5話 栞と水木ー02
「へーそれじゃあ、栞ちゃんは結構大きめの方なんだね」
……………何の話だろうか。
反省しなければならない。
この水木という男の話が、余りにくだらなく、どうでもいい内容だからと言っても、余りにも意識を他へと向けすぎていた。
相手と話している最中に、進行中の話題を見失うなんて、失策も失策だった。
「……そうですか?あまりそう言われた事はありませんけど」
とりあえず。
あくまでも取り合えず話題を合わせておく。無難な言葉で濁して、この後の反応で話題の方向性を見極めるとしよう。
………それにしても、会って1時間にもみたないのに、もう私は「ちゃん」付けで呼ばれているのか。
別に私は気にならないが、この軽がるしい態度は、男女問わず評価が分かれる所だろう。味方と同じ数だけ、敵もいそうなタイプだ。
誰かと必要以上に親しくなるつもりはないが、この男とは特に親しくなるのを避けた方が無難なようだ。
彼もこういうタイプの人間はあまり好まないようだから必要ないとは思うが、後から茉莉君にもそのうまを伝えておこう。
「そんな事ないって―――」
「そこ!!五月蠅いぞ!!」
水木の言葉を、先生が遮った。
しかし怒られたのは以外にも、私達ではないらしい。
どうやら、茉莉君と、その横の和田君が怒られたらしかった
……………なるほど。面倒臭そうな教室に転校して来てしまったものだ。