時代の流れに感じたこと
トップガン・マーヴェリックという映画を見に行ってきました。
前作から36年を経て描かれる続編。
前作でマーヴェリックのミスで事故死した親友の子どもはパイロットになり、ライバルのアイスマンは大将となり、年老いているのに一人だけ不老の様な主人公マーヴェリック。
前作の時と同じで今回も敵は正体不明。
この辺から、物語はリアルではなく、ファンタジーだと思った方が楽しめる。
まあ、前作の時から、アメリカ海軍全面協力で撮られた映画だったらしいんですが。
海軍が全面協力したのに、士官というエリートパイロットのリアルを完全に無視した高校生のスポーツ映画の様な、MVの映像で大成功した前作。
実際、CM出身の監督だけあって、絵と音楽はひたすらカッコ良く。
高速を走る時、トップガンの曲デンジャーゾーンを流して車を飛ばす奴とかいたりして。
実際のところ、俺たち高校生じゃなく、大学も出てるエリートばかりなんだから、こんなバカじゃないよと、この映画を見たパイロットが爆笑したという噂もありますが。
それでも、大ヒットは間違いなく、アメリカ海軍への志願者が殺到したらしいです。
で、アメリカ海軍としては、何作でも作って欲しいという意向に変わったらしい。
だけど、トップガンを気に入ったトム・クルーズが続編の権利を買い取り、粗製乱造を防ぎ、満を持して公開された本作。
実に面白かったです。
前作の後悔があり、見た目は年老いていなくても、腕は新しいトップガン以上でも、何処か老いを感じさせるマーヴェリック。
冒頭で、トップガンの時代は終わった。
これからは、無人機が戦う時代だと言う話の方がリアルであり、それに逆らうマーヴェリックは、若いスターが減り映画が斜陽文化となりつつあるのに対抗している、何処かトム・クルーズを彷彿させる構造。
しかし、数十年を経ての続編と言うのが本当に凄い。
だけど、ハリウッド映画ってのは、たまに、そう言うことをやるんだよね。
実は、トップガンが公開された同じ時、日本ではもう一つの映画が公開されていました。
ハスラ―2と言う映画。
ビリヤードの9ボールをゲームを題材にした映画だったんだけど。
これも、数十年ぶりの続編だったんだよね。
主演はポール・ニューマン。
彼が若い頃に取ったビリヤードの勝負師の映画がハスラ―。
その主人公が年を取り、ハスラ―を辞めて燻っているところで出会う才能ある若造。
その若造を鍛え上げている内に、燻っていたポール・ニューマンの心に火が点いて、カムバックするまでの物語がハスラ―2。
この話では、ポール・ニューマンがひたすらカッコ良く、若造が二枚目だけど、何処か軽薄な感じがしたんだよね。
で、当時、もし、あの若い俳優がスターであり続けたら、ハスラ―3を作るのかな。
まあ、無理だろうけどね、と仲間たちと笑い話で話していました。
そのハスラ―2で若造を演じていた俳優の名前がトム・クルーズ。
実に面白い因縁だなと思いました。