9話 みんなで?-03
結局。
半分は想像通りに事が進んだ。
歓迎会に参加した人間は、僕と栞を合わせて15人だった。総勢40人のクラスだから、これはかなり多い方だと思う。何しろ、僕達が今日転校して来る事は、今日の今日まで誰も知らなかった筈だ。それ以前から別の予定が有った人間は当然来れないだろうし、僕達に興味が無かったり、そもそもこういう集まりが嫌いな人間のことも考えると、やはりかなりの人数が集まっている。
僕が来なかった場合の事は正直分からないが、僕が参加の意思表示を見せると、水木はそれこそクラスのほぼ全員に声を掛けていた。………やはりこの男の事を悪く考えすぎなのだろうか。とも考えかけたが、その考えは湊渡さんによって打ち消される事になった。
「よかったぁ~。栞さんを一人で行かせるんじゃないかって、私ひやひやしたよぉ~………あの~…………気付いてると思うけど~………水木君には気をつけた方がいいよぉ~。あ、もちろん茉莉君が、って事じゃないよ~?………あの~………何ていったらいいのかな~、ほら~、水木君って、その~、カルいからぁ~」
カラオケで盛り上がる中、湊渡さんがそう話しかけて来た。僕としては、湊渡さんが参加した事が意外だった。それは水木も同じだったようで、一応という感じで聞いたのだろう。湊渡さんが参加の意思表示を見せた時、「え?来るの?」と思わず言ってしまったのが聞こえた。もしかするとこれを伝える為に参加してくれたのだろうか?………さすがにそれは都合よく考え過ぎか。
水木は、ちゃっかり栞の横の席に座っていた。栞は笑みを貼り付けたまま対応しているが、あれはどの程度本心からの笑顔なのだろうか。
僕としては残念な事に、和田君は参加していなかった。意図的にか、ただ単に忘れていたのか、水木が誘わなかったので、変わりに僕が誘ったのだけれど、「誰が行くかよ」とにべもなく断られてしまった。
閑話休題。
いや、明らかにこちらの方が本題から外れる話なのだけれど。
僕は栞がどんな歌を歌うのか、とても気になっていた。