学園生活編 ⑥
「シエルは選択科目もう決めたのかしら?」
「あーそういえば決めてなかったなぁ」
「僕は出来れば暗記科目がない教科がいいですね!」
「マルキスくんは暗記も実技もダメじゃないか。どうするんだい?」
「ちっちが! そんなわけないじゃないか! ハッハッハ!」
「まぁマルキスくんのことは置いておいてシエルくんはどうするつもりなの?」
「置いとくって酷いじゃないか!」
「僕は・・・どうしようかなぁ。魔道剣技の授業も受けてみたいし新魔道研究の授業も気になってるんだよねぇ」
「凄く両極端なのね」
「まぁね。せっかくだし剣技の授業があるなら少し受けてみたいなぁって・・・1番上の兄様、フリーク兄様にも一時期騎士剣を教えて貰ってたからね」
「シエルくんって意外と多彩なんだね」
「なんだよそれぇ。僕は魔法も剣も並だったってのに・・・神は不平等だ!」
「あんたは並以下でしょ」
「ちょっ!? 酷いよナスメア!」
「2人はどうするつもりなんだい?」
「僕かい?僕はねぇ?」
「2人って言ったがマルキス、お前じゃない」
「酷いよシエルくん!」
「まだ決まってないんだよね・・・せっかくだしシエルくんと同じやつを選んでみようかなって」
「おいおい、自分のやりたいヤツを選べよ? 変更時期まで変更できないんだから」
「私もシエルと同じのを選ぼうと思ってたのだけれども」
「2人ともしっかり考えた方がいいよ! 僕はちゃぁんと自分の実力に合った」
「「「お前にだけは言われたくない」」」
「皆酷いよぉ!」
結局3人とも僕と同じ魔道剣技の授業を受けることにしたらしい。ほんとにそれで良かったのか? って思ったけども彼らがそれでいいってなら良いのかな?
〜〜〜〜〜〜
「ようこそ! 魔道剣技の授業へ! 私はこの授業を担当するカルナロだ! よろしく頼むぞ!」
すっごい体格のおっさん先生が出てきたなぁ
「シエル・・・僕あの先生苦手かもしれない。ああいう声の大きい人苦手なんだよぉ」
「マルキス・・・お前ほんとにここで良かったのかよ」
「マルキスくん・・・」
「マルキス、あなたねぇ」
「仕方ないだろぉ!」
「おいそこ! うるさいぞ!」
「ひぃぃ!? すみません!」
あーあ怒られちゃった。
「いいかお前ら! 俺の授業ではふざけた態度は許さないからな!」
ちょっと怒ってる? 一発目の授業で怒られながらってのは勘弁して欲しいんだけどなぁ
「でも俺はお前達に強くなって欲しい! お前たちの成績が上がれば俺も嬉しい! だからこのあとの授業ではそれぞれの今の腕を見る! それまでは今から配る魔石板に書いてある内容をこなしておけ! それでは出席番号1番から見ていくぞ!」
そして配られた石版・・・重いっ! ビックリするぐらい重いじゃないか・・・紙で良かったんじゃ
「シエルくんっ! これっ! 重いっ!」
マルキスは騒ぎすぎだ
「でもこれ多分魔法かけて必要以上に重量上げてるっぽいんだよね」
「えっ? なんでそんなことを?」
「マルキスくん、多分これもあの先生の授業なんだと思う。この重さで鍛えろって」
「多分違うわねこれ。鍛えるなら別の方法でいいと思うわ」
「ナスメアの言う通りだと思うよ。魔法を解除して重力魔法で軽くすることが出来るのが多分先生の求めてることだ」
「それはこの授業じゃなくても良いじゃないか! なんでわざわざここでそんな」
「それが魔道剣技ってことなんじゃないかしら? 魔道と剣技の両方を鍛えていくっていう」
「そういうことなんだねナスメア。シエルくんもそう思ってるの?」
「あぁ。それで間違いないと思う」
「そんなぁ! 僕魔法はそんなに得意じゃないんだよ!」
「簡単だよ。これは重力魔法じゃない、多分複合で魔法をかけてあるだけだね。認識強化の魔法で石は重いものっていう認識を強くしてる、そこに接続魔法で地面との接触を緩やかにかけているんだね。」
「凄い! そこまで分かるんだね! シエルくん!」
「流石ねシエル!」
「凄いよシエル!」
「でも問題は」
「「「問題?」」」
「どこの地面と繋げているのかだ、この辺の地面と繋げるってなると膨大な魔力量が必要だ。正直現実的じゃない。ってなると地面に境界を設けているはずだ。そしてその場所に繋げているはず」
「そんな場所どこにあるって言うんだよぉ!」
「あった! あったよ! シエルくん!」
「えぇ!? どこにあったんだい!」
「私も見つけたわアルス! あれね!」
そう。その場所は・・・先生の足元!
「そうだ! 先生の足元! あの石畳の所だ!」
「でも・・・そこに行くには」
「あぁ。先生にどいてもらわないと」
「流石にそれを許してくれる先生ではないわよね? 多分あの人は」
「間違いないだろうね・・・だからこそあの先生を倒さないと」
「シエルぅ! そんなこと出来るのかい!?」
「厳しいと思う。あの先生多分相当強いよ。今の所呼ばれた人全員そのまま返されてるし」
「それじゃどうすればいいんだよぉ!」
「石版の内容は普通に練習内容が書いてあるだけだし・・・シエルくんなにか思いついた?」
「一つだけ・・・もしかしたらっていうのは」
「本当かい?」
「あぁ。ちょっと任せてくれ!」
僕の思いついた方法ってのは・・・これだッ!
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