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5 幾千の夜を君と

R15

 夜の海岸――――


 波が繰り返し浜辺に打ち寄せる音の他に、男女の声が聞こえる。


 ナディアはもう死ぬまでシリウスから離れられない。


 空を見上げれば本日は快晴で、星がよく見える夜だった。この島には外灯がないこともあり、空いっぱいに瞬く星々がさらに煌めいて見えて、とても綺麗だった。


「綺麗……」


 ナディアは改めて近くにいる綺麗すぎる男を見つめて、その頬に手をやった。ナディアにとって愛しいシリウス(一番星)が手が届くほどの距離にいて、ナディアだけを見つめて笑いかけてくれる。


「うん、綺麗だよ…… ナディア……」


 シリウスは空は見ていない。ナディアしか見ていないのに、「綺麗」だなんて言ってくれる。それがすごく嬉しい。


「シリウス、キスして…… 私のシリウス」


 お願いすると求めたものが降ってくる。ナディアはシリウスと抱きしめ合った。


 ナディアはシリウスの腕の中でこれ以上ないくらいの幸せを感じていた。


 天上で瞬きながら暗闇を照らす星のように、シリウスの無数の愛で心が満たされているようだった。


(あの時、この人を選んで良かった。この人を番にして良かった)


 恋人や番なんてもしかしたら自分には一生縁がないのではと思ったこともあったが、今はとても幸せだ。お互いに唯一無二の存在になれたことが嬉しい。生きている限り、自分はこの人を愛し続ける。

 

 ナディアにはずっと、シリウスだけ。


 おじいちゃんとおばあちゃんになっても、これから先もずっと、幾千の夜を、君と。




【シリウスハッピーエンド 了】












お読みくださりありがとうございました。パラレルワールドでは幸せになりこれでお終いですが、本編はまだ続きます。


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今作品はシリーズ別作品

完結済「獣人姫は逃げまくる ~箱入りな魔性獣人姫は初恋の人と初彼と幼馴染と義父に手籠めにされかかって逃げたけどそのうちの一人と番になりました~」

の幕間として書いていた話を独立させたものです

両方読んでいただくと作品の理解がしやすいと思います(^^)
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