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その結婚お断り ~モテなかったはずなのにイケメンと三角関係になり結婚をお断りしたらやばいヤンデレ爆誕して死にかけた結果幸せになりました~  作者: 鈴田在可
シリウスアナザーエンド 生と死と

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おまけ1 その後のブラッドレイ一家

R15注意


BLの内容あり注意


変態注意


シリウス視点

 オリオンが生まれてから四年が経った。


 ナディアとの間には長男オリオンとの後に男女の双子を授かっている。


 双子は二歳になり、現在ナディアは第四子妊娠中で、シリウスの計画通り子沢山街道まっしぐらだった。


 ブラッドレイ邸にはレオハルトやジークオルトもいるから、常に子供の声が絶えずに(うるさ)いくらいで、ナディアも子供に囲まれて幸せそうではあるものの、日々忙しくしている。


 年々大人びて女子力を高めつつあるシオンがよく手伝ってくれるので、助かっているそうだ。


 双子がいるせいもあるが、母ロゼは自身よりも早いナディアの出産ペースに何かと心配していて、孫の面倒を見なければと奮い立ってもくれていて、一時期よりは塞ぎ込むことも減り、番のいない日常を受け入れて生きているようだ。


 シリウスは、メロディとルーファウスと名付けたその姉弟(双子)が、シドの処刑の日に『未来視』で視た、父アークと母の間に生まれるはずだった子供たちなのではないかと、どうしても思えてしまって、あの時視た『未来視』の通りに、時折複雑な気持ちで双子を見つめている自分がいることに気付く。


 シリウスの中では、あの時に自分が『未来視』をすべて把握することができてさえいれば、父は死ななかったのではないか、という後悔と、自分の無力さに打ちひしがれる思いは、ずっとある。


 けれど、父が自分の身代わりにならなければ、シリウスこそが死んでいたわけで、今ある幸せを感じられることもなかったのだろうと思う。


 シリウスは、自分にその身を捧げてくれたような父に最大限の感謝をしながら日々を生きねばと思っているし、同時に、やはり罪悪感のような気持ちも拭いきれなかった。


 シリウスは、アークにナディアとの結婚を反対されて以降、父が亡くなるまでは反発ばかりしていて、最後の会話なんて喧嘩別れの言葉だった。


「こうすれば良かった」「ああすれば良かった」という後悔は尽きない。


 父に会いたくて、何度か『死者蘇生の魔法』は試したものの、『門番』のはずの父は全く応えてくれない。


 もし、シリウスが死ぬまで父が『門番』のままでいてくれるのなら、向こうで謝りたいのと、「父さんが代わりになってくれなかったら、俺の幸せはなかったから」と言って、「ありがとう」と伝えたい。


 父がいなくなって約六年。家族周りには父に話したい出来事が山のように、本当に色々と起こった。


 シリウスとナディアの間には子供が増えたし、兄ジュリアスも結婚して侯爵になったり子供ができたり、大出世もした。


 銃騎士になるのを嫌がっていたはずのノエルは、父の死の翌年には銃騎士養成学校に入校し、現在は父と同じ銃騎士として働いている。


 シリウスは特別に大切で大好きなノエル()と同じ職場で働けるのを、とても嬉しく思っている。


 それからノエルよりも先に正規の銃騎士になっていたセシルは、入隊後は兄ジュリアスの専属副官に指名されていて、結婚後も社交界では大人気のようだし、カインも近所の幼馴染の女の子を番にしていて、結婚のために今年から銃騎士一年生として働き出している。


 シオンに至っては、女装はしていても性自認は男性らしいが、しかし、どうしようもない中年男に対して拗らせ初恋をしていて――というかそのおっさんへの『番の呪い』にかかっていて――大問題が発生中だ。


 シオンに関してはどうしたらいいのか家族間でも意見が分かれていて、正直頭が痛い。


 そして困り者の弟はもう一人いる。レオハルトだ。


 レオハルトの、ナディアや他の兄弟の()へのおっぱい的執着は、シリウスを始めとした兄たちが死に物狂いで指導して何とかやめさせたが、他の女性の胸への大興味は依然継続中である。


 しかしそこらへんはレオハルトにも番ができれば、唯一人だけの胸に標的捕捉(ロックオン)して丸く収まるのでは、という見立てはあるが、もっと深刻なのが、レオハルトに✕✕癖があることだ。


 元々の原因は、幼い頃に母ロゼがシオンのようにレオハルトに女児の服を着せようとして、嫌がりすぎたレオハルトが服を脱ぎ裸のまま外へ飛び出して逃げ回り、街中を走り抜けるその爽快感がレオハルトの幼心に突き刺さりすぎて、消えない原体験として固定されてしまったことのようだ。


 レオハルトはあまりの開放感から、幼児では、いや、大人だったとしても全く有り得ないくらいの速度で全力疾走し、そのことを銃騎士隊副総隊長ロレンツォの、のちの専属副官ユリシーズにたまたま目撃されている。そのことからユリシーズはブラッドレイ家が獣人一家だと気付いてしまった。


 ユリシーズがブラッドレイ家の秘密に気付いた記憶は、セシルが消したので何とかなったが、レオハルトは一度やらかしている。


 それ以降はレオハルト経由で正体が暴かれそうな出来事はなかったが、✕✕癖については、心が広すぎるセシルを除く家族の全員が「治せ」と言っている。


 強すぎる『過去視』の力でわかっていたセシル以外は、「レオハルトいつも✕」に気付けなかったこともあり、おっぱいの件とは違って注意をするのが遅くなったためなのか、その癖が直りそうな気配はゼロだ。


 レオハルトは、現在も家の中でも学校でもいつでもどこでも✕である。


 本人は「魔法で隠すから大丈夫だよ☆」などと言っていて、確かに常に魔法で服を着ている風に見せかけてはいるが、何かの拍子に魔力切れを起こしたら変態認定されるというのに、アホである。


 シリウスはセシルに、気付いていたのならなぜレオハルトのことを黙っていたのかと問い詰めたことがあったが――


「好きなようにさせてやりたかったんだ。それに抑圧したら余計におかしくなるよ。


 レオだけ責めるのは可哀想だと思うんだよね。シー兄たちだって――――……」


 と言われてしまい、何も言い返せなかったことがある。


 シリウスは、もしも父が生きていてくれたら、シオンが二回りも年が上のおっさんに恋することもなかったのではないかとか、レオハルトも、父にバレることを恐れて隠れてこっそり✕✕の趣味に走り始めることもなかったのではないか、と思っている。


 シリウスとしては、末弟ジークオルトがまともに育ってくれることを願うばかりだった。


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今作品はシリーズ別作品

完結済「獣人姫は逃げまくる ~箱入りな魔性獣人姫は初恋の人と初彼と幼馴染と義父に手籠めにされかかって逃げたけどそのうちの一人と番になりました~」

の幕間として書いていた話を独立させたものです

両方読んでいただくと作品の理解がしやすいと思います(^^)
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