遅刻無しだな!それじゃあ早速だかあと1週間で上級学年が長期遠征で帰ってくる。そうしたら直ぐに魔体祭が始まる。このクラスはどこに出場するのかを今日終礼で決めるからそれまでに考えておけよー」


魔体祭。この学校の体育祭のようなものだ。もちろん前世の体育祭とはかなり様相が変わっては居るがね。数種類の競技があってクラス全員でどれかの競技に出ることになる。それは全学年合同で行われるため基本的には上級学年がトップを取りやすい。だからこそ低級学年が上位に食い込むとちょっとした話題になる。低級学年はそれをめざして、上級学年は低級学年に下克上をされないように、お互い切磋琢磨して競うのが魔体祭だ。


「魔体祭かぁ〜去年のを兄様が見せてくれたけど、どれもすごい迫力だったなぁ」

「アルスってお兄さんいたんだ」

「言ってなかったっけ? まぁ今年卒業だったから今はこの学年に居ないんだけどね」

「そうだったんだ」

「で、どうするんだい? シエルはどこに出たいとかあるのかい?」

「う〜ん、特にきめてないかなぁ」

「私は料理対決が良いなぁ」

「ナスメア料理できたんだ……意外」

「マルキスどういう意味それ」

「あっいや違っ! ちょっ! ナスメア離して〜ぁぁぁぁ」


連れていかれた。危なかった。僕も正直ナスメアが料理ってあんまりイメージじゃなかったし。というか貴族自体があまり料理をするイメージがなかったけど……母様料理してたもんな


「マルキスくん、ありがとう。君が言ってくれなかったら僕が口を滑らせていたよ」


おいコイツもか


「まぁでも確かにナスメアって料理するって感じじゃないもんね」

「だよねー」


あっマルキスとナスメア帰ってきた


「お前ら……絶対に……失言はするなよ」


そう言ってマルキスは倒れた。まぁすぐ復活するんだろうけど。体すごい丈夫だし


「でもクラス全員が参加だし見た感じ料理出来るって感じはしないしね。今回は他のでもいいわ」

「と言われてもね。アルスは何かあるのか?」

「僕かぁ。僕は兄様も出ていた魔剣競技に出たいなぁって。でも僕魔剣の扱いは苦手だし」

「確かにアルス攻撃系の魔法も普通だし剣の扱いに至ってはって感じですものね」

「ざっくり言うなぁナスメア」

「まぁナスメアの言う通りだからね。僕は気にしてないよ」

「というかシエルが居れば全種目トップクリア出来るんじゃないの?」

「さすがに厳しいよ。料理はやった事ないしね」

「だったら3次元魔法レースはどーだい?」

「マルキス起きてたんだ」

「だいぶ前から」

「……」

「まぁいいや。3次元魔法レースかぁ、飛行魔法が必須のやつだろ?このクラスで飛行魔法が使えるやつなんて限られてるだろ」

「シエルは使えるんでしょ?あとはアルスも使えなくは無かったよね?」

「僕は使えるけどあんまり得意じゃ」

「これで2人じゃないか! あとは」

「いやまぁ僕たちだけで決められるわけじゃないから。ほかのクラスメートもどうするのか聞いてみないと」

「確かに!」

「えっ? マルキスあなたここで決めようとしてたの?」

「まっまさかぁ! そんなわけないじゃあないか!ハッハッハ!」

「まぁちょっと聞いて回ってみるかぁ」

「僕も少し聞いてみるよ」

「頼んだよアルス」

「私はこの後先生に呼ばれてるから任せたわ」

「僕もこの後忙しいからねぇ」

「お前は俺とこいマルキス」

「えっ? あっちょっ! シエル引っ張らないで! あっあぁぁぁぁぁ」


こうしてクラスメイトに聞き込みが始まった


「うーん僕は補助魔法しか使えないからそれがメインの競技がいいかなぁ」

「クリエイト魔法なら得意だが他はからっきしでな」

「剣術なら多少は出来る」

「君に比べたら僕なんて全然」


ダメだ。まとまりが無さすぎる。こうなると平均的にみんながこなせるものを選ばないと


「あの〜シエル君だったよね? さっきからみんなに聞いて回ってるみたいだけど、シエル君が居るなら多分どこの競技でも大丈夫だと思うよ? 君の事は学園で噂になってるぐらい強いって聞いてるし」


学園で噂って……やめて欲しい


「そうだな、私も君の意見には賛成だ。シエル君に決めてもらって構わないぞ」

「いやほかのクラスの皆にも聞かないとさ?」

「おい皆! 今回の魔体祭出場競技なんだが、シエル君に一任しようと思っているが反対するものはいるか!」


おぃぃ!? この人何言っちゃってるの!? そんなの許可されるわけないってかヤメテ!僕の一存でクラス全体の意見を決めるなんてやめて!


「誰も居ないみたいだぞ。ほら早く決めたまえ。時間は有限だ」


この人苦手! クラス委員みたいな感じじゃん!君が決めてよ!


「シエルの決めたヤツなら私も精一杯頑張るわよ」

「僕もシエルくんの決めたことなら反対はしないさ」

「シエルが居れば大丈夫だしねぇ」


お前らもかよ!


「えーっと……それじゃあエンペラーウォーにしようと思います。チーム編成次第では上級学年相手にも勝てるかも知れませんし」


「「「異議なし!」」」


そうして僕たちはエンペラーウォーに出場することとなった

いつもご覧いただき本当にありがとうございます!学園生活編しばらく続きますが是非お付き合いいただけると幸いです!作者のモチベにも繋がりますので気が向きましたら評価、ブックマークの方是非!よろしくお願いします!

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